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変分法

http://homepage2.nifty.com/eman/analytic/bernoulli.html において、(1)式のようなTをT(f,f')としていますが、f'はfを微分しているだけなので、結局T(f)となると思うのですが、何故T(f,f')とするのでしょうか? 宜しくお願いします。

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回答No.6

●『変分』再考  変分をとる =「1つの経路に対して定まる値」が,「その経路から少しずれたもう1つの経路をとるときの値」との差 =二つの経路に対する差  f(x)とf’(x)が独立という表現は誤解されるようだ。  「被積分関数の値を決める変数である。」  ⇒δt=δ∫Tdxの値はf(x)とf’(x)の二つによって変わる。  たったこれだけのことなのだが、説明するのは難しい。 ●経路を『ずらす』ことの意味  経路上のひとつの点を他の経路上の点にずらす; 1) 空間に点Pをとり、そこから適当にベクトルAを書く。 2) それを適当にずらしてある点Qを始点としたベクトルBに移す。  この『ずらし方』を考えると、PをQへどれだけずらしたかという『変移』とベクトルAをベクトルBに移したときにどれだけ回転させたかという『方向の変化』という二つの自由度があることがわかる。  この『変移』が(δf),『方向の変化』が(δf’=δ(df/dx))に対応する。  任意のずれを考えることができるためには,変移δfと方向の変化δf’を両方とも任意に変化できることが必要のはずだ。これは経路のとり方によって勝手に変えられる。(無論、満たすべき条件はある。それはただひとつ、最終的にそのような『二つの経路の始点と終点は一致している』ということだけである。) ● 変分をとっているにもかかわらず『fが決まるとf’も決まる』と考えるのは、曲線をずらしたときに、このずれに応じて『曲線の進行方向の変化が決まってしまっている』というのと同じことになる。例えば曲線の平行移動のような移動であり、任意の経路に移すということはできない。ずらすことのできる曲線は固定してしまう。  『任意の経路にずらす』ということには、『任意の変移』を持たせることができ,さらにこの『各点での方向の変化』も自由でなければ任意の経路に移すということはできない。 ● 経路のとり方で定まる量Tが有れば、その変分δTはそれは途中の経路の変移δfとともに、その途中での方向の変化δ(df/dx)のとり方によっても変わってくる。δt=δ∫T(f、f’)dxの式の変形はそう主張している。 ●●● ※ある場所からxだけ落下するとその位置での落下の速さVはV=√(2gx)で決まってしまう。これは軌道がどのように有ってもxだけで決まる。  だがその付近でs(m)を「落下」するのに要する時間Δtは?と聞かれたときの答えを考えればよい。  つまり、これだけでは答えられない。  『軌道』がそのまま『真下』に向かえばΔt=s/Vでよい。ところがそこで滑らかな曲面が有って、進路方向が『真横』に向けば、それ以上『下方向』には落下しない。下方向の落下時間はΔt=∞になってしまう。無論そこでもう一度『上』に向かう軌道を考えてもよい。  『経路によって決まるとは量』は、このように『軌道をどのように取るか』によって変化する落下時間のような量のことだ。  上の例では地面に到達するのに要する時間が、途中の速さを決める『位置』とともに、その位置で軌道がどのような『方向』を向いているかという軌道の取り方の<二つの要素>によって変化することがわかるだろう。仮想的な軌道を考えるのだから、位置と方向とは勝手に決められるということを理解してもらいたい。 ● 解析力学では、f(x)は位置(一般化座標)であり、f’(x)は(一般化)運動量になる。式を作り上げるまでは『勝手な軌道の変移』を使って考える。違う経路に移すためには位置も運動量も自由に変えられなければいろいろな軌道に移すことはできない。δ∫Tdxはそのような勝手な軌道を取ったときの値δ∫Tdx≧0である。実際にはありえない勝手な「軌道のずれ」を起こすのであるから、このようなことが許される。δ∫Tdxがどのように表されるかを求める段階では、この勝手さを思う存分に用いている。 ● 無論『実際に起こる運動』ではそのような勝手なものが許されないことはいうまでもない。実際に起こる運動は勝手に取ったものの中のたった1つのもの,   δ∫Tdx=0 を満たすたった1つの軌道Cが求まる。  そのたった一つの軌道上では(曲線Cにおいては)一般的な関係としてラグランジュの方