規則では、プレーの線を改善するために折ったり壊したりする事を禁止しています。
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規則13 球はあるがままの状態でプレー
13-2 球のライや、意図するスタンス・スイングの区域、プレーの線の改善
プレーヤーは自分の、
●球の位置やライ、
●生長物や固定物(動かせない障害物と、アウトオブバウンズの境界を定める物を含む)を動かしたり曲げたり、折ったり壊したりすること。
●砂やバラバラの土、元に戻してあるディボット、切り張りした芝を取り除いたり押し付けること。
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しかし、JGAの裁定集の良くある質問で、次の様に答えています。
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FAQ13-2/1 テークバックしたところ後ろにある木の枝を折ってしまった
質問: 木の下に球があり、テークバックするとクラブが枝に当たり、多少打ちにくかったが、プレーすることにした。そしてテークバックをしたところ予想どおりクラブが枝に当たり、その枝を折ってしまったのでスイングを中止し、仕切りなおしてプレーをした。この場合、罰は付きますか。
回答: 規則では
(1)球の位置やライ
(2)意図するスタンスやスイングの区域
(3)プレーの線
(4)球をドロップしたりプレースする場所
を改善したり、改善されるのを許してはならないと規定しています(規則13-2)。
質問のケースでは、プレーヤーは意図するスイング区域を改善しており、規則違反となり2打の罰を受けます。
改善したかどうかは事実問題です。
球が林や木の下に入って、練習スイングした際に木の葉が1, 2枚落ちることがあり、これが意図する(実際にそうしようとした)スイング区域を改善したかどうかという質問をよく受けます。改善したかどうかは実際どうであったかを考えて裁定することであり、木の葉が1, 2枚落ちただけで改善される場合もあり、逆にたくさんの木の葉が落ちても改善されない場合もあります。したがって「1, 2枚木の葉がなくなったということは、前の状態とは確実に変わっているから改善した事になる」という考え方は適当ではありません。例えば、落葉の季節で、しかも風の強い日に、プレーヤーがクラブを当てなくても自然に木の葉が落ちてしまうような状況下では練習スイング等により数枚木の葉が落ちたからといって意図するスイング区域を改善したと裁定すべきではありません。
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このような裁定から考えられるに、球から離れたところで練習のための素振りで小枝や葉っぱを落としたり、芝を削り取ることが意図するスイング区域を改善したと取るには無理があります。
しかし、球に近づき意図する方向に向かって素振りをし、その素振りが原因でライが改善されれば「意図するスタンス・スイングの区域、プレーの線の改善」と判断されることになります。
ただし、次のときには前記の行動があっても、プレーヤーに罰はないとも決められています。
●球にアドレスする際にクラブをごく軽く地面につけるとき。
●スタンスをフェアにとろうとしているとき。
●ストロークを始めていたり、ストロークのためにクラブを後方に動かし、そのままストロークが行われたとき。
つまり、スイングをはじめてしまい、枝などに触れてもそのままスイングを完了してしまえば、小枝折れることがあっても罰の対象には成りません。
当然、芝をが倒れたり削ったりされても問題は無いと言うことです。
お礼
詳しくわかりやすいご説明をありがとうございます。非常によくわかりました。 裁定集のように、葉っぱが1、2枚落ちた場合でも「スイング区域の改善」にあたる場合とそうでない場合があり、実際の判断が難しいですね。だからこそまずはゴルフ規則をしっかり勉強する必要があると痛感しました。