こんにちは。
子供の我侭は親としてはついつい腹を立てて怒ってしまいます。
幼い子供のちょっとした言動も許せず、大人気なくカッとなって
暴言を吐いてしまう。 そんな言葉を友達に一度でも言えば、
一生口をきいてくれなくなるような酷い言葉。 我が子と思って
なめてしまい、同じように心を持つ人間だとは、実は思ってない。
「だって子供じゃない!」「所詮子供じゃない!」
・・・そう、遠い昔に私たち自身もそう言われて育ったんでしたね。
言った瞬間に心の底に罪悪感が沸き起こり、それをムキになって
「しつけのため!」と言い訳して、そんな嘘つき大人の自分にも
腹が立って益々イライラして最後には手が出る。。。。
子育てしていれば、こんなシーンは誰でも何度も経験しますよね。
親も、子供心にきっと酷く傷ついているだろう、なんて酷いことを
言ってしまったのか・・・と深く反省するのですが、数時間も立てば
ケロッと忘れてまたガミガミ・・・
子供だけではなく、親の精神衛生にも余りよくないですよね。
子供を育てることは、自分自身を子供に育ててもらうことだと時折
本当にそう、思います。 自分に甘くて他人に厳しい自分を育てるみたい。
他人には常識が足りないだとか努力が足りないとか、すぐ批判したがるのに
自分は休みたいとかご褒美とか、誘惑に戸惑いがちでご都合主義な所が沢山。
理性的に行動したいのに、すぐに感情的になってしまう。自分のことは
「テヘッ」とか笑ってやり過ごそうとするのに他人だと許せない。
言ってることとやってることが子供の目にも矛盾して見える自分。
(私も含めてみんなそうですね・・・)
子供は単語の意味は理解できても話は理解できません。
子供なりの感情で楽しみたいのに、お母さんはすぐにあれもダメ、
そんなことはしちゃダメ、言うことを聞きなさい、なんであなたは
そんなにダメなの!・・・・
もう、お母さんなんかいなくなっちゃえ・・・・
いつしかそういう気持ちが降り積もってきて中学生や高校生位になると
ドカン! いきなり不良がケンカを売るような汚い言葉遣いで親に
楯突いたり。
すると、子供は絶対に大人に服従するものだと決め付けていたのに
恐怖と屈辱、敗北感でわなわな震えて声も出ない。
安っぽいテレビドラマに出てきそうな世間体ばかり気にする小心者の
カッコ悪い母親、に自分がなってしまって自尊感情はズタズタ、
人間としての何もかも否定されたと思って鬱病になってしまったり。
小さな子供を育てている親は目先のことしか心が理解できず、
僅か数年経てば我が子も親に口答えしたり暴力を振るう若者にも
成長するということが全く理解できません。
丁度、親の言うリクツが全く納得出来ない子供のように。
本当に、私たち親は我侭で自分勝手で聞き分けのない子供みたいだと
思うんですよ。 幼稚な自分は恥ずかしくて、だけど親なら大抵そうだと
言うことも経験で判りますよね。
でも、おっとりした性格の人もいれば、自分をコントロール出来ない人も
沢山います。 感情的な人/情感豊かな人は、中々冷静にはなれませんし、
ちょっと位落ち着こうとした所で子供は言う事を聞いたりはしません。
私は色々試行錯誤しながら、子供が耳を傾けるコツ、みたいなものを
探してきました。 とにかく、お説教は子供の心に届いていないばかりか
上に書いたような毒物を子供の心に蓄積するだけの害の多いものでした。
大きくなった娘に聞いてみると、親が思う以上に心に傷を負っていて、
それでも子供は強いから立ち直るけれど、決して忘れてはいないことを
思い知らされました。
例えですが、銀行に行っていきなりお金を貸してもらおうとしても相手にして
もらえません。 口座を開き貯金をし、お給料の振込みや自動引き落としなど
様々な取引の中で利息がついたり融資が可能になったりします。
愛情もまた銀行預金のようなもので、先にそれなりに貯金しないと相手に
されません。 所が、心が子供のままの親は一方的に支配されることを
