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薔薇の系統とバラの剪定方法についての質問
- 薔薇の系統について質問です。写真のバラは植えた記憶もなく、大手毬の後ろから出てきました。2年目には赤い綺麗な花を沢山咲かせましたが、今年は花付きも悪く葉っぱもあまり茂りませんでした。
- このバラは何の系統でしょうか?花屋さんではつるバラと言われましたが、つるバラ程度の剪定では枝が古くなり芽が出ないように感じました。枝は最大2メートル位の長さがあります。
- 来年は花を咲かせたいと思っています。このバラに合う剪定の仕方や系統について教えていただけないでしょうか?
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- bannzaiusagi
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まず、ここまで伸びるならツルバラに間違いないと思います。 いつの間にか生えてきたバラとの事で、おそらく野鳥がどこかのお宅のツルバラの実を食べ、質問者様の家のオオデマリの木に止まってバラの種子入りのフンをしていったものが運よく発芽してくれたのでしょう。 おそらく実生由来の物ですから、一般に出回るバラと少し性質が変わってしまっていると思います。それで育てにくい面が目立つのかもしれません。 まず、一般に販売されているバラのほぼ全てが性質の強い原種や昔の品種を台木にし品種の枝を穂木として接いであります。これは園芸種のバラ自体をそのまま育てても性質が弱かったり生育が遅かったり病害虫に弱かったりすることが多いので。また、いっぺんに沢山殖やせるという理由もありますが、性質が強く生育が早い、登録品種で無い物なら挿し木で殖やせるものも。特に自根で栽培してしまうと育ちにくいものはほぼ全て接ぎ木です。 他所のお宅のお庭に生えてきた画像のバラの親株の方も接ぎ木された品種である可能性が高いです。その品種自体は何の問題もなく育っていると思いますがそれは性質が強い台木に接ぎ木されている株だから。台木に使われる原種や古い品種は根の性質が強く早く広く地中を伸びていき、土の中の養分をたくさん吸収しては接ぎ木した部分へと送ってくれます。なので接ぎ木由来の株は品種そのもの自体は性質が弱い物でも台木のおかげで何の問題もなく育ってくれます。 でも、今回の物はおそらく実生由来の株。その株自身の根が土の中に伸びて養分を吸収しています。その株自体が吸収できる養分が十分ではないのか、オオデマリの様な勢いのある性質の木と一緒に生えてしまっている事で、枝が古くなると新たな芽が出にくくなっているのかと思います。 実は我が家にも実生由来のツルバラがあります。やはり野鳥のフン由来か庭木の傍から生えてきたもので、見つけた時点で3年目くらいでしたがヒョロヒョロで、茂みに隠れていたので当初は日が当たらず間延びしたのだと思ってました。トゲ無し個体だったので掘り上げて大きな鉢に植えてあります。もしかするとうちの庭に先住者が植えていた古い株のツルバラか、花の形が悪く色も好みでは無いので処分しようと根元から伐った後に生えてきた台木(一重の可愛い花が咲いたのでそのまま残してある)が育った方の実から生えた物かもしれませんが他所のバラの可能性もあります。でも未だに花が咲いてくれないので確かめられていません。もし我が家のツルバラ(接ぎ木株)が親だとすれば物凄く勢いが良いものですが実生のは育ちが遅く、日当たりの良い場所に置いて管理しても枝が細いので日陰が原因ではなくその株自体の性質の様です。 その株がツルバラではある様なのですがとにかく育ちが遅くてもう5年は経っているはずなのに花が咲く短枝が付きません。トゲが無いので突然変異由来でしょうがとにかく育ちが遅い。これは台木に継がれていない事と、実生なので遺伝子情報の中から劣っている性質が出てきてしまっているのではと思っています。 園芸種のバラは古代から改良が繰り返えされ遺伝子が複雑です。表に現れている生えている株の花色や育ち方などの性質の他に、中に隠れている過去の交配に使われた原種や園芸品種の遺伝子情報が膨大に隠れています。画像の株の花は赤い八重咲きなので園芸品種由来の特徴ですが、この特徴も必ずしも他所のお宅に有るはずの親株と同じとは限らず、例え自花だけの雌蕊に花粉で受粉したものでもバラだと必ずしも親に似た特徴が現れるとは限らず、隠れている方の遺伝子情報がランダムに選ばれて出てきているかもしれません。その場合、ツルバラだけでなく他の系統も交配に使われている可能性があるので運よく親株が見つけられてもそれがツルバラでない系統であってもおかしくはありません。簡単に言えば「雑種」である可能性があるのです。 新品種の作出で作りたい特徴を考え交配親を選んで受粉させた場合は縁が遠いほど良い性質が出やすいのですが、改良しつくされている園芸種のバラの偶発的に起きた他花受粉や自花で受粉では劣った特徴の物も現れてしまいやすい様です。 ご質問者様のこのバラの八重花弁や赤い色や古い枝には新しい芽が出にくいという性質は、もしかすると隠れていた膨大な遺伝子情報からランダムに出現してきた可能性もあります。もしそうであれば現代の園芸種に多い「過去の品種の性質が劣ったところを改善済みの品種」と比べればどうしても育ちにくい部分があっても「仕方ない」んです・・・。 「実生で生えた可能性が高い個体である」「自根で生えている」のが従来の園芸品種と比べると扱いにくい原因である可能性があります。そして「他の木といっしょに生えていて、相手の木に土の養分を多く取られてしまい十分には養分が吸収できてないおそれも・・・。 対処としては、毎年新しいシュートが数本か生えてきてくれるのなら開花済みのをあまり古くなるほどには残さず、3年めに開花が終わったら冬に数十センチくらいのところから切ってしまい、その残りから生える新たなシュートが出てくれるのを待つくらいでしょうか。現在行っているのがこの方法なら、シュートはあまり長くのばさずに途中で切ってしまったり花が咲いたのをその冬に切ってしまうなど・・・。私が昔、育ち方がツルバラと良く似ているブラックベリーのつる性品種株に行っていた方法です。こうすると実の数は多く採れませんが養分が多めに均等に分けられて実一粒の大きさと味が良くなるのです。 当然枝が長い株姿には仕立てられません。シュートが途中で切られれば今の様な誘因は無理で短枝の数も減り花数も多くはありません。でも接ぎ木苗では無いのでどの程度の勢いがあるかわからないので、ある程度枝を制限してあげないとシュートの方まで養分が回りにくくなると感じます。でも何ぶん実生で雑種化しているものならどの程度の性質かは分からずこの方法を試してみても必ずしも良い結果につながるとは言えないかもしれません。 可能であれば、下記の事を行ってみれば改善できる可能性はありますが、必ず改善するとは限らず、しかも今回は現実的では無い方法かもしれません・・・。 台木に使える種類(市販の原種ならローズヒップを収穫する種類のドックローズが使えます)を入手し台木を育て、このバラの枝を接木して接ぎ木株として別の場所で育てる。 このツルバラを掘って別の場所に植え替えるか、オオデマリの方を植え替えるか処分しても良いなら根元から切って生えて来なくするか・・・。でもオオデマリも大切なものなら移植してのダメージの事を考えるとある程度大きくなってしまった木の植え替えは躊躇してしまいますよね・・・。 接ぎ木の方も、接いで育ててみても改善しない事もあります。もしそうなら今回のご質問の件は「元々このような(昔の?)特徴を持つ個体なので仕方ない」という事に・・・。 市販されている園芸種のバラはすでに欠点が改善されて強い性質の品種だとバラ栽培に慣れていない人でも栽培は難しくないものも多いのですが、今回は偶然生えてきたもので実生で生えてきた可能性があるもの。昔は多かった扱いにくい性質のが生えてきた様な物なのかもしれません。もしこの株に愛着があればご自分で古い品種のツルバラの、古い枝から新たな芽が出にくい性質を改善できる方法を調べて実践してみる、または、育ちが悪くても「これはそういう性質だから」と諦められるのなら、それはこの株の個性として受け入れるしかないのではないでしょうか。