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フランス語 celibataire について
フランス語の celibataire という言葉には、日本語の「独身者」にはない何か屈折したニュアンスを感じます.フランス人はどういうニュアンスで使っているのでしょうか? また、19世紀ごろと現代とではニュアンスは違うのでしょうか? 個人的には libertin に近いものを感じるのですが... よろしくお願いします.
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私はフランス語も勉強していましたが,今ではイタリア語の方が専門なので,イタリア語に置き換えた場合で考えさせていただきますね。フランス語も95%ぐらいの単語は,イタリア語と同様ラテン語源の言語なので,ほぼ問題は無いと思われますので。 celibataire(仏)は celibe(伊)ですから,明らかにcelibato(伊/キリスト教の聖職者=独身)という宗教用語からの転用で,yobesukeさんの感じる屈折さはこれではないですか?確かに日本語の『独身』や英語の『single』と比べるとちょっと特殊な香りがするのかもしれませんが,『屈折した意味』ではなく,宗教的ニュアンスと思われます。 libertin(仏)は libertino(伊)で,『道楽者』のニュアンスを明らかに含みますね。ただし,liberatore(伊) の方向へ解釈すると,解放者=救世主=キリスト でまたもや宗教的な聖職のイメージとなりますが。 さらにイタリア語では scapolo があります。scapolare/逃れる が語源ですから,女性に掴まえらずに逃げおおせた男=独身貴族 という意味が含まれるのでは? 反面,女性にはscapolo も celibe も使わず nubile を使いますが,これは 『曇った』というニュアンスですから,同じ独身でも男の場合は『自由』女の場合は『悩み』を表す差別的な概念が含まれているようです。 以上は語源から考えた場合であって,現代イタリアではcelibeにもscapoloにも女性用のnubileにも,特殊な香りや屈折,差別的な概念も含んで使用しておらず,公式な単語です。 しかし,19世紀頃でしたらまだその語源が持つ香りが強く,使い分けが成されていたかもしれませんね。 以上のイタリア事情から想像すると,フランスにおいてもイタリアとほぼ同様の事情,と考えても間違いはないと思います。
お礼
誰からも回答がないので諦めかけていました. celibataireから私が感じていたニュアンスは、独身者を自らの意志で選びとり、独身を選ぶ事で世俗の煩わしさから解放され、自分の好きは道に邁進する、といったものです.それはまた放蕩者、道楽者、自由主義者といった意味のlibertinと繋がるような気がしたのです. イタリア語と同じcelibato(伊/キリスト教の聖職者=独身)からの転用だとすると、私の感じていたニュアンスはそれ程的外れではなかったのかなと思います. 19世紀から現代にかけての、ある分野のフランス人の事を調べていて、やけにcelibataireが多く、それを自慢にしているような感じがしたものですから. それにしてもイタリア語のscapoloとnubile は面白いですね. ありがとうございました.