子供に要求します。 親が子供を叱って強制するのは子供のためを思えばこそ、
子供は服従する義務しかなく、親に意思を表明する権利はない、と固く
思い込んでしまう人もいます。
でも、私たち親も同じです。
職場でしょっちゅう怒ったり嫌味を言ったりする上司が「俺が厳しく言うのは
会社のため!ひいてはお前のためなんだぞ!」といくら口角泡を飛ばして
説教したところで
「何言ってるのかしら、自分の保身のことしか考えてない癖に」とか
「嫌な奴!車にはねられて死んでしまえばいいんだわ!」とか、心では罵倒しつつ
愛想笑いを浮かべたり、感情を殺して無表情になったり、全然、自分のために
言ってくれてるんだ、などとは思いませんし、考えたくもないですよね。
つまり、信じてないのです。 本当に自分のためだ、なんてありえない、と
思っているんです。
子供も人間。その点では全く同じです。
さて、私が当面心がけているのは
●9ホメ1テーマ
・・・・人間叱られるより褒められるほうが気分がいいし、褒めてくれる相手を
好きになります。 勿論、心にもないうそ臭いホメ殺しは胡散臭いものですが、
自分でも「やったあ」と思ってることをすぐに褒めてもらえると「判ってるね!」と
嬉しくなります。 不思議なもので、9回も褒められると一回、一つくらいは
耳を貸してくれます。
特段褒めることが無いときでも、顔を見ると「可愛い、可愛い」と頭を撫でることも
最近では癖になってきました。
●代理人を立てる
・・・・心を閉ざしていると曖昧な薄笑いや無表情になるものですが、説教している
相手がこんな表情をすると「話聞いてるの?私をバカにしてるの!」となりがちです。
でも、現実には凄いストレスにさらされて心をギュッと縮めている状態です。
私は子供とお互いに「指くん」という代理人を立てて、代理人同士で話をするように
なりました。 指くんはお互いの人差し指で、丁度人形劇のようにやるわけですが、
各々本人の従者という設定なので、それぞれの主人の気持ちや考えを話し合う執事、
といったようなスタンスになります。 何といえば良いのか、自分で無くなれば意外に
気持ちも落ち着くし、子供も怖くて言えなかった事なども少しづつ話せたりします。
今では沢山あるぬいぐるみや、箸置き、果ては消しゴムまでしゃべり出す始末です。
子供にとって、色んなものが感情移入できるキャラクターであったことを今更ながらに
思い出してくすくす笑ってしまいます。
●触る、抱く、撫でる、チューする
・・・・スキンシップと言うものは、大人でも子供でも理屈ぬきに通じるものです。
こちらもギュッと抱きしめている子供に感情的に怒ることは不可能ですし、
(バカらしくなっちゃう)子供も余程親への信頼を失っていなければ、暖かく
抱きしめてくれることで自分への愛情を確信出来ます。
そんなシチュエーションで「楽しいのは判るけど、ママは困っちゃってます、
ママを助けてあげてくださいね、どうすればいいと思う?」などと甘ったるく
やられると、結構判ってくれることが多いことも経験的に学びました。
子供に酷い態度を取って子供が傷つき、自分も傷ついて、それでもこういう「貯金」を
重ねることで明るく育ってくれる我が子を見ると、子供って大人よりタフだなあ、と
感心したりする今日この頃です。
褒めておだてて抱きしめて、いい気持ちにさせてあげることがどんなに有効なのか。
今では以前に比べて小言やお説教は一割以下に減りました。 それでも、また
やっちゃうこともあります。
親と子が手を繋いでケンカして仲直りして学んで、一歩づつ大人になっていく。
今更ですが、私もようやく停止していた自分の心の成長が動き出している気がします。
全く、子供っていうのは大したものだと心から思います。
nani027さん、どうぞ一歩づつお子さんと手を繋いで抱きしめて、楽しんで子育て
出来たらいいなあ、と手を振ってキーボードから指を離すことにいたします。
ね!
お礼
ご丁寧に有り難うございます。勉強になりました。