長文失礼します。
英語版『源氏物語』の冒頭部分の日本語訳なのですが、どうしても分からない部分が3箇所あったため、質問させていただきました。
1.一番最初のIn a certain reignに続く括弧内の部分-(whose can it have been?)
原文から推測すると「どの天皇の治世だろう?」みたいなことを言っているのだと思いますが、上手く訳せません。
2.三文目-The way she waited on him day after day only stirred up feeling against her
wayが「方法」なのか「道(廊下?抽象的な意味での道?)」なのか、よく分かりません。
3.第一段落の終わり-ignored his critics until his behavior seemed bound to be the talk of all.
bound to be the talk of allの部分が全く分かりません。
また、全体的に訳が怪しいので、もし(絶対にあると思いますが。。。)間違っている部分があれば、ご指摘いただけると大変助かります。
元は日本語ですので、現代日本語訳を参照すれば当然大体の内容は分かるのですが、この英文が何を言っているのか「正確に」訳すとなると、やはり文学作品なので、拙い私の英語力と電子辞書では限界が来てしまいました(泣)。英語が堪能な方、どうかお手伝いを宜しくお願いいたします。
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In a certain reign (【whose can it have been?】) someone of no very great rank, among all His Majesty’s Consorts and Intimates, enjoyed exceptional favor. Those others who had always assumed that pride of place was properly theirs despised her as a dreadful woman, while the lesser Intimates were unhappier still. The 【way】 she waited on him day after day only stirred up feeling against her, and perhaps this growing burden of resentment was what affected her health and obliged her often to withdraw in misery to her home; but His Majesty, who could less and less do without her, ignored his critics until his behavior seemed 【bound to be the talk of all】.
From this sad spectacle the senior nobles and privy gentlemen could only avert their eyes. Such things had led to disorder and ruin even in China, they said, and as discontent spread through the realm, the example of Yokihi came more and more to mind, with many a painful consequence for the lady herself; yet she trusted in his gracious and unexampled affection and remained at court.
ある治世に(【・・・?】)、天皇陛下の全ての女御や更衣の中で非常に高い位ではないある人が、[陛下の]例外的な寵愛を受けていた。いつも最高位は自分達のものだと思い込んでいた他の女御達はひどい女として彼女を軽蔑し、一方、さらに位の低い更衣達はもっと不幸だった。彼女が毎日彼を待つ【道?】は、ただ彼女への反感を掻き立てるばかりで、そしておそらくその反感による精神的負担が彼女の健康を害したためか、彼女はしばしば苦悩の中彼女の家へ引き下がるのを余儀なくされた。しかし、ますます彼女無しではいられなくなった陛下は、【・・・?】彼の廷臣達を無視した。
この悲しい光景から、公卿や殿上人は彼らの目を逸らすことしかできなかった。そのようなことは中国でさえ混乱と崩壊につながった、と彼らは言った、そして、不満が国中に広まったとき、楊貴妃の例は、多くの彼女[楊貴妃]自身がもたらした痛ましい結果と共に、ますます[廷臣達の]心に浮かぶようになった。しかし、彼女は、彼[陛下]の寛大さと前例のない愛情を頼りに、宮廷に残った。
1
お考えの通りでいいと思います。日本語ならこういうとき「誰の御治世だったか」のような言い方ができますが、英語ではこのまま訳すと疑問文そのものになってしまいます。
Whose reign can that have been? / Whose reign was that?
原文でも現代語訳でもご覧になると分かりますが、いずれも「~か、…」というように「か」で終わってすぐ次に続いています。in に相当する「に」がなくてもいいのです(「いつの日だったか私は…」のような言い方ができますね)。
英語で?で終わった後に答えも出さずに次の文が始まると変なので、折衷案としてこういう形をとったのでしょう。In a certain Emperor's reign「ある天皇の御治世に」でもいいのですが、これだと分かっていながらあえて名を伏せたような感じがします。訳者は「か」の語感を生かすために疑問文を挿入する形をとったのでしょう。
2
wait on は「お仕えする」、way は「様子」や「ありさま」。彼女が彼にお仕えするその様子が反感を買った、ということです。
3
bound は形容詞。be bound to で「きっと~する」のように使われます。ここでは be の代わりに seems を使っています。
自分を批判する者達を無視し、ついにはその振る舞いは皆の話題になるのは必至と思われるようになった。
お礼
さっそくの回答ありがとうございます。 いや~、疑問点が全部解決して、とてもすっきりしました! 丁寧な解説まで付けていただき、本当にありがとうございました。参考にさせていただきます。