こんにちは
昨年(3月)の初任務の際には
「政府は、アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、日本籍船を護送する
海上自衛隊艦船に同乗する海上保安官の権限を活用して、日本籍船
の乗船者に対する殺人や逮捕監禁など重要犯罪を行った海賊の身柄
を拘束し、刑法の国外犯規定を適用して逮捕・起訴する方針を固めた。
現地で取り調べ、海保の航空機で身柄を日本に移送、逮捕・送検する。
その為、司法警察員の資格を持つ1等海上保安士以上の海上保安官
を護衛艦に乗せて活用する。」
「司法警察権を持つ海上保安官は2隻の護衛艦に分乗し、海賊が日本
船籍や日本人が乗り込む商船を襲撃した場合、身柄拘束などの任務
に当たる。
8人は語学力や取り調べといった捜査能力が評価され、捜査隊隊長は
海上保安庁国際刑事課の竹内行広専門官(43)。11日には、護衛艦
が所属する広島県の海自第4護衛隊群(呉基地)へ向かう。」
と報道されていました。
軍隊でいうところの下士官の最上位者たる"曹長"に相当する、一等
海上保安士以上で、かつ、語学や捜査能力の優秀者、の中からさら
に選抜されたのでしょう。
また(当時は)隊長もわざわざ"専門官"という特別職種の保安官から
任命していますので、全体的にも海保の中でもエリートに属する人達
なのであろうと思われます。
さて、今回の(派遣の)ポイントは
「・・・重要犯罪を行った海賊の身柄を拘束し、刑法の国外犯規定を適用
して逮捕・起訴する方針を固めた。」
という部分で
通常ならば"行政警察権"を行使し、身柄を拘束した海賊に対しては、
当該国の官警にその身柄を引き渡すべきところを、その後の司法手続
き(取り調べ、捜査、起訴)までも自らが執行可能なよう"司法警察員"
の資格を有する「一等海上保安士」を同乗させた、という事です。
つまり、国際法上、海賊行為などに対して警告(武器使用も含め)や、
拿捕、及び身柄の拘束、は自衛官でも充分執行可能なのですが、さら
に一歩踏み込んで、捜査(取り調べ)、場合によっては起訴までも、行う
意思があり! という事を内外に示したものと言えるでしょう。
お礼
ご回答いただきまして、ありがとうございます。 非常に詳しい正確なご回答、参考になりました! 一等海上保安士以上という報道が以前にされていたのですね。 やはりとても優秀な保安官が乗船しているのですか。 海上保安庁は、幅広く活躍していることが分かりました。 丁寧に教えていただき、本当にありかどうございました。