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空間図形と空間ベクトルは一つの単元にまとめるべきか
代数・幾何時代のように,空間図形と空間におけるベクトルは「空間図形とベクトル」という単元にまとめるべきだと思いますか。 次期指導要領では空間図形は数学Aで単元「図形の性質」の一部,空間におけるベクトルは数学Bで単元「ベクトル」の一部に含まれているようです。両者をまとめれば,直線・平面・球の方程式を扱うことができ,ベクトルの有用性が増すと思うのですが。
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代数・幾何時代の人間です。 >次期指導要領では空間図形は数学Aで単元「図形の性質」の一部,空間におけるベクトルは数学Bで単元「ベクトル」の一部に含まれているようです。 という事は、数学Bで「ベクトル」をやったとしても、数学Aの「図形の性質」へのフィードバックはない、という事でしょうか?。以下、その前提で書きます。 >両者をまとめれば,直線・平面・球の方程式を扱うことができ,ベクトルの有用性が増すと思うのですが。 自分は賛成です。 >矢線ベクトルって何ですか。 点P1からP2へ引かれる、矢印の事です。P1=0(原点)なら位置ベクトルと一致し、p1≠0のとき、位置ベクトルとしてのP1とP2の差、P2-P1で定義されるものです。じつはこれは矢線ベクトルの定義の半分です(残りは後述)。 >例として矢線ベクトルから入るのは、問題だと感じます。そんなことをするから、矢線ベクトルと位置ベクトルの区別が怪しい生徒が量産されるのです。 されて良いのでは?、と自分は思います。確かに矢線ベクトルと位置ベクトルは、本当は別物です。 位置ベクトル空間を、差が等しいの同値関係で割った商集合が、矢線ベクトル空間だと思いますが、高校生にそこまで言うのは、酷な気がします。大学生だって商集合はなかなか理解しません。 矢線ベクトルを示したとき、「ほら位置ベクトルと、実質同じだよね?」では駄目でしょうか?。平行四辺形法則です。商集合の言ってる事は、結局そういう事だと思います。商集合の概念装置でそれらを切り分けるのは、大学に入ってからでも遅くないと思えます。 個人的経験ですが、だいたい大学に入ったって、線形代数で扱うのは実質、位置ベクトル(数ベクトル)だけで、自分は商集合としての矢線ベクトル空間なんて、教えてもらった事はありません(工学部です)。でも困った事はありませんでした。 その経験で行くと、矢線ベクトル空間は、位置ベクトル空間との混用を目的として、非常に上手く作られたものだという事になります。そうすると実用的には、「是非混用すべきだ」です。 だからこれはトレードオフの問題と思えるのです。位置ベクトルと矢線ベクトルの違いを意識できる少数精鋭の高校生を育てるのか?、それとも混用に慣れた高校生を量産するのか?。自分は前者の代償の方が、遥かに大きいと思います(自分は、ず~っと技術畑でした)。 >多次元データとして導入するのが良いと思っています。・・・中略・・・。一気に多次元で導入して、その応用として、ベクトル幾何をやればよい。 はっきり言って大反対です。そもそも位置ベクトルでも矢線ベクトルでもいいですが、だいたいベクトルの概念すら普通の高校生には難しいと思えます(自分の経験です)。新しい概念装置だからですよ。見た事ないからですよ。それも「絵にも描けない多次元」なんて・・・。 小学生にだっているじゃないですか。足し算九々と位取り記法を、どうしてもわからない人達が。見た事ないからです。新しい概念装置だからです。 なので、たとえ位置ベクトルと矢線ベクトルの混同が起ころうとも、「絵には描ける低次元」で、矢線ベクトルとしてのベクトルを了解してもらった方が、代償は遥かに少ない気がします。実際ちょっと勉強する奴らなら、位置ベクトルで総括した方が遥かに便利である事には、すぐ気づくと思います。 さらにもう一回言うと矢線ベクトルは、位置ベクトルと混用するのを目的として定義されたと思うのです。グラスマンらのイメージの原型は、こっちの方に近いと思っています。 という訳で、質問者様の意見には、かなり賛成です。
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- alice_44
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←No.4 そんなに持ち上げられると、困ってしまう。 おそらく、No.2 補足あたりの評価が正解でしょう。 俺話になりますが、昔読んだ数学者のエッセイに…、 盲目の数学者ポントリャーギンは、五次元の図が見えたというが、 自分は、四次元あたりでもう視覚的に捉えられなくなってしまう。 証券屋になった古い友人は、文系だけれど、 毎日、新聞を読むたびに、何十次元のデーターを捉えている …と書いてあったのが、気持に引っ掛かっているだけです。 この辺に、空間理解への突破口がありそうで。
お礼
ご回答ありがとうございます。
もうわかっていると思いますが、自分は教員ではありません。#2です。 >しかし、新しい概念装置だからこそ、似て非なる例で刷り込まずに、新しい概念として紹介する誠意もあってよい気がします。指導は大変ですけど。 >従来行われているように、ベクトル空間上にユークリッド幾何を実装することももちろん可能ですが、技巧が必要になります。 >その結果、「点 A を原点として…」と言われて{原点は O じゃないの?」と戸惑ったり・・・ そこまで、お考えでしたか。 >個人的には、ベクトルは、統計の単元で多次元データとして導入するのが良いと思っています。 これが過激すぎると思えたので、「#1さんらしくないな?」と思いつつも、感情的になりました。申し訳ありません。 >その際、初等幾何は、既習である必要があるでしょう。 過激さを補うのが、これですよね。つまり、ベクトルで得た技術的成果を、空間図形へフィードバックするという事だと思います。 >せめて、座標幾何とベクトル幾何は違うものだということぐらい、おぼろげに理解する指導をしたいものです。最低限、ベクトルの勉強をしたと呼びうるためには。 この思いは同じです。何故なら工学部にも、似たような例があるからです。ベクトルと擬ベクトルです。 擬ベクトル空間って、本物のベクトル空間ですよね?(間違ってたらすいません)。なので数学科からの出張講義でも良いので、とにかく擬ベクトル空間の正体を工学部の学生に、誰かが赤裸々に語って欲しいのです。 でも数学科にとって、擬ベクトル空間の概念は不要という事情もわかります。この辺が悩ましい処だと思います。 質問者様へ。 >残念ながら厳しいでしょう。・・・ 座標幾何とベクトル幾何の違いをおぼろげながらに理解しながら、座標幾何とベクトル幾何の混用に慣れた学生を量産する方途だって、あるかも知れませんよね?。(← 教員でない者の独り言です) 自分は科目等履修生で社会人です。 なので大学で多少難解な事を言われても我慢し、理解しようとします。何故なら、先生の熱意とか、心の砕き方とかが見えるからです(← 歳のせいだと思います)。でも、ふつうの学生に、それが通じているとは思えません。・・・仕方ないとは思いますが、ちょっと悲しかったりします。
お礼
ご回答ありがとうございます。
- alice_44
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←No.2 まあ、そういう意見が普通ですかね。 しかし、新しい概念装置だからこそ、 似て非なる例で刷り込まずに、 新しい概念として紹介する誠意も あってよい気がします。指導は大変ですけど。 商集合をとる必要が生じてしまうのは、 ユークリッド幾何が、直交アフィン幾何であって、 ベクトル幾何ではないからです。 従来行われているように、ベクトル空間上に ユークリッド幾何を実装することも もちろん可能ですが、技巧が必要になります。 その結果、「点 A を原点として…」と言われて 「原点は O じゃないの?」と戸惑ったり、 一通りベクトルを勉強した後でも すぐ成分計算してしまう癖が抜けなかったりする 生徒が後を断たないのです。 せめて、座標幾何とベクトル幾何は違うものだ ということぐらい、おぼろげに理解する 指導をしたいものです。最低限、 ベクトルの勉強をしたと呼びうるためには。
お礼
>せめて、座標幾何とベクトル幾何は違うものだということぐらい、おぼろげに理解する指導をしたいものです。 残念ながら厳しいでしょう。理由はNo.2さんの回答をご覧ください。
- alice_44
- ベストアンサー率44% (2109/4759)
思いません。 三次元に限らず、平面においても、 ベクトルの概念を導入するときに 例として矢線ベクトルから入るのは、 問題だと感じます。 そんなことをするから、 矢線ベクトルと位置ベクトルの区別が怪しい 生徒が量産されるのです。 個人的には、ベクトルは、統計の単元で 多次元データとして導入するのが良い と思っています。 二次元、三次元、… と順にやっていくなんて 馬鹿げています。 一気に多次元で導入して、その応用として、 ベクトル幾何をやればよい。 その際、初等幾何は、既習である必要が あるでしょう。
お礼
ご回答ありがとうございました。
補足
矢線ベクトルって何ですか。
お礼
あなたのおっしゃることは誠にごもっともです。alice_44さんが算数や数学の教員になったら,落ちこぼれの児童・生徒を量産することになるでしょう(alice_44さんは現代化世代?)。やはり高校数学の科目は,数学I,数学II,基礎解析,代数・幾何,微分・積分,確率・統計の6科目で再構成すべきだと思います(かくいう自分はその一つ後の世代,数学I,数学II,数学III,数学A,数学B,数学Cの6科目編成だったので,ddtddtddtさんが高校生だった頃のカリキュラムが羨ましい。)。