住宅ローンの審査を担当していたことがあります。
住宅ローンは、他のローンと異なりまして、複数の金融機関にまとめて・同時期に申し込む(=審査を依頼する)のは、当然のように行われています。
金融機関や保証会社が、その申し込みにあたって『個人信用情報機関』に、借入申込者の情報を照会すれば、複数の金融機関等からの「申込情報」が登録されていたり、「照会履歴」が残っていたりしますので、「ああ、この人は、A銀行やB銀行の利用も検討されているんだな。」と思います。
金融機関でも、それが「当たり前」と思っていますので、それで審査落ちする確率が上がる…などということはありません。
複数の金融機関からOKが出れば、借入申込者は、いろいろな条件等を考慮し、その中から「自分に最も適している」と考えられる金融機関と契約をする…ということになります。
ローンの審査基準というのは、金融機関によって異なるものですから、A銀行ではNGだったけれど、B銀行は条件付きながらOKとなり、C銀行では無条件でOKとなった…ということも珍しくありません。
ただ、複数の金融機関でNGとなった結果、「借りられる」ことだけに意識がいき、高い金利で借りることになった…ということは、そのお借り入れは「無茶なことだった」ということになります。
金利を低くしないということは、それだけ破たん懸念が高いと判断されているということと同じなんです。
貸す側の本音としては、「辞退してほしい」から、借りる側に不利な条件を提示するんですよ。
住宅ローンの借り換え審査では、既存の住宅ローンの金銭消費貸借契約証書などを拝見します。
それを見れば、よほど無能な担当者でない限り、「この人、何でこの時期にこんな不利な条件で借りているの!?…ということは、不利でもこの条件でないと借りられなかったということでしょ?ギリギリ審査通過?破たん懸念高い?」というようなことを考えます。
時々、ローンについては、現在の属性や現在の『個人信用情報機関』に登録されている情報に問題がなければ…ということを言っている人も居るようですが、借り換えについては、既存のローンの条件書も情報源になるんですよ。
お礼
現実は想像以上に厳しいということがよく解りました。いくつかの審査で落ちた段階で止めておくのが正解だったと悔やみきれません。しかし前に進むしかありませんのでこうしてお知恵を貸していただいて本当に感謝しております。ありがとうございました。