日本経済の衰退の原因に関しては、枝葉の議論をしていても始まりません。衰退の本質を見抜かなければならないということです。ここでは、本質として、「官僚等による規制」と「製造業の支援」のふたつを取上げます。
「官僚等による規制」については、たとえば、東京電力は、企業や個人の自家発電(太陽光発電など)の普及を規制するよう官僚に働きかけていたことが明らかとなっています。もちろん、自社の利益を守るためです。また、東京電力を守るために、一般企業であるにも関わらず、国民全体に理不尽な負担を求める議決(電気料金の全国一律値上げ)がなされようとしています。
この電力会社を守るための規制は、自由競争を阻み、天下りの温床にもなっています。たった一握りの官僚等の利権のために、さまざまな規制がなされているのです。東京電力の例は、氷山の一角にすぎません。
このように、自由競争や民主的な開発が、多くの官僚等の利権目的の規制によって妨げられていることが衰退の原因のひとつとして挙げられます。一部の官僚等による利権支配が続くのであれば、日本は近代民主主義国家というよりはむしろ、官僚等独裁国家ともいえ、封建制度依頼悪しき日本のDNAが尾を引いているといえるでしょう。
つぎに、「製造業の支援」については、日本人特有のオリジナリティを無視した経済政策の横行が挙げられます。
日本の民族性から、製造業において日本に勝る国はありません。それをないがしろにして、実体のない金融経済やアメリカ発IT経済に目を奪われているのが現状です。その追随をしたところで、日本の存在意義は何十カ国分の一にすぎません。
今の日本経済には、実体経済である製造業を近未来に向かって発展させる経済政策が不可欠なのです。このままでは、日本の技術が海外に流失し、日本はますます衰退の一途を辿ることになります。
以上の二点を日本経済の衰退の原因として取上げました。これらの本質の改善には今後2世代の入れ替わりを待つか、ニューリーダーによる抜本的な構造的改革が望まれる次第です。
また、これらの本質は、質問者が危惧している公務員の天下りと決して無関係ではないことを付け加えておきます。
お礼
ご回答ありがとうございます。日本の現状をそのまま文章にしたかのような回答に、感服いたしました。東京電力の件は全く知りませんでしたが、事実だとすれば日本経済だけの範疇ではなく、日本人のモラル、人間性、最終的には日本と言う国そのものの存在意義をも問わねばならない事態であるように思います。しかし、ニューリーダーとなるべき人間像が、いま世に出ている人の中に見つけ出すことが出来ません。もし日本に将来があるのであれば、その将来に期待いたしたいと思います。
補足
製造業が世界に勝っていたのは民族性からというより、先人かたがたの、たゆまぬ努力によるものではないでしょうか。日本民族が生まれもって適正である、という表現は誤解を招くようにも思えます。最終的には同じ意味なのかもしれませんが・・・