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会社によっては育児休暇取れない?

会社によっては育児休暇取れない?  「妻の育児を手伝いたいと思い、約3年前に生まれた長女に続き、今年4月に生まれた長男の育児休暇を取っています。周囲からは『うちの夫の会社では取れない』といわれますが、会社によって育休は取れないのでしょうか?」=東京都文京区の男性会社員(33)

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  • SANKEI1
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 ■上司の冷たい目  「仕事を投げ出すんだな」。部長の冷たい目線に質問者の男性は「今までの根回しは何だったんだ」と脱力感に襲われた。  男性の妻(38)は平成19年10月、長女を出産。夜泣きをする娘をあやす妻に「大変そうだから手伝いたい」と思い、育休取得を決めた。年明け早々、その思いを告げると、妻は「本当に取ってくれるの?」と小躍りした。  社内にはワークライフバランス(仕事と生活の調和)を推進するプロジェクトチームがあり、育休は比較的取りやすい環境にあると思っていた。だが職場には迷惑を掛けたくないという気持ちもあった。部長にあらかじめ育休取得の意向を伝え、同僚への引き継ぎなど準備を進めた。そして20年7月から、約4カ月間の育休を取ることに。  「来週から休みます」。部長に伝えたところ、冒頭のような言葉を投げかけられたという。それでも決意は揺るがなかった。  休暇中は娘にミルクをあげたり、オムツを替えたりして育児に専念。娘を幼児教室に連れて行くと、父親は自分1人だけだった。母親たちは羨望(せんぼう)のまなざしを向け、こう言ってきたという。  「うらやましいわ。ウチの主人の会社にそんな制度はないわ」「外資系にお勤めなんですか」  会社によって育休が取れないという状況はあるのだろうか? 改正育児・介護休業法が今月30日に施行されるが、改正前の現行制度では勤務先の会社が労使協定により、妻が専業主婦や育休中なら父親に出産後8週間以降の育休を認めないことが可能だった。出産後8週間は母体回復に必要な期間とされ、労使協定で育休取得を制限できない。  ■5割が「職場に迷惑」  厚生労働省が20年10月に実施した調査によると、育休に関して労使協定を結んでいる事業者は73・2%に達していた。同省担当者は「この労使協定の存在は『専業主婦の家庭では育休を取る必要はない』というメッセージになり、協定に該当しない人も雰囲気として取りづらくなる」と問題点を指摘する。  この調査では女性の育休取得率が90・6%に対し、男性はわずか1・23%にとどまることも明らかになった。しかも、育休を取得した男性の休暇期間は54・1%が1カ月未満だった。  三菱UFJリサーチ&コンサルティングが昨年2月に実施した調査からも、職場に気兼ねする男性の姿が見えてくる。男性が育休を取らなかった理由のトップは「職場に迷惑がかかる」の50%。ほかにも「職場の上司や同僚の対応」の22%、「復帰後の仕事や職場への対応」の15・8%などがあった。  改正育児・介護休業法では専業主婦の夫らの育休を制限する労使協定を認めた規定が廃止される。  また育休はこれまで原則、子供が1歳に達するまでの期限で、1回取得することが認められていた。だが改正により、出産後8週間以内に育休を取得した場合、復職後にもう1度、子供が1歳に達するまでに取得できることになった。同省担当者は「出産直後で妻の体調が良くない時期に育休を気軽に取ってもらえるようにした」と説明する。  取得期限も、夫婦がともに育休を取得する場合は、従来の1歳までから、1歳2カ月までに延長される。  同省はさらに、法改正に合わせて今月から、男性の育休取得を後押しするため、育児に積極的な男性(MEN)を指す「イクメン」を世に広める「イクメンプロジェクト」を発足。ホームページで優秀なイクメンを「イクメンの星」として公表していく。  今年4月には東京都文京区の成沢広修区長が約2週間の育休を取得。成沢区長は炊事や洗濯を行ったといい、「有意義な時間を過ごせた」と感想を語った。  育休への理解は深まりつつある。質問者の男性も「育休で子供との信頼関係が強まり、妻の負担を軽くできた」と意義を強調。夫婦で協力して育児をしたことで、妻に買い物など気分転換の時間が生まれたという。男性は「男性の育休が広まれば、育児が原因で家族の歯車が狂うことを防げると思う」と話していた。(高久清史)      ◇  「社会部オンデマンド」の窓口は、MSN相談箱(http://questionbox.jp.msn.com/)内に設けられた「産経新聞『社会部オンデマンド』」▽社会部Eメール news@sankei.co.jp▽社会部FAX 03・3275・8750。

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