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FT-IR と XRD の違い

こんにちは。 いつもお世話になっています。 無知なので、変な事いっていたら指摘して下さい。 FT-IRとXRDの違いは何でしょう? FT-IRは表面の構成物質の特定で、XRDは表面の組成の特定でいいのでしょうか? Tiをアルカリ処理した物を両方で見たところ、XRDでは表面がTiとなっており(もしかしたら測定ミスかもしれませんが。)、FT-IRでは何かのピークがでてきました。たぶんOとかだと思うのですが。 この様に、XRDではでてこなかったものがFT-IRで出てくる事ってありますか?(表面の測定できる厚さとか?)それともただの私の測定の仕方が悪いのでしょうか。 わからず今パニックになってしまったので質問させて頂きました。 沢山質問書きましたが、わかる部分だけでもいいので、よければご教授お願いします。

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回答No.2

FT-IRの事は全く判らないので、XRDの部分だけ。 1、TiO2のピークが出ない理由。 X線回折は使用しているX線に透過性があるため、完全な表面分析ではなく、表面から少し潜ったところの分析と考えたほうがいいと思います。 このときX線が潜り込む深さは、X線の波長(菅球の種類)、サンプルの吸収率、θ/2θの角度によって変わってきます。 例えば単結晶Si基板上の酸化Si膜等は普通にXRD測定すると、酸化膜を透過してしまいほとんどピークが得られません、なので入射角を非常に低くして(0.1~数度)2θのみ動かして測定したりします。 粉末の場合も完全に内部まで酸化していれば(Al2O3等)酸化物としてピーク得られますが、粉末の粒(結晶粒)の表面が酸化していて、結晶粒内部は酸化していない場合、XRDでは表面を透過して内部のピークが強く出てしまいます。 この場合酸化物ピークは、本来の酸素の存在比に比べてかなり小さくなってしまいます。 実際私も、熱分析で酸化増量を測定した鉄粉末をXRDで測定して、酸化鉄のピークほとんど出なかった経験があります。 アモルファスでピークが出ない件。 XRDは結晶の格子間でX線が回折される事を利用した測定法です。 ですのでXRDでピークが得られるのは、結晶構造を持つ物質と言うことにになります(厳密には長周期構造とか人工格子とかありますが)。 通常の物質の場合、結晶構造を持つのは各種固体物質です、逆に結晶構造を持たないのは、液体以外には非結晶性金属(アモルファス)、結晶化してないガラスやプラスチックといったものです、これらはいわば液体が固体にならないまま固くなってしまっている状態とお考えください。 これらはXRDでは明確なピークは得られず、10°~30°付近になだらかなバックグランドの隆起(ハロー)として出てきます。 ちなみにプラスチック等は、このハローとピークの積分面積の比を計算することでどの位の割合で結晶化しているかが判ったりします。 今回は判り易くする為にかなり簡単に書いています、興味がわいたらご自分で調べてみてください。 線吸収係数、LPA補正、結晶化度測定、薄膜X線測定法等がキーワードです。

kamiya-ka
質問者

お礼

curvingmas様 ご回答ありがとうございました。 お礼が大変おそくなってしまい、申し訳ありません。 私は基本的な部分からわかってなかったようで、回答を読んだ上で、本を読んだら、なんとなくですが、理解できました。 本当にありがとうございます!!

その他の回答 (1)

noname#160321
noname#160321
回答No.1

>FT-IRは表面の構成物質の特定 反射型FT-IRなら表面の構成物質の特定が出来ます。しかし、透過型なら赤外線が透過した全体の構成物質の特定になります。 >XRDは表面の組成の特定 XRDでも、ある程度の深さまでの結晶系の構成物質の特定になります。結晶性がないと何にも出ません。 >XRDではでてこなかったものがFT-IRで出てくる 結晶性がなければXRDでは出ませんから、その様なことはしばしば起きます。

kamiya-ka
質問者

お礼

doc_sunday様 端的な説明、ありがとうございます。 すごくバカな質問かもしれませんが、「結晶性がない」とは、どういう状態なのでしょうか? アモルファスなどの概念をよく理解できてないのですが。 例えば、x線ではTiのみが出て、FT-IRでOが出れば、Tiと、TiO2のアモルファスが表面にあると考えていいという事でしょうか? わかりやすい説明をして頂いたのに、また質問をして申し訳ありません。