そうですね,日本語の「これ」「あれ」「それ」の用法に従えばおっしゃる通りです。
「これ」は自分に近いところ。
「あれ」は自分にも相手にも遠いところ。
「それ」は自分には遠く,相手の近いところ。
英語に当てはめると,
this は自分に近いところ,すなわち「これ」と同じです。
that は自分に遠いところであって,相手との関係は考慮しません。
すなわち,「あれ」も「それ」も that です。
this, that は指示代名詞,日本語で「指示語」というのと同じです。
一方,it というのは,この意味の「それ」ではありません。
he「彼」,she「彼女」というのに合わせて,誰かが「それ」と訳すと決めただけです。
he が一度出てきた特定の男性を表すように,it は特定のものを表します。
英語では
What's that?
What's this?
いずれの場合も,二度目は it を使うと決まっています。
It's a lighter. というのは「ライターです」
に当たると思ってください。
「それは」なんて日本語では言わない。
英語では主語が必要で,it を用います。
it は日本語にないものです。
ただ,何も訳語がないと気持ちが悪いので
「それは」と訳しているだけです。
What's that? に対して,
もう一度遠くのものを指して
That is a lighter. ということはできます。
ただ,言いたいことは lighter だ,ということだけで,
「あそこにある,あれ」というのはわかりきっているので,
英語では特に意味のない it を用います。
とにかく,指示代名詞としての that と,
そのもの自体の代わりとなる it という人称代名詞を区別してください。
「それ」と指差すのは that です。
最近,小学6年生,中学1年生にこのことを話しましたが,わかってくれたのかな?
普通は学校でも塾でも,it「それは」で逃げて終わりです。
その方が楽だからか,教える方がわかっていないのか。
this「これ」
that「あれ」
it「それ」
これは学校文法でする,最初の,そして最大の誤りです。
お礼
言うなれば、itは「それ」と訳してもよいけれども、 「それ」=自分には遠く,相手の近いところ。 と言う意味ではなく、 「それ」=今質問して話題にしているもの と理解したらよいのですね。