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相互乗り入れの乗車券や定期券の売上収益の配分と負担について
- 相互乗り入れが増え、便利ですが、乗車券や定期券の売上収益の配分や負担はどうなっているのか気になります。乗車券や定期券は通しで購入できますが、売上は発行会社に全額入るのでしょうか?
- 相互乗り入れや直行運転が増えて便利になりましたが、乗車券や定期券の売上収益の配分や負担が気になります。各会社間でどのように取り決めがされているのか、詳しく知りたいです。
- 最近の相互乗り入れや直行運転は非常に便利ですが、乗車券や定期券の売上収益の配分や負担が気になります。各会社間でどのように取り決めがされているのか、教えてください。
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2社以上にまたがる切符は、JR同士で他の会社にまたがる場合を除いて、原則各社ごとの運賃を計算してそれを合計(特に定めがある場合はその合計から定額又は定率を差し引く)しているだけですから、どんな切符が売れたかさえ記録しておけば、売上の会社別の把握は非常に容易で、会社別の精算は簡単です。(自社独自でも売上は把握しなければならず、機械のない時代から簡単に集計する手段が確立されていました。) つまりA社A駅からC駅が会社境界でB社B駅までの切符を売った場合、A社はA-B間の運賃を預かりますが、このうちC-B間の運賃は後にB社に返還します。実際には月単位等一定の期間ごとに集計した各社に返還すべき金額で相殺し、最終的な過不足のみ精算します。 磁気カードやICカードも同様で、運賃引き落としごとにどこの社に支払うべき金額が引き落とされたかの記録を残し、これを会社単位で集計・相殺・精算します。 要は、質問者様のおっしゃる「まさか…」です。 切符の発券諸費用等はお互い様と言うことで特に精算はしないことが多いです。 但し、境界のC駅がA社の所属の場合、C駅でB社のみの乗車券を発行するコストは、本来ならA社は負担する必要はないので、このコスト相当を後述の境界駅の管理の委託で支払われる金額に含めて支払います。 また、B社はC駅で発売する乗車券、乗車券用紙をA社に現物提供するか、それに見合う金額を支払うか、委託料に上乗せするかになります。 この発券数が非常に多いケースではB社がB社の管理する切符売り場を設けて、そこでのみB社に関連する切符を発売するケースもあります。 車両については、相互乗り入れに当り各社ともなるべく性能の近い電車を使うのが原則となりますので、可能な限り別会社で走る分の延べ走行距離数をできるだけ同じになるようにダイヤを設定します。性能が似ているので、距離数が同じならそれにかかる電気代や消耗部品代の走行コストや維持コストはほぼ同程度だろうと言う前提にするわけです。 しかし、なかなか完全に一致はしませんので、一致しなかった場合に精算する為にkmあたりの単価を定め、これで精算します。(あくまでも走行キロ数だけで精算することもあります) 片方の社のみが乗り入れたり、乗り入れる車両に性能等の違いが生じる場合は別の考えとすることがあります。 つまり、A社の車両のみがB社に乗り入れる場合、B社は車両を自分で用意せずに列車のサービスができることになります。従って、B社はA社に対して車両の使用料を支払う義務が生じます。 一方A社の車両が余分に線路を走るために、B社の線路維持等のコストが増大する可能性が生じます。そういう意味で、A社はB社に線路使用料を支払う義務が生じます。 この車両使用料と線路使用料はどちらの方が高いかは計算が難しいですが、純粋なコスト計算の他、その乗り入れでどちらの社のほうがよりメリットがあるかなどを考慮に入れ、最終的には両者の合意で決定します。 で、負担額の多い方の「使用料」差額分をkm当りの単価で計算し、精算することになります。先ほどの走行距離をあわすと言うのはこの計算をなるべくしないですむようにしたものです。 乗務員については原則として、自社部分しか乗務しないように運用しますので、通常は特に精算等は行ないませんが、何らかの事情で他社区間にも乗り入れる場合は、車両と同じ考えとなります。即ち両者の他社部分での延べ勤務距離や時間が合わせられるのなら、同程度にして特に精算しないか、距離または時間当たりの単価を定めて精算するかです。 境界の駅はどちらかの社の持ち物になりますから、一方の社は駅の管理をその持ち主に委託することになり、これは「委託料」というお金で済ませます。但し、一部を要員配置等の現物で対応することもあります。 以上は企業同士のお金や勤務条件、安全面等にかかわる非常に大事な話です。もちろん、なあなあで済ませるわけはなく、「こんな時はどうする」と言うような細かなことが網羅された協定書を取り交わすことになります。この協定書の内容を詰めるのにおそろしく手間がかかるようです。 つまり詳細な内容はこの協定次第で全く異なることになります。 ストや事故で乗り入れできない場合は原則運転できる社のみ自社線内折り返しとなりますが、相互乗り入れを前提としてダイヤを組んでいた場合、車両の過不足が生じダイヤ通りに運転できないこともあります。その場合に車両を借用するかどうかなども協定の内容に従います。(通常は本数を減らしてでも自社の車両のみで運行します)
お礼
詳細且つご丁寧な解説を賜り、誠にありがとうございます。 疑問に思っていた事柄の内、記載&表現を端的に出来なかった事も含め事例とケース別に分り易く教えて頂けて、モヤモヤがスッキリと晴れた気分です。 回答へのお礼と感謝を心より申し上げます。 ありがとうございました。