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モル濃度と質量モル濃度
高校1年の範囲です。 なぜモル濃度を求めるとき、分母は溶液の体積であり、 質量モル濃度を求めるとき、分母は溶媒の質量なのでしょうか。 溶媒の体積とか、溶液の質量とかではだめなのですか?
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よい質問です. まず,(体積)モル濃度ですが,これはどちらかというと作業的な利便性の高い濃度単位です.液体は体積で扱うのが便利です.正確に 1mL を繰返し取ることは比較的容易ですが,正確に 1g を繰返し取ることは,あまり容易ではありません.なので,体積ベースというのは,作業的な利便性が高いのです. ところが,溶媒にものを溶かすと体積が増える場合もありますし,減る場合もあります.なので,溶媒の体積を分母にとっても,あまりありがたみはありません.しかし,溶液の体積を分母に取れば,溶液を一定体積取り出したりしたときに,そこに含まれている問題の物質の総量を容易に計算できたりと,たいへん御利益があります.一方で,温度変化を伴うような場合には,あまり適当な取り方ではありません.液全体の膨張収縮だけで濃度の数値が変動するからです. 質量モル濃度は,溶媒の質量を分母に取りますが,本来の意味は,溶媒と溶質のモル比なのです.これがわかると,溶液の中のモル分率が容易に計算できます.そして,混合物の性質を議論するときにもっとも重要なのが,構成成分のモル分率なのです.モル分率を使うことの意味は,大学レベルの化学で厳密に出てきます. 溶液の質量をベースにした濃度というのも使います.たとえば,質量%濃度というのは,溶液全体の質量に対して溶けている溶質の質量を表わし,たとえば高分子の濃度はこれをベースに議論されることがふつうです.高分子物質は,大概に場合分子量に分布のある混合物で,分子量や物質量を簡単に議論することができません.また,温度が変わると大きく変化する性質が多いために,その関係の実験や評価が多いため,体積ベースの濃度設定は意味がよくわからないから,というのが主な理由でしょう. ということで,濃度の取り方はいろいろあって,それぞれに有効な場面があるんだ,といえますね.
お礼
なるほど。 やっぱりちゃんと理由があったんですね。 納得しました。 ありがとうございました^^