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転作について教えてください。
今年の春から,農業関係の部署に配属となりました。 誠にお恥ずかしいのですが,黄ゲタとか緑ゲタといった言葉が飛び交うのですが,私には何のことだかさっぱり理解ができません。 何でも,昨今の食料自給率の低下の関係で,稲作の生産調整(転作)を行うと,農家は米より安い作物(麦や大豆等)を作付けした場合に,その補填があるということらしいのですが。 なぜ,市場から評価されない物(安い物)を作ると国から税金によって補填されなければならないのか。根本的に理解ができません。 農林関係行政にしばらく携わっていらっしゃる方々は,当然のこととして捉えられている様子で,勉強不足の私には全く理解ができません。 なるべく,生産調整は当然行われるべきもので,そのために黄ゲタ・緑ゲタがというものがある。といった回答を頂ければと思うのですが・・・ できれば,なぜその色を使ったゲタ(補填)なのかも教えていただければ幸いです。 まとまらない質問ですが,よろしくお願いいたします。
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「黄」とか「緑」というのは、WTO農業交渉における補助金の分類です。 http://www.tcchu-ja.or.jp/topics/wto/wto_fat19.html 「ゲタ」とは、生産コストと販売価格の差額補填のために交付される直接支払補助金です。 このうち、生産量と無関係に交付され生産拡大意欲を刺激しないものが「緑ゲタ」、生産量に比例して交付され生産拡大意欲を刺激するものが「黄ゲタ」です。 転作補助金でいえば、固定払いの部分が「緑ゲタ」、成績払いの部分が「黄ゲタ」になるわけです。 http://www.jataisetu.or.jp/kouhou/200803_3.pdf WTO合意により、「黄ゲタ」については削減が義務付けられているので、「緑ゲタ」への転換が進められています。 なぜ、ゲタを交付してまで転作誘導するかといえば、米が生産能力過剰であるからです。 単に米作農家の所得保障というだけではなく、西欧諸国に比べると極端に農地が少なく、国民1人あたりの農地面積が8分の1~15分の1くらいしかない日本で、無駄なく農地を利用して農業生産を行うためには、過剰な作物の生産を減らして不足する作物の生産に振り向ける必要があるからです。
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- megira
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根本的に勘違いしている人がいますが、米が大幅に余るようになったのは、輸入小麦のせいでも輸入米のせいでもありません。 http://www.foodpanic.com/index4.html 上のページのグラフを見ればわかるように、昭和35年から平成15年までの間に米の消費は半分以下に激減していますが、小麦の消費量は微増でしかありません。 米の消費減少は小麦の消費に置き換わったわけではなく、肉類・油脂類・魚介類・野菜類など様々な副食物素材の消費に置き換わったもので、国民が豊かになったことによる食生活の高度化によるものです。 要するに、おかずの品数や分量が増えたので、ご飯をお替りしなくなったので、米の消費量が激減したのです。 ですから、主食用穀物全体の消費量が半減しているのです。 http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/0200-1.html また、ミニマムアクセス米の輸入が始まったのは平成7年のことで、米の消費量が大幅に減少した後のことです。 http://www.dpj.or.jp/news/files/1shohiseisan.pdf しかも、ミニマムアクセス米は、年間10万トン以内のSBS輸入米を除き、破砕加工されてから加工用限定で売り渡されるので主食用に転用することはできませんし、主食用に供給されたSBS輸入米以上の量の国産米を海外援助用に輸出するというルールがあるので、輸入米によって国産米の消費が減るということは発生しないシステムになっています。 http://www.maff.go.jp/j/study/ryutu_system/02/pdf/data.pdf 別に水田を残さなくても、畑に転換したっていいんですよ。 ただ、転換するためには費用がかかるので、田のままでも何とかフル活用しようというだけです。 http://www.maff.go.jp/j/kanbo/kihyo01/wakaru/pdf/data4.pdf
お礼
さらに詳しいご解説ありがとうございます。 明日から,よく参考にさせていただきます。
- QES
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転作は生産能力過剰であると信じられていますがそうではありません。 それなら不要なものを作らせて補助金を出す意味がないからです。 戦後アメリカでは小麦が生産過剰になり、敗戦国の日本が政策上受け入れ消費させるため、日本の食生活を、強制的に欧米化を進めました。(例 学校給食のパン等) またミニマムアクセス米(最近汚染米の問題で有名)と言ってアメリカを始め多くの国からたくさんの米を輸入させられている事実はご承知のとおりです。 つまり弱腰外交のつけであり、決して米が余っているのでなく政策的に諸外国の小麦や米を受け入れさせられています。 このため農家が農地を宅地化したり放棄田(土地に二度と作物を作れない状態)にしてしまうことを避け、食糧難で小麦や米が入って来なくなった場合いつでも水田に復活させられるように土地利用を制限している意味があります。 >>なぜ,市場から評価されない物(安い物)を作ると・・・ 市場から評価される生鮮野菜等をつくり野菜農家や果樹農家に変身してしまったら上記の理由(主食が不足する状態になった時、野菜や果物では代用出来ない)から困ります。 このため金にならないものを作らせる代わりに補助金を出すわけです。 転作の根本的な部分の解釈を誤らないように。
お礼
的確なご指示ありがとうございます。 大変,よく理解できました。
お礼
色の理由がすっきりしました。 ありがとうございます。