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鉄イオンの持続的な発生方法について
ごく微量な鉄イオンの溶存が、河川や海の生態系の回復や増進に極めて効果のあることが最近、徐々に解明され、森林で生産されるフルボ酸鉄という鉄の錯体が海を豊かにする物質として注目されています。しかしながら、このフルボ酸鉄に海域への流入は極めて微量であることから、最近では人工的にこの種の錯体(クエン酸鉄)を作り、これを必要なところに施用しようという試みが開始されております。 このためには、まず鉄のイオン化を促進し、発生した鉄イオンを酸化させずに素早く鉄の錯体として取り込むことが必要となります。最近は使い捨てカイロを水中に投じることで、鉄のイオン化を図る試みがなされていますが、化学的なデータがありません。 私は産業廃棄物である鉄鋼スラグ(鉄の含有比率約14%)と焼酎粕中のクエン酸に着目して、この組み合わせを考えましたが、焼酎粕の富栄養化がネックです。 鉄イオンを水中で持続的に発生させる方法を教えて下さい。
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- qhodo
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ご参考になるかどうかわかりませんが、私はクエン酸鉄を処分する方法を探していましたので、利害が一致すれば面白いと思い回答させていただきます。 銅版画の工房で使うエッチング液は業者に回収して貰いますが、版を洗浄するときにエッチング液と銅イオンがどうしても下水に流れてしまうため、新しい方法の開発をしています。銅版を鉄板に変更し、エッチング液はクエン酸と塩(または塩化アンモニウムなど塩化物イオンを含むもの)の水溶液に変更し、鉄板を陽極にして電気酸化させる方法を考案しました。エッチング液はオリーブグリーンになっています。おそらくクエン酸鉄が生成しているだろうと思います。 鉄イオンは銅イオンより環境負荷がずっと低いし、クエン酸鉄塩はサプリメントや作物の鉄分補給にも使われるということなので、比較的安全だと思って開発してきました。しかし全量を下水に廃棄するわけにもいかず(排出規制もありますし)、廃液処理で行き詰まっています。 そういうわけで、質問者様への回答としては、クエン酸と塩化物イオンの水溶液中で鉄を陽極にして1ボルト程度の電圧をかけてやれば鉄が溶液に溶けます。おそらくクエン酸鉄になっていると思います。そしてねがわくば、鉄版画のエッチング廃液そのものが河川や海の生態系の回復に利用できれば、私どもにとってはとても都合が良いです。
- TEOS
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昔は、使い捨てカイロに使う、還元鉄粉の研究をしてました。 使い捨てカイロの中身の原料比 鉄粉50% 珪藻土(ゼオライト)35% 水14% 残りは塩類と活性炭。 中には全体の40%が活性炭のものも有る。 反応後の鉄は、水酸化鉄か、塩化鉄になってます。 この原料で水の浄化効果はどの程度か不明。 しかしながら、 20年以上、古い文献には鉄粉を使用しての、汚水の凝集剤効果(浄化)の検討もしてますので、 効果は有ると考えます。 鉄の単体を、水に入れても反応が起きない。 触媒として塩か酸が無いと反応が起きない。 新品の使い捨てカイロを、水に投入しても、酸素が無い、触媒が溶けるので、反応が止まる。(20年前にテスト済み) 耐水性の包装材料で、酸素が持続的に供給出来れば、反応は持続できる。(これも実験はしている) 浄化作用は、その程度効果有るかは、テストしてないので不明、活性炭が多ければ、有機物は吸着するだろうと考える。 夜遅いので、この程度でご勘弁を。
お礼
TEOS様。ご丁重な回答をいただき、お礼申し上げます。折角のご回答ですが、私が全くの化学音痴で右往左往しているものですから、内容が十分理解できません。 カイロのことですが、水中ではゼオライトの珪酸と鉄の間でイオン化傾向が生じ、鉄がイオンとなって溶出するのではと思っておりました。鉄単体(たとえば鉄粉、錆びた釘など)をたとえばクエン酸溶液に入れれば、酸性になるので、鉄はイオンとして遊離してくるのではないでしょうか。「耐水性の包装材料で、酸素が持続的に供給できれば、反応は持続できる」というところが、私にはよく分かりません。 鉄イオンを直接、浄化作用に用いるつもりはありません。目的は、鉄のイオンを持続的に発生させ、クエン酸鉄の錯体を作ることです。 ご迷惑をおかけしますが、もう少しご教示をいただけると助かります。
お礼
qhodoさま 返事が遅れましたが、傾聴に値する大変貴重なご意見をいただき、感動しております。ご案内のように、鉄イオンが陸水海域の生態系の増進に効果が高いといわれ、私どもは鉄錯体の存在について、森ー川ー海と調査をしました。確かに昼夜を分かたず森林からフルボ酸鉄という錯体となって川から海に流れていることを確認しました。ただ、あまりにも微量なため、これを人工的に作れないかということで錯誤している最中でした。クエン酸に鉄イオンが錯体を形成することは分かっているのですが、鉄イオンを容易に、持続的に発生することはできないかというのが、課題でした。本日、目からうろこの出るような返答をいただき、本当にありがとうございました。