- ベストアンサー
「利く気遣いはない」の意味
日本語を勉強中の中国人です。夏目漱石の「吾輩は猫である」の中の表現についてお伺いします。 http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/789_14547.html 『「そんなに飲んだり止(や)めたりしちゃ、いくら功能のある薬でも利く気遣(きづか)いはありません、もう少し辛防(しんぼう)がよくなくっちゃあ胃弱なんぞはほかの病気たあ違って直らないわねえ」とお盆を持って控えた御三(おさん)を顧みる。』 「利く気遣(きづか)いはありません」の箇所が理解できません。「気遣い」の使い方なのですが、辞書に「よくないことが起こるおそれ」と書いてあります。「気遣い」の前に、よいことである「利く」が繋がっていると、どのような意味に変わるのか頭の回転が遅くてわかりません。どなたか説明していただけないでしょうか。 http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E6%B0%97%E9%81%A3%E3%81%84&stype=0&dtype=0 また、質問文に不自然な日本語の表現がありましたら、それも教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
夏目漱石の「吾輩は猫である」は明治期の東京の下町と山の手が交錯するような感じの表現が頻出します。これらは、現今の国語辞典的な用法から多少はみだしたりする場合もあります。又本来の意味を態と別の意味に使うといった場合もあったかと思います。 今回の「利く気遣いはありません」ですが、この場合は(薬が)「利く見込みがない」「利く気配がない」の意味になります。ここでは薬が利かない事が歓迎できない事項です。このような使い方は幾らでもありそうです。例)「あの勉強振りじゃあ、先ず及第する気遣いはこれっぱかりもありゃしない」(落第するだろう)、「あの性格だ、先ず稽古事なんぞ一っ月と続く気遣いはありゃしないぜ、下手すりゃ三日坊主だ」(長続きしないだろう) 序にその他を拾うと。 「辛抱がよくなくちゃあ」⇒「我慢をしないと」。「辛抱がよい」⇒「我慢強い、我慢が出来る」 **ここでは「辛抱をよくしなさい」の意味。 「胃弱なんぞは」⇒「胃弱などは」(胃弱は胃の病気、胃が弱いから来ている) 「ほかの病気たあ違って」⇒「他の病気とは違って お三:これは漱石の当て字、「おさん」女中をさす。
その他の回答 (2)
私もNo1 様の解釈で結構かと思います。 「どんなに効果のあるありがたい薬でも、貴方が飲んだり飲まなかったりでは効くような配慮はしてくれませんよー」 薬の立場に立って病人をたしなめているということでしょう。機転のきくおさんですね。 ちょっとユーモアの感じられる場所です。「気遣い」は漱石の口癖だったのかもです。
お礼
早速のご回答ありがとうございます。わかりました。本当にありがとうございました。
- hakobulu
- ベストアンサー率46% (1655/3578)
「配慮」という意味もあって、 「お気遣いいただきありがとうございます」 などのように使います。 今回の場合はこの意味で、薬を擬人化した表現なのでしょう。 「いくら功能のある薬でも、利くように配慮はしてくれません」 といったようなニュアンスで使ったのではないかと思います。
お礼
早速のご回答ありがとうございます。理解できたように思います。本当にありがとうございました。
お礼
早速のご回答ありがとうございます。大変参考になりました。本当にありがとうございました。