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半導体の抵抗率の公式につて

半導体の抵抗率の式について質問があります。 (1)ρ=2πS(V/I)  Sは探針間距離です。 (2)ρ=(V/I)・W・CF  Wは試料の厚さ CFは補正係数です。 この2式の違いを教えていただけないでしょうか? どのような時に(1)あるいは(2)を使えばいいのでしょうか? またどちらがより有効なのか? もしよろしければご解回答いただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。

みんなの回答

  • inara1
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回答No.2

ANo.1です。(1)は間違っていました。 (1)は探針間隔 S に比べて、試料の大きさと厚さが共に充分大きい場合    ρv = 2π・S・(V/I) でした。これは測定対象が薄膜でなく大きな試料の場合に適用できる式です。 薄膜の場合に適用できる式として (3) 探針間隔 S に比べて試料の大きさは充分大きいが、厚さ W が無視できる(S>>W)場合    ρv = (π/ln2)・W・(V/I) = 4.532・W・(V/I) というのがあります。この場合は CF = π/ln2 に相当します。 >実際のところどれくらいの比であれば無視しても大丈夫? 参考URLでCFの値を計算しています。8ページ目の Fig.7 から適用範囲がだいたい分かります。 (1)の場合というのは    CF = 2π・S/W に相当します。(3)の場合は    CF = 4.532 です。Fig.7 で S(探針間隔)を 0 から大きくしていくと CF が直線的に大きくなっている部分があります。これが(1)の    CF = 2π・S/W に相当する部分です。つまり、CF は S に比例して大きくなりますが、その傾斜はW(厚さ)が大きいほど緩やかになっています(実際 Fig.7の3本の線は厚さが違うものですが、厚いほど傾斜が小さくなっています)。Fig.7 のこの部分が直線といえるのは、だいたい S < 10・W の範囲(探針間隔が厚さの10倍未満)です。つまりこの範囲が(1)の適用範囲になると思います。プローブを使った薄膜の抵抗率測定では、探針間隔を膜厚の10倍未満にするというのは無理だと思いますので(1)の式は適用できません。 S が 10・W より大きくなると、試料の厚さによってCFはあまり変わらなくなり、S の増加と共に緩やかに減少していきます。この部分が(2)の適用範囲だと思います。Fig.7は1本のグラフになっていますが、これは試料の縦横サイズが固定されているからで、このサイズが変わればこの部分のグラフも変わってくるでしょう。 (3)の適用範囲ですが、これは S がかなり大きいところだと思います。Fig. 7 では試料サイズが1cm角と割合小さいのでどうなるかわかりませんが、試料サイズが充分大きい場合、S が大きくなると CF の値は一定になるはずです。その一定値が(3)の4.532だと思います(Fig.7はもっと小さい値に落ち着きそうですが、これは試料サイズが充分大きいとは言えないからでしょう)。(1)の適用範囲が S < 10・W なので、(3)の適用範囲は大雑把には 100・W < S < 試料の縦横サイズ/10 というところではないでしょうか。 実は、ANo.1の資料にある補正係数の式(2重フーリエ級数)を計算してみましたが、exp 関数が overflow して収束するところまでいきませんでした。この式でCFを計算するか、その計算が組み込まれている三菱化学の抵抗率計を使うのが最も正確だ思います。

参考URL:
http://utomir.lib.u-toyama.ac.jp/dspace/bitstream/10110/2718/1/0721450004.pdf
  • inara1
  • ベストアンサー率78% (652/834)
回答No.1

(1) は無限大の面積を持ち、端子間距離に比べて厚さが無視できる試料を四端子法(等間隔)で測定したときの体積抵抗率 ρv です。 (2) は試料が有限の面積を持ち、端子間距離に比べて厚さが無視できない場合です。 つまり(1)も(2)も元の式は同じ    ρv = (V/I)・W・CF ですが、(1)はこの式の特殊な場合で、W → 0 のときのW*CFの極限(W*CF→2・π・S)になっていると思います。 参考URLの3ページ目に補正係数 CF の計算法(ポアソンの式)が出ています。これは4本の探針の位置が一直線上にない一般的な探針配置での式ですが、4本の探針が一直線上にあって、探針間距離がSで、試料の大きさが無限大で厚さが無限小のとき、W*CF → 2・π・S になると思います。正確な測定をするなら(2)を使ったほうがいいでしょう。

参考URL:
http://www.dins.jp/dins_j/6data/pdf/catalog/Lineup_catalog_J0408-LP.3000US.pdf
-yurix-
質問者

お礼

inara1さん 本当にご丁寧なご回答ありがとうございます。inara1さんのおかげでなぞを解くことができ、また理解を深めることができました。 本当にありがとうございました。 大変失礼なんですが、ご回答の中にお一つ疑問点があるのですが、もし差し支えなければご回答いただけないでしょうか? ご回答の中に”端子間距離に比べて厚さが無視できる”とありますが、実際のところどれくらいの比であれば無視しても大丈夫なのでしょうか? よろしくお願い致します。