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お盆中のお墓参り

主人の実家(東京近郊)では、迎え火の翌日の14日の早朝、お墓にお参りする習慣があります。 私の実家も大して離れてはいないのですが、そんな習慣はありません。 霊は13日に家に帰っていて、14日はお墓にはいないはず・・・ お留守のお墓に、何故、お参りするのでしょう? また、このような習慣がある所は他にもありますか? 結婚以来、10年以上続けていますが、ずっと疑問に思っていました。 義父母に聞いても、何故かは知らないようです。 ご存知の方、いらっしゃいましたらよろしくお願いします。

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  • neil_2112
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回答No.6

盆の間に墓参りをする風習を持つ地方は、東西を問わず広く見られます。 日本人の霊魂観というのは割と複雑なものです。そもそも霊魂とは、物理的な身体を持って生きている人間のように、ある場所にいれば別の場所にはいない、というものとは受け止められていないのです。むしろ、遍在といっていいほどあちらにもこちらにもいるもの、と観念されたり、時にはどこであれ祭祀の行われる場所に現れるもの、という風に考えられています。 位牌や墓を複数持つ人たちが多く存在することはご存知でしょうか。 ある一霊のホトケについて、民俗学の柳田国男が指摘したように、「両墓制」といって墓が複数ある地方はかつて日本中にざらに存在しました。現に、私の住む地方では、盆の間に二つの墓に参るのを習慣としています。 また、位牌が家だけでなく菩提寺にも納めてある場合は禅宗などでよくありますし、さらに加えてその宗旨の本山にも納牌されている場合があります。 こういったことは古くからの日本人の感覚に根ざしたもので、位牌や墓(いわゆる詣り墓)を幾つでもつくり、少しでもより宗教的に清浄な場所にホトケを近づけようと願う心性によるものです。地方霊場への信仰もこういった感覚が背景にあるわけで、例えば東北なら恐山や立石寺、松島などといった地方霊場が盛んに信仰されてきたのは、そこにも納骨したり位牌を設けることでより一層のホトケの浄化が期待されたからなのです。 現実に数多く存在するこういった事例を見れば、かつての日本人の霊魂観が我々のものと少し違っていたことがよくわかります。霊魂がいるのは常にどこか1ヶ所のはず、というのは現代的な感覚ではありますが、それを当然と思ってはならないと思います。 現在でも、例えば御巣鷹山のジャンボ機墜落事故現場のように、死亡事故の発生現場に遺族たちは位牌とも墓ともいえる供養碑を建て、毎年わざわざ足を運んで花や線香を手向けます。もちろん彼らは各々墓や位牌を持たないわけではありませんが、しかし死亡現場も墓や位牌と同じように死者との交感のチャンネルのひとつとして受け止められているわけです。 繰り返しますが、古来日本人にとって、死者との交感のチャンネルは複数あってもまったく矛盾ではなかったのですし、むしろそのチャンネルをより清浄な場所に求めようとして数が増えていったのが実情です。 いずれにしても、お盆については、こういった古来の感覚が習俗に残されているがために、かえって混乱を招きがちなのだと思います。 本当はかなり複雑な歴史が背後にあり、解明されていない部分もいろいろとあるのですが、はしょって簡単に書かせて頂きました。疑問の点は補足にてお知らせ下さい。 なお、かつて似た内容の質問について回答していますので、宜しければご参照下さい: 「お墓と位牌の関係」http://www.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=242437

参考URL:
http://www.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=242437
nyatann
質問者

お礼

>そもそも霊魂とは、物理的な身体を持って生きている人間のように、ある場所にいれば別の場所にはいない、というものとは受け止められていないのです。 目から鱗が落ちた気がしました! 肉体を持った者の偏った狭い考えで見ていたので不思議だんたんですね。 民俗学的な見地からのご回答、とても勉強になり、興味深かったです。 韓国の方が靖国神社に英霊として祀られる事を拒む理由の一つが、霊魂を分ける事を嫌うからと聞いたことがあります。 逆に見れば、日本人は霊魂が何箇所にも祀られる事に抵抗がないということですよね。 お墓も、ご位牌も、分骨も、極々普通に行いますものね。 考えが浅かった事を痛感しています。 興味が湧きましたので、もっと勉強してみようと思います。 貴重なご回答、どうもありがとうございました!

その他の回答 (5)

回答No.5

No.1のmousengokeです。 ちょっと補足しておくとロウソクと線香とお花も添えます。(これは暗黙の了解かな?) また、お坊さんを呼んでお経を読んでもらいますがさすがにこれは自分ところだけかな?そうしないとお布施の値段が跳ね上がってしまいます。たくさんの墓で頼んでる人を見かけたこともありますが。多分そういう人は少数派だと思います。

nyatann
質問者

お礼

そういえば・・・ 実家の方は、頼む・頼まないにかかわらず、私たちがお墓参りに行かなくても、お盆の期間中にお坊さんがお墓で拝んでくれます! 家の仏壇も拝みにも来てくれますが・・・ あれが「留守参り」に当たるのかもしれません! 重ね重ね、ご丁寧に答えていただいて、ありがとうございます!

  • mak0chan
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回答No.4

一般的には、7月13日を迎え盆といい、この日の朝、先祖の霊を迎える準備として「精霊棚」をつくります。香炉、鈴のほか、季節の花や果物を飾り、ご先祖の霊の乗り物として、キュウリやナスに箸を挿した牛や馬を並べます。餓鬼道に落ちた人のために、ご飯とお水も捧げます。 13日の夕方に迎え火をたいて霊を呼び、16日の夕方に送り火をたき、精霊流しを行って、霊を送り返します。 お盆とはこのようなものだと思うのですが、地域や宗派によって細部はかなり違います。たとえば浄土真宗では、精霊棚や施餓鬼、迎え火、送り火を一切しません。しかし、同じ浄土真宗でも広島県地方のある派は、精霊棚を飾るそうです。 あなたのご実家とご主人の家とで宗派の違いはありませんか。表向きには同じ宗派でも、細かい派によって習慣が大きく異なったりすることが間々あります。 13日は会社がまだお休みでないのではありませんか。 14日の早朝にお墓参りされるのは、13日の代わりに、先祖の霊を迎えに行かれるのではありませんか。 「14日に霊はお墓にいない」と書いておられますが、霊ってお墓にいるものですか。霊は天国・極楽浄土にあるもので、お墓は天国とこの世の架け橋ではないでしょうか。

nyatann
質問者

お礼

確かに宗派が違います。 実家は曹洞宗ですが、主人の方は真言宗豊山派です。 それかもしれませんね。 どうもありがとうございました。

nyatann
質問者

補足

「お迎え」は13日の夕刻に行きます。 No.3の方の補足にも書きましたが、「朝参り」と言って、「お迎え」とは別の行事のようです。

回答No.3

nyatannさん、こんにちは。 お盆ですね・・・ >霊は13日に家に帰っていて、14日はお墓にはいないはず・・・ お留守のお墓に、何故、お参りするのでしょう? また、このような習慣がある所は他にもありますか? これと、全く同じことをうちの父も言っています。 こちら(関西)では、お盆の期間13日~15日の間に 大体、お墓参りと、その霊がかえっている仏壇を拝みにいきます。 ・・ということは、仏壇のほうに帰ってきているのですから お墓は留守のはず・・??ですよね。 それで、父も 「お盆の間は、お墓には(ご先祖さまの霊は)おらへんねんけどな・・  でも、墓参りには行かないといけない」 ということを言っていました。 >主人の実家(東京近郊)では、迎え火の翌日の14日の早朝、お墓にお参りする習慣があります。 これは、ご主人の実家の風習なんだと思います。 東京近郊の方がみな、14日の朝に墓参りする・・というわけではないと思います。 14日は、お盆の中日ですし、朝に墓参りするというのは、 一般に朝のほうがいい、というイメージがあるからでしょう。

nyatann
質問者

お礼

そうなんですよねー。普通の感覚だと、ちょっと不思議ですよね。 どうもありがとうございました。

nyatann
質問者

補足

「朝参り」と言って、5時から6時頃に掛けて、続々とお墓参りに来るんです。 その時間に合わせて、本堂では住職さんが読経と説法が行われます。 行事化されているようなんですよー。

  • jamitof
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回答No.2

関東では「留守参り」「留守見舞い」と言う習慣が残っている所があるそうです。理由は分かりませんが。 霊の居ない内に掃除して綺麗にしておいてあげるとかなのかも知れませんね。

参考URL:
http://www.bonodori.net/sekai/OBON8.html
nyatann
質問者

お礼

「留守参り」「留守見舞い」というのですね! 一般的な感覚だと、不思議に思えますよね。 >霊の居ない内に掃除して綺麗にしておいてあげるとかなのかも知れませんね。 由来はわからなくても、こういう気持ちが大切ですよね。 どうもありがとうございました。

回答No.1

こちらは金沢市近郊の町ですがお墓参りには行きます。 それも自分の家だけではなく親戚中の墓をお参りに行きます。それだけに、よく墓地で迷子になったりします。広いお墓では1件墓参りしたあと車で移動してまた墓参りということもあります。墓参りの際には必ずキリコをかけますが伝統的なキリコはベースは紙と木だけど釘やキリコを変える部分などで金属が使われているので環境によろしくないということで新しいタイプのものも出てきています。 ちなみに同じ石川県内でも能登地方では行わないらしいです。 ちなみに迎え火は行いません。

nyatann
質問者

お礼

お盆に限らず、風習は各地で様々ですね。 「キリコ」が何かわからなかったのですが、昨日、主人の実家で発見しました。 新盆にしか飾らないそうなので、初めて見ました。(今年は祖母の新盆なので) うちの実家では新盆でも飾りませんでした。 迎え火・送り火も、うちはやりますが、主人の方はやりません。 風習の違いもあるでしょうし、今は簡略化されてしまっている部分もあるようで、益々多様化しているようですね。 どうもありがとうございました。