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状態言
母音交替によって言葉のバリエーションが広がる仕組み、特に品詞を越えた語通しのつながり(意味と形態の関連性)について、教えて下さい。
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- 日比野 暉彦(@bragelonne)
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こんにちは。 いわゆる名詞としての《体言》および その体言の動態や状態を表わす《用言》 これらの全部を合わせて扱ってもよろしいでしょうか? 1. 最小限の形態素つまり C V :子音+母音 つまり一音節の語を取り上げて 母音の変換がどのような位置づけを得ているかを見ておきます。 h-a :(1)‐ハ(ハ格)/ (3) 端 h-ai :(2) 経(へ)/ (1)=(2)竃;戸(へ) h-i :(1)・(2) 日;霊(ひ) h-e :(3) 辺;端;方;重(へ) h-oe :(1) 穂・秀(ほ)/(1)・(2) 火(ほ hoe > hoe-i > ひ) h-u :(2) 経(ふ) h-o :? (註) 子音 h は (1) 順出中心相と (2) 順出反復相 および(3)〔中心の対極としての〕周縁相を表わす。 2. 母音の帯びる相ないし法(法 mood とは気分のことです)はつぎのとおり。 -a :不定相および不定法 -i :概念相および概念法 -oe :保留相および確保法 (音としてオの Umlaut です) -a-i > e :〔不定相+概念相⇒〕已然相(既定相)および条件法 -i-a > e :〔概念相+不定相⇒〕主観要請相および命令法 -oe-oe > u :〔保留相の自乗⇒〕存続相および存続法 -oe-a / -a-oe > o :〔保留相∽不定相⇒〕確保相および意思推定法 3. 上の母音仮説のくわしい例示です。 末尾母音//相認識→体言 // 法活用=用言 I -a :不定相→名格(ha ハ/ ha 端) 不定法: hakar-a 計ラ II -e <-a-i: 已然相→名格( hakai〔水〕ハケ) 条件法 : hakar-ai 計レ III -i : 概念相→名格( hahaki 箒) 概念法: hakar-i 計リ IV -e<-i-a :主観要請相→? 命令法: hakar-e 計レ V -oe- : 保留相→名格(hoe 火; hak-oe-bi運ビ; hoer-oe-bi 亡ビ/ hoe穂) 連体法: hakar-oe- 計ル‐ VI -u :存続相→? 存続法: hakar-u 計ル VII -o<-oe-a/-a-oe :確保相→? 意思・推定法: hakar-o-u計ロウ< hakara(I)-mu 計ラム 4. この h-V ( つまりハ行の一音節語:ha; hai; hi; he; hoe; hu; ho )から たとえば《空間》という範疇にかかわって どういう語が派生しているかを つぎのように捉えます。 (あ) 空間にかんして順定・順境を表わす相を帯びた語 ha-rV :晴レ(=二次I不定法=III概念法) ha-ra-sV :晴ラシ(=一次III概念法活用形態) ha-ra-hV :払ヒ(=一次III);払ヘ(=二次I=III) ha-rV :張リ(=一次III) ha-roe-ka :遥カ hi-ra :平 hi-ra-kV :開キ(=一次III);開ケ(=二次I=III) ha-ra :原;腹 ha-ra-mV :孕ミ(=一次III) hi-roe-si :広シ(=変則VI存続法) hi-roe-gV / -garV :広ゲ(=二次III);広ガリ(=一次III) hi-roe-mV :広メ(=二次III);広マリ(=一次III) 5.・・・ 母音交替ないし母音の相変態が示そうとする文法内容は 用言の法活用(つまり動詞および形容詞の活用)が主要な役割であるように考えられます。 こんな感じでよろしいでしょうか。