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オオクワの飼育について
- 2009年の秋にオオクワの卵が孵化し、3匹の成虫が羽化しました。しかし、幼虫の中には腐ってしまったものもあります。また、1匹の成虫は蛹化しているが地表に出てきません。さらに、2匹の幼虫は兄弟よりも小さいです。
- 1匹の成虫は蛹化しているが地表に出てきません。このまま一口もエサを食べずに越冬するのでしょうか。
- 2匹の幼虫は兄弟よりも小さいです。新しい菌糸に交換してもさらに大きくなるのでしょうか?交換のショックで死亡する可能性が高い場合はそのままにしておくべきでしょうか?
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>蛹化しているのを確認し、恐らく羽化したと思われますが、今も地表に出てきた形跡がりません。このまま一口もエサを食べずに越冬するのでしょうか。 そのとおりです。盛夏を過ぎて羽化したクワガタムシは、そのまま蛹室の中で寝返りを打ちながら半年以上を過ごし、樹液が出始めるシーズンになると自力で外に出てきます。 その間は幼虫時代に摂取した栄養分で生きていきます。 この成長パターンを「1年1越型」と言い、菌糸ビンを使用しての人工飼育では多いパターンです。1年を幼虫で過ごし、成虫で1冬越えるという意味です。 外国産のカブトムシも同様で、ほとんどの個体が晩秋から初冬にかけて羽化しますが、約半年は蛹室の中でじっとしています。 成虫の体長を測りたいときや、写真を撮りたいとき、早く成虫の顔が見たいなどの理由で、土(マット)を掘って成虫を蛹室から出し、23度以上の環境で、エサを与えれば、羽化後約1ヶ月以上経っていればエサを食べますが、エサ代がかかるのと、成虫としての寿命が短くなるので、好ましくありません。 マット飼育の場合は、時期が来ると自力で出てきますが、菌糸ビン飼育の場合でオスの場合、菌糸が硬く回っていると、自力で脱出できない場合があるので、4月頃には菌糸を崩して出してやる必要があります。メスの場合はキバがあるので心配ありません。自力で出てきた成虫はエサを求めますので、早い目にゼリーを与えます。 自力で出てきてエサがないと1ヶ月ほどで餓死する場合があります。 >この、幼虫のまま2回目の冬を越える兄弟について、これから新しい菌糸に交換したところで、さらに大きくなるのでしょうか? 新しい菌糸への交換のショックで死亡する確率が高いのならこのままにしておこうかとも思うのですが。 菌糸ビンの劣化の状況にもよりますが、居食いしているようなら触らないのがベストです。 幼虫で2冬を越すことは珍しくありません。「2年1化型」と言って、天然では一番普通のパターンです。2年間を幼虫で過ごし、春先に羽化して夏に活動します。蛹室で過ごす期間は短いです。このパターンの違いは、幼虫になって最初の冬を2令で迎えたか、3令で迎えたかによるのです。卵の産みつけられた順番によって、同じ兄弟でも孵化するタイミングが1ヶ月ほどズレるために、このような差が生じます。 「居食い」というのは、幼虫が菌糸ビンの中に蛹室に似た空間(居食い穴)を作り、その部屋の壁を食べている状態です。この状態が一番好ましい状態で、運動しないので太ります。1日中テレビを見ながらポップコーンを食べ続けているようなものです。せっかくこのパターンに入っているものを掘り出すこと(菌糸ビンの交換)は一番いけないことです。 この逆が、「アバレ」です。「アバレ」というのは、幼虫が一箇所に留まらずに菌糸ビンの中を徘徊している状態で、ときには菌糸の表面の空間にまで出てきます。体力を消耗するので太りません。この場合は、菌糸ビンを交換して環境を変えてやることにより居食いに移行する場合もあります。 居食い穴は、時期が熟すると空間を一回り大きくしてそのまま蛹室になります。 アバレの幼虫は、アバレ回った挙句、菌糸の表面で、蛹室を作らずに寝転がってサナギになる場合もあります。サナギにはなっても蛹室がないとまともに羽化できませんので、サナギになって半月後には人工蛹室に移さなければなりません。 ということで、幼虫がビンの中を動き回っているようなら、菌糸ビンの交換によりアバレを抑える作戦を採る、食べ跡も幼虫も外から見えない(生きているのか死んでいるのかも判らない)なら、まず居食いしていると見て交換しないのが良いのです。
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- TAC-TAB
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>”オスの場合、菌糸が硬く回っていると、自力で脱出できない場合がある” とのことですが、自然界では木の中に産卵され、小さいうちに木のより中へ潜っていって蛹化するのですよね?であれば、全ての♂は自力で出てこれないような気がしますが、大丈夫なのでしょうか? そこまで堅い木には産卵しないということなのでしょうか? 特に発酵マットマットで飼育すると良く分かりますが、クワガタムシの蛹室はビンの底近くの側壁に沿って長く作られます。これは天然で言えば、倒木の下側の樹皮のギリギリの場所になります。成虫になった場合、下に向かって大アゴを開閉して進めば、樹皮一枚で朽木から脱出できます。倒木の下側に蛹室を作るのは、雪が積もって蛹室の内部が極端な低温になったり、雨水が浸入したり、鳥などにつつかれたりしないように工夫しているのです。本当にクワガタの幼虫は賢いのです。 また、朽木に産卵されて、天然ではその後約2年間かかって成虫になりますが、その2年間の間に産卵木は腐朽が進み、すっかり枯れ果てたり、幼虫の空けたトンネルのおかげてグサグサに柔らかくなっています。そのような状態だとオスでも木を崩して進むことができます。
お礼
わかりやすい説明でよく理解できました。 長々とおつきあいいただきありがとうございました。
- TAC-TAB
- ベストアンサー率76% (1921/2526)
それであれば、そのまま放置しておくのが一番です。冬場はもともとあまりエサを食べませんし、春先になってまたアバレ出すようならその時点で交換しても間に合います。 おそらくそのままサナギになると思います。なお室温が20度以下であれば、前蛹まで行ってもサナギにはならないのが普通で、気温がおおむね23度以上になるとサナギになります。たまに気温が低くてもサナギになるのがいますが、それは珍しい例です。 それから、アバレの幼虫は体力をいたずらに消耗しているので、居食いの幼虫よりも小さいのが普通です。幼虫期間が長くても、その期間に摂取した栄養を体内に蓄えていないので、羽化しても小ぶりになります。
お礼
なるほど、よくわかりました。 暖かくなってから様子をみることにします。 1つ、ご回答の中で気になったことがあります。 ”オスの場合、菌糸が硬く回っていると、自力で脱出できない場合がある” とのことですが、自然界では木の中に産卵され、小さいうちに木のより中へ潜っていって蛹化するのですよね?であれば、全ての♂は自力で出てこれないような気がしますが、大丈夫なのでしょうか? そこまで堅い木には産卵しないということなのでしょうか?
お礼
すごく丁寧な回答ありがとうございます。 確か前回もTAC-TAB様に回答いただいていましたよね。覚えておられるでしょうか。 そうです、あの時の兄弟です。アバレの2匹です。 一方は古い菌糸を固めた別のビンに移して、もう一方は古いマットを固めたビンに移して、アバレが治まりました。 菌糸が古く、もう白いところが残っていませんし、ビンが小さいので、食べる部分がだんだんなくなってきているように思います。 外から見ても、内部に大きな部屋が見え、ほとんど移動しなくなりました。 このままそっとしておくのが一番ということですね。