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取消しの取消し
取消しの取消しはできないと聞いておりますが、これは制限行為能力の 場合に限らず、詐欺等の場合にも当てはまるのでしょうか? また根拠条文はあるのでしょうか?
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こんにちは 「取消し」の「取消し」について、 民法上特に定めた条文はありませんし、 寡聞にして、それが争われた判例等は知りませんが、 (下級審はともかく、最高裁では恐らく無いはず) 取消し行為が、詐欺または脅迫によってなされたものであれば、 当然にその取消しを取消しできると言う他ありません なお、制限行為能力者の場合は、意思能力がある限り、 その保護者の同意を得ないで単独で取消すことができます 本来であれば「取消し」は法律行為の一種であるので、その意思表示にも行為能力が 必要であり、制限行為能力者が単独でした「取消し」の意思表示は、 取消すことの出来る「取消し」となるはずです ただし、そのようにすると、法律関係が無用に複雑なものになるし、 制限行為能力者にとっては、自己のした行為を白紙に戻すだけであり、 特に大きな不利益となることはないと考えられることから、 「取消し」は完全なものであり、「取消し」の「取消し」は出来ない というのが通説になっています ただし、これに関しても(恐らく)特に判例があるわけではなく、 今後特段の事情があった場合、取消しの取消しが 認められるケースが出る可能性はあると個人的には思います
お礼
今回も懇切丁寧かつ論理明快な回答有難うございました。 とてもよく分かりました。