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音の前後の定位について
- 音源の左右の定位はパンで振り分けることができますが、前後の定位や距離感を表現するのは難しいです。
- 特にリバーブだけでは距離感や奥行きを表現することができず、部屋の形状やイコライザーの設定も重要です。
- ストリングスやベースの場合、さらに難しさがあるので、慎重に調整する必要があります。
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まぁ、経験値アップ作戦としては、ライブとかに通うのは、無駄じゃないけどそんなには「身にならない」です。 客席でPAで作った音聞くわけですから、ぶっちゃけ既に「生音生距離感」ではないので。 私の場合は、素人PA現場がよくあるので、イヤでも?生音状態のところから音聞き始めますし、PA目線で部屋の反響なんかも悩みに悩むので、これまたイヤでも反響に敏感になるんですが(この場合は、自然反響で音がぼやけて遠く聞こえるのを、PAスピーカでいかに生音っぽく補正するかで悩むわけですが)、結果そうやって「人為的に作られた」音を客席で聞くのは、全くナチュラル感の無い音とは言えるわけで。 むしろ、休日などに繁華街や人通りの多い所で路上ライブでもやってるシーンに出くわしたら、まぁ最初は遠くから 「あ、なんかやってるな」 →「どっちだどっちだ? あ、こっちの方だな」 →「よし行ってみよう。だんだん近づいてきたぞ。」 →『かなり近いが、あと距離はどれくらいかな?』 →「あ、ここだここだ」 的な感じで、具体的にどう聞こえ方が変わってきたか…なんてのをいろいろ耳の記憶に溜め込んでいく方が、よっぽど実践的かもしれません。 特に『あと距離はどれくらいかな?』のとこが結構ミソです。別にクイズじゃないので当たらなくても良いんです。また、もし音で距離が百発百中で当てられるからといって、そういうミキシングが出来るわけじゃないしね。ミキシング技術とは別物ですから。 ただ、『この音って、これくらいの距離に聞こえるな』という感覚を養う事が大事で、漫然と耳に流し込むんじゃなくて「ちょっと距離数値に置き換えてみることで、自分なりの尺度感覚を明確に記憶していく」ために、一つの記憶テクニックとして「あと何メートルくらいかな」と距離イメージを『具体的に作ってみる』のは、結構財産になります。 それと、なるべくなら生楽器(ドラムや生ギターも含みますが)の生音で感覚養う方が良い事はよいです。アンプからの音は役に立たないってワケじゃないですけど、生楽器の生音とはかなり距離感がずれるので、避けなくても良いけど「勉強音源」としてはベストではないですねぇ。 それと、これは「実際のミキシングでは、なかなかそういうわけにもいかないけど、実は絶対に忘れてはいけないポイント」は、音の音色というか聞こえ方による距離感の基本は、反響のある室内での音ではなく反響の少ない野外での聞こえ方です。 まぁ楽曲の演奏を録音するとなったら、室内でマイクで録るしか方法がないし、アマチュアでは狭っこい部屋で録るしかないですから、現実に再現するのはなかなか難しいですけど、でも距離感の基本は、何にもない野原で遠くで鳴ってる音と近くで鳴ってる音の差にあります。 だから、理想形的にはリバーブなんか使わなくても、その楽器の点音源の音色だけで「遠い近い」は表現/再現できる…ってことは、ミキシングをやる人間は常時念頭に置いておくべきです。 そこんとこを勘違いしてミキシングすると、リバーブや極端なイコライジングで音を厚化粧してしまいがち。厚化粧した音は、ミックスダウンすると必ず距離感のない「壁に貼り付けたようなノッペラぼう」な音に成り下がります。私も何回そういうミスをし続けている事か(^^ゞ そういう点では、例えば交差点で歩行者信号が青の時に鳴る『とおりゃんせの音』なんかが、目の前の交差点の音、数ブロック先の交差点の音で、どう聞こえ方が変化するか…ってことだけでも、注意深く聞いて自分なりに分析したら、結構効果はありますよ。 実践的には、まぁ暇つぶしがてらで良いんですが、何かアタックが比較的ハッキリしてる短音が続く音源…ドラムのなんかのパーツとかが、初っぱなでは扱いやすいか…を、DAWの数個のトラックに、もちろん全く同じ音を並べて、1トラックずつコンプ、イコライザ、リバーブくらいで「トラック1はすぐ近く、トラック2は少し遠目…トラック○はステージ奥の壁際?」みたいに、少しパン振って分離して聞こえる状態で近くから遠くまで並べていく…みたいなことやると、いろいろ感覚的にわかってくる事が多いです。 暇つぶし&訓練がてらに、やってみたら面白いです。 あと、ストリングスやベースとなると、そういう楽器やった事無い人だと「あんまりアタック感が無い音だ」という先入観があるので調整が難しいかもしれません。特に生音じゃなくてMIDI音源使ってる人にはなおさらかも。 実際にはそんなことなくて、特にベースは考えようによったらドラムよりアタックは強い事もあります。 一番良いのは、これは実際にスタジオ等でベース弾いてるとこに行って、アンプ直近ではどんな音が出てるのかを耳で味わうのが一番良いんですが、音源でもアタック感の強い音と弱い音があるはずなので、場面場面で使い分けが必要でしょう。 ストリングスにしても、単体のバイオリンなどは生音は結構立ち上がりが速い音だし、まためちゃくちや生臭い音です(よく、下手なバイオリンの擬音としてノコギリがギーギー言うようなイヤな音があるでしょ? 上手なバイオリンの音でも、あのギーギー音の成分はしっかり入ってます。あの音が苦手な人は、上手なバイオリンでも音を至近距離で聞いたら気分が悪くなる事は多いです)。 さすがに音源だとそういう感じの音はないかもですが(私があんまり詳しくない(^^ゞ)そういうテイストをどう出すかで、距離感も結構変わってきます。 実際、生音録音音源だったら、あのギーギー感をイコライジングで強調したら、バイオリンの音が一挙に目の前に近づいてきます。 まぁウダウダ書きましたが、なんか参考になる事が有れば幸いです。
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- kenta58e2
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実際に、例えば奥行きがある程度あるステージや大きな部屋、屋外等々で、「近くにある楽器の音はどう聞こえるか」「その同じ楽器が遠くにある時にはどう聞こえるか」を、自分の耳で聞き比べて、その時の音の違いの感じを再現する方向で工夫してますが。 あくまで「こういう傾向がある」という話で、これだけでバチっと距離感が出るってもんでもないですが、例えば「ある程度奥行きがステージ」の場合だと ・近い音ほどアタックの立ち上がりが速く、高域のエッジが立っている(遠くはアタックもエッジも丸まり気味) ・近い音ほど高域がシャープで反響音は高域が鈍い目に聞こえる(遠くは高域が丸く反響音との差が少ない) ・近い音ほど直接音と初期反響音の時間感覚が長い(遠くは直接音と反響音が時間的に同時に来る) ・近い音ほど直接音が反響音より大きい(遠くは直接音と反響音の差が直接音よりは小さい) ・結果的に、近い音ほど音源が点に、遠くは音源がやや広めになりがち ・また、全く同じ発音タイミングとしたら、近い音の方が遠い音より時間的にアタックのピークが速い なんてとこですね。これだけじゃないですけど、パッと思いつくままで。 とにかく繰り返しですが、「じゃあ、想定したような場所で本当に生楽器の演奏があったら、近くと遠くの音は実際にどう聞こえるのか」の経験を積まないと、なかなか言葉のやりとりで全てを示すのは難しいです。 ただ、実際に経験できないとしても、遠近感がハッキリしている作品を探して徹底的に聞き込めば、「自分が近くに感じる音」と「自分が遠くに聞こえる音」のそれぞれの音の特徴差を理解できると思うので、あとは「自分が感じたとおりの音」が作れるかどうかですね。 これは、何度も試行錯誤すれば、だんだんと「作る時の法則性」はわかってくると思います。 まぁ、ただ単に「イコライザのここをちょっと上げれば近くなる」なんていう単純なもんでもなく、リバーブやアタックの時間感覚も重要ですが、逆に理解ができてきたら録音段階で「近めに聞こえる」「遠目に聞こえる」というマイクセッティングもできたり、音源のコンディションと他の音との対比によっては、イコライザをちょっと触るだけで欲しい音源深度を得られたりもしますので、なかなか奥は深いですけどね。
お礼
思いつきでここまで書いてくださるとは本当にありがたいです・・・ そうですね・・・ 私はあまりライブにはいかず、特に有名アーティストなどがするようなホールなどの広い会場など一度もいったことがないので経験でいうと素人以下かもしれませんね。 kenta58e2さんがあげてくださったいくつかの傾向のポイントをしっかり覚えます! ご親切な回答ありがとうございました。
お礼
とてもわかりやすく、そして詳しい説明本当にありがとうございます!! 「この音って、これくらいの距離に聞こえるな」 の箇所は実践したことがなかったです・・・ これからそういう音を注意深く聞いてみます! それと忘れてはいけないポイントが「反響の少ない野外での聞こえ方」に注意するべきだとは知りませんでした・・・ まさにそんな先入観をもっていた人間の一人です。 とても説得力がありますね・・・ わざわざ長い文章を書いてくださってありがとうございます・・・!!