診療報酬改定で狙われた脳卒中と認知症について
H20年度の診療報酬改定についての質問です。
今回の診療報酬改定で、特殊疾患病棟入院料や障害者施設等入院基本料の対象の重度障害者から「脳卒中後遺症と認知症」が除かれました。また、後期高齢者特定入院基本料の対象外となる状態の重度障害者からも「脳卒中後遺症と認知症」が除外されました。厚生労働省は恐らく、「脳梗塞で重度障害者になった人」や「アルツハイマーが進行して寝たきりになった人」を除外しようとしているのだと思います。
しかし高齢者の場合、多くの疾患を持っていることが多く、重度障害の原因を単純に特定できる方ばかりではないと思います。
例えばこんな例はどうでしょう。
(1) もともとリウマチで重度障害の状態であった人が、脳梗塞を発症し更に重度の障害者となった場合。(脳卒中は確かに重度障害の原因だが、その前に既に別の疾患で重度障害だった)
(2) 脳梗塞を発症したが、リハビリをして歩行ができる程度まで回復。しかし、その後肺炎を繰り返し、寝たきりの重度障害者になった場合。(脳卒中が直接的に重度障害の原因ではないが、間接的な原因となっている場合)
(3) 大腿骨頚部骨折が原因で重度障害者となり、その後認知症が進行して寝たきりになってしまった場合。(重度障害になった原因は脳卒中でも認知症でもないが、重度障害者となったことで認知症がでてきた場合)
(4) もともと認知症があり、転倒し脳挫傷となり、重度障害者となった場合。(もともと認知症や脳卒中の後遺症があるが、それ以外の疾患や事故が原因で重度障害者になった場合)
このような例は、4月から特殊疾患病棟入院料や障害者施設等入院基本料の対象外とされてしまうんでしょうか。また、後期高齢者特定入院基本料の対象外となる状態の重度障害者からも除外されてしまうんでしょうか。
つまり、脳卒中後遺症と認知症が重度障害の直接的な原因の場合にのみ対象外となるのか、間接的な原因でも対象外となるのか、因果関係がなくても病名がついているだけで対象外となるのか、それがよくわかりません。
ご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてください。
また、後期高齢者特定入院基本料の対象外となる状態の重度障害者から、脳卒中後遺症と認知症を除いてしまうと、現場にはどのような問題の発生が予測されるでしょうか。私は新たな患者のたらい回しや入院の拒否、過小診療、病院の経営悪化の原因となってしまうと思うのですが…。
お礼
ありがとうございました。参考になりました。