こんばんは。
鉄道会社で電車運転士をしており、違う車種同士の併合列車も担当して乗務している者です。
今回のご質問は、
制御方法の違う車種が併合しても運転に差し支えないかという内容で宜しいのでしょうか?
いま、鉄道車両には、
○抵抗制御
○チョッパ制御
○VVVF方式
・・・・・と三種類が主にあります。
こと、加速する際は、マスコンで直接架線電流を調整しているわけではなく、DC100Vなどの制御回路で間接的に制御しています。
これら電動機の動かし方が異なる車両でも、制御回路自体は同じなので、力行に関しては何ら問題ありません。
制御方法によって、加速のバランス、加速度、
それぞれ異なりますが、連結器のスプリングが緩衝しますので、乗り心地の観点では劣ることはあれど、運転するに支障ありません。
問題は、制動方法。
今、高速鉄道においては、
○電磁直通ブレーキ(HSC)
○電気指令式(MBS)
・・・・のブレーキ方法があります。
HSCは編成全体にSAP、BP、MRPを回し、空気指令で弁を介して制御する方式ですが、
MBSは編成全体に回した3本の電線(一部アナログ方式の場合は、電気指令線は1本で、その流れるアンペアによる)のON、OFFによって各車のブレーキ作用装置を制御しています。
ブレーキそのものの制御方が違うので、このままでは併合することは出来ません。
私の勤める会社の車両は、併合に使う車両は皆MBSなので、何ら問題はないのですが、小田急の場合、併合に使う3000形(MBS)とそれ以外(HSC)と二種あるので、一つ「ブレーキ読み替え装置」というモノが必要になります。
3000形(MBS)が先頭の際、運転士が指令したブレーキ段相等を、後尾の(HSC車)SAPに出力させてブレーキを、
先頭がHSC車の場合、ブレーキ弁を操作し込められたSAPを読み替え装置でそれに近似のブレーキ段で後尾車(MBS)に出力する仕組みになります。
先頭がMBSならともかく、
逆に先頭がHSCですと、SAPの値次第によっては後のMBSのブレーキが強く出て引っ張られるような挙動をしめすケースも考えられます。
>A・小田急電鉄以外にこうした異種制御方式の電車の併結を行っている鉄道会社はあるのでしょうか?
MBSとHSCとの併合ケースは稀です。
>B・こうした運行はかなり特殊なのか、さらに複雑な機能が必要になるのでしょうか?
読み替え装置があるので、可能とはいえ、制御方法の違いによる衝動の発生は避けられないので、かなり特殊となります。
今、小田急もHSC車そのものが減りMBSに改造しつつあるので、過渡期的な姿です。
他社では、併合しないように運用を分けるのが通常です。
お礼
#4も含めて回答ありがとうございました。