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高校の化学で、有機化合物のところで疑問を持ちました。
高校の化学で、有機化合物のところで疑問を持ちました。 なぜ、炭素原子どうしの共有結合は安定なのですか?
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高校化学の有機化学分野の中でのお話なら、正確には 「O-H結合やC=O結合に比べて」炭素原子どうしの共有結合は安定なのはなぜなのか ということですよね。 炭素原子どうしの結合より不安定な結合をいくつか挙げて、なぜそれが不安定なのかを説明することで炭素原子どうしの結合の安定性を説明しようと思います。 .O-H結合 原子核はおおざっぱに見てプラスに帯電した球体です。なので原子核どうしは反発しますが、間を電子が取り持つことで接近することもできます。この「原子核どうしが電子の仲介で接近した状態」を原子どうしが結合した状態だと考えてみて下さい。 O原子核はH原子核より電子を引き寄せる力が強いので、O-H結合間の電子はO原子側に偏って存在します。すると相対的にO原子が負に、H原子が正に帯電し、両者とも他の帯電した原子団や原子と相互作用しやすい状態になってしまいます。そういうわけでO-H結合は反応性に富み、不安定な結合です。 一方C-C結合には電子の偏りはありません。 .C=O結合 化学結合は、ものによっては特徴的な形をしているようなものもあります。C=O結合に見られるような二重結合は、CとOを結ぶ直線と直交するように大きくはみ出した形をしています。先ほど結合とは電子による仲介であると述べましたが、結合が大きくはみ出ているということは電子が大きくはみだして分布しているということになります。そのように広いところをぶらぶらしている電子は、正に帯電した原子団や原子の格好の餌食になってしまいます。そういうわけでC=O結合は電子を狙う奴らに捕捉されやすく、不安定です。 C-C結合は一重結合ですのでそういうことはないです。 .窒素鎖-N-N-N-N-N-N- N原子には共有結合に関与していない価電子の組が一組存在します。窒素鎖における隣接する窒素原子どうしの間ではこの手持ち無沙汰の電子どうしが互いに反発し合うので安定な共有結合を作ることができません。 炭素原子の価電子はすべて共有結合に関わるため、炭素鎖-C-C-C-C-C-C-では電子の反発はあまり強くありません。 余談になりますが、教科書に当たり前のように書いてある事柄を鵜呑みにせず、それに対して疑問を持つことのできる質問者様は理系の学生として非常に優秀だと思います(文系の方でしたらごめんなさい)。 しかしながら高校化学を学ぶにあたってそのような姿勢は得策ではないかもしれません。私の上記の説明はかなり誤摩化して書いてあります。むしろ出鱈目を書いたと言った方が正確かもしれません。なぜそんなことを書いたかと言うと、まじめに説明しようとすると波動関数だの永年方程式だのcoulomb integralだのresonance integralだのoverlap integralなんていう物理や物理数学の言葉が飛び交うことになるからです。 ずいぶん長い蛇足をつけてしまいましたが、お勉強頑張って下さいね。
お礼
回答ありがとうございます おっしゃるとおり、やはり、今わたしの持っている一部の知識だけでは、完全に合点がいくというところまではいかなかったように思います しかし、あからさまにただ覚えるだけというようなことにがまんができない、つい気になってしょうがないじぶんには、この説明はとても助かりました “得策ではない”といわれても、それではわたしには、化学の魅力がうすれてしまいそうです まだまだ奥が深そうなので、もっと勉強したいと思いました