植物の葉が太陽光の下で、鮮やかな緑色に見えると言うことは、紫外線~赤外線までの様々な波長の光を含む太陽光が植物の葉にあたると、赤色や青色は吸収(=反射しない)し、緑色の波長だけ多く反射していることを示しています。
では、太陽光の波長は植物の光合成においてどのように使われているのか、ザッとご説明します。
・植物の光合成と波長(光の色)について。
<=(紫外線)=(青~青緑色)=(緑~黄色)=(橙~赤色)=(赤外線)=>
光合成に関係する波長と植物の関係をご説明します。
・波長:400nm以下(紫外線)
紫外線は基本的に植物には有害で、特に280nm以下(殺菌線)は短時間で植物を枯らします。
【青色】・波長:400~500nm(青~青緑色)
カロチノイド、フラビン蛋白、リボフラミンなどの色素に作用し、植物が光の方向に曲がっていく屈光性やそのほか形態形成に大きな効果があります。
植物の形態を正常にし「背を低く、葉を厚く」する作用があります。
光合成において赤色光(600~700nm域)に次いで重要な波長ですから、葉の表面で吸収されます。
【緑色】・波長:500~600nm(緑~黄色)
人間の眼には、最も明るく感じる波長ですが、実は、光合成や形態形成には無関係です。
植物の葉には、ほとんど吸収されないので、そのまま反射しています。
【赤色】・波長:600~700nm(橙~赤色)
葉緑体(クロロフィル)が、この波長の吸収した光エネルギーによって、二酸化炭素と水から炭水化物(植物の体)が合成されます。
日の長さ(昼と夜の時間の相互関係)が、植物の開花や結実などの植物生理に大きく影響する波長でもあります。
つまり、光合成、日長作用ともに最も重要な波長域ですから、葉の表面で吸収されます。
・波長:700nm以上(赤外線)
光合成の作用スペクトルは、植物体内において、葉緑体の吸収極大(660nm)より長波長側では急激に減少します。
ところが、青色及び赤色光の放射に近紫外線を加えると光合成がさらに促進されます。
この効果をエマーソン効果と呼びます。
ただし1000nm以上では熱作用となり、植物の細胞を破壊します。
お礼
詳細な回答ありがとうございます。 確かに、緑色の光が光合成と関係ないことがよく分かりますね。 関係ないことですが、何故、緑色を見ると心が和むんでしょうか? 心理学の範囲の問題ですかね?