背椎に神経の束が通るトンネルがあります。この神経の束が脊髄です。「頸椎」のトンネルところにある神経の束が「頸髄」です。
「脳」という村と「消化器(胃や腸)」という村と「下半身の筋」村は脊髄という神経の束で繋がっています。
さて、頸椎という骨が骨折すると、トンネルがつぶされて「脳」村と「下半身筋」村は連絡が途切れて脳の伝達が出来ません。これが自分の思う通りに動かせないという随意運動の麻痺という状態になります。水害等で遮断された村のニュースのようですね、それと同じです。
ところが不思議なことにトンネルはつぶされていますが、「下半身筋」村に別ルートで血液供給されていたりすると「下半身筋」と腰周辺の脊髄は「脳」村の伝達を無視して勝手に動くことが出来ます。でも「脳」の情報は受けないので意志とは関係がない不随的な運動だったりします。
そこで「消化器」村です。もともと「消化器」村は「脳」村とは関係は強いのですが、「消化器の筋」そのものは不随(意志とは関係なく)運動するものですから、頸椎のトンネル事故があっても、他のルートから血液供給があって臓器が損傷しないかぎり勝手に動いてくれます。もちろんトンネル事故が無かったときのように正常ではありませんが。
以上たとえ話で説明してみました。
最悪な頸髄損傷というと、頸髄から支配される呼吸筋があり、完全にこの呼吸筋が動かなくなり、人工呼吸、その他の呼吸補助がないと組織内に酸素が取り入れられなくなり死に繋がります。