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〔カレー事件〕ヒ素鑑定の信憑性
和歌山カレー事件について、「カレーに混入されたものと成分の特徴が同じヒ素が被告の自宅などから見つかった」ことが証拠の一つとなっているようですが、ヒ素の中でも『成分の特徴が一致する』可能性としては、どのくらいの確率でありえることなんでしょうか。 P.S.林死刑囚が真犯人なのかどうかの議論をしたいのではありません。また、普通の人がヒ素を持っているかの議論でもありません。ヒ素と言われるものには、どのくらいの種類の成分のヒ素があって、それぞれどのくらいの量が世に存在するかの問題であって、あくまでも化学的な観点だけの質問です。DNA観点の信憑性がどのくらいあるのかの話と似ているかもしれません。
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確立は解りませんが、純粋のヒ素そのものの成分は判別できません。 今回は、ヒ素に含まれている不純物がほぼ同じ物であったと言うことでしょう。 製造過程で含まれる不純物はそれこそ千差万別で、同じ工場で同じように作っても、作る時期が違えば又別の物になるかも知れません。 その不純物がほぼ同じ物であれば、同一の物であるとの判定を否定することは難しいでしょうね。
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- potachie
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化学物質といっても、元の材料は天然物にたどり着きますから、製造ロットごとに不純物の特徴は出ます。 >> 『成分の特徴が一致する』可能性 経時変化がないと仮定できると、同じロットのモノは一致する可能性は高いと思います。同一地域に同時期に販売されているモノが、同一ロットである確率はどのくらいか、という話になるかと。
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ご回答ありがとうございました 勉強になりました
- drmuraberg
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「亜ヒ酸」が犯行に使われたヒ素化合物と言われていますが厳密 では有りません。 手持ちの資料には、次のように記されています(抄録)。 亜ヒ酸、arsenious acid, arsenous acid, aresige Saere ヒ素焙焼後に集めた煙煤を反射炉に入れ加熱すると125~150℃ で亜ヒ酸が昇華して粗製亜ヒ酸となる。さらに1~2回昇華精製 する。または、硫ヒ鉱石FeAsSを焙焼して製造する。 2FeAsS + 5O3 → Fe2O3 + As2O3 + 2SO2 無水亜ヒ酸、または三酸化ヒ素As2O3が水に溶けた際に存在する と考えられると推定される弱酸で組成はH3AsO3と考えられる。 遊離の酸は得られていない。 煙煤にはヒ素と同族のアンチモンSbとビスマスBi、およびスズSn、 モリブデンMo等の金属が入っています。SbとBiは三酸化ヒ素 As2O3の結晶の中にAsと入れ替わる形で入っており、後から混入 されることはほとんどありません。SnとMoは亜ヒ酸の原料鉱石に 含まれており、やはり後から混入することはありません。 したがって、製造プロセスで1焙焼分を1ロットにしたら(数回の 焙焼分をブレンドして1ロットに編成した場合でも)、ロットのSb,Bi, Sn,Mo 含有率はそのロットに特有の指紋の様なものになります。 普通これらの、金属不純物は広く普及している蛍光X線分析で簡単 確実に検出できます。 しかし、この事件ではサンプル量が微量のためとSb,Bi,Sn,Mo 含量パターンを反駁の余地無く確定する(測定誤差による疑いを無くす) 為にスプリング8による確認が行われました。 1) 鍋に残っていたカレー 2)現場近くで回収した紙コップ 3)真須美 容疑者の自宅から押収したプラスチック容器のそれぞれから検出された 試料と、4)夫の健治被告(五三)がかつてシロアリ駆除で使っていた ドラム缶から取り分けた試料のSb,Bi,Sn,Mo含量パターンが一致している という事実から、製造工程での煙煤組成と精製の差およびロット変動実績と 合わせ判断し、100%同一ロットと言えるわけです。 ただし、私では無い誰かが家の物を入れたとは主張できるわけです。
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ご回答ありがとうございました 勉強になりました
- mmmma
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ヒ素化合物はかなりの数がありますが、 使用されたもの、所有していたもののどちらも「亜ヒ酸」だったと思います。 #1様のおっしゃるように、含有している不純物の特徴を鑑定して同一だと判定していました。 分析はSPring-8にて蛍光X線分析を行ったと記憶しています。 http://www.spring8.or.jp/ja/ この文献を見ますと0.1ppb程度までは定量可能のようです。 http://www.spring8.or.jp/pdf/ja/sp8-info/13-3-08/13-3-08-p252.pdf このくらいまで分析できるのなら、製造ロットの違いまで区別できるように思います。
お礼
ご回答ありがとうございました 勉強になりました
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