教科書で「同位体」を調べると2つの内容の記述が出てきます。
1つ目の説明は、原子の構造についての説明です。・・・説明1
2つ目の説明は、その構造の違いによって生じる性質の違いについてです。・・・説明2
(「同位体の説明が2通りの表現になっているのはどうしてか」、「どちらが正しいのか」という質問を受けたことがあります。2つの説明でワンセットです。)
(1)同位体:陽子の数が同じで中性子の数が異なる原子の組
(2)化学的な性質は電荷をもった粒子である陽子の数によって決まる
⇒同位体は化学的性質が同じである
⇒化学的性質でまとめた周期表では同じ位置に入る・・・「同」「位」体
(陽子の数で区別して付けた番号が原子番号です。)
⇒同じ元素記号を用いる
(水素に対して、H,D,Tという文字を用いることがあるのは例外的な(慣用的な)ものです。
教科書では1H,2H、3Hとなっています。3Hは放射性です。
炭素でも、酸素でも同位体を文字で区別するということはされていません。14Cは放射性です。)
(3)質量が異なるので物理的な性質は異なる
⇒沸点や融点は物理的な性質を表す量です。
放射性であるかどうかも物理的な性質です。
(2)と(3)をまとめた
「化学的な性質は同じであるが物理的な性質は異なる」
という表現が「説明2」として教科書には載っていると思います。
ここまでは教科書に載っていること(授業で習うこと)ですから
「融点も、沸点も同じですか」という質問が出てきている理由がわかりません。
「融点、沸点が異なると書いてあったのだがどの程度異なるのでしょうか」とか
「化学的な性質が同じであっても質量が変われば沸点が変わるのはどうしてでしょうか」、
「沸点や融点以外に同位体で違いがある物理的な性質とはどういうものがあるのでしょうか」、
・・・
であれば質問された理由がわかるのですが。
もしかしたら「構造についての説明(説明1)だけが同位体の定義だ」と考えられたのかもしれませんね。こういうニュアンスの文章を書いている参考書もあるようですから。
お礼
ありがとうございます。沸点と融点は物理的 わかりやすかったです。 化学的な性質とはどういうのもがあるのか知りたくなりました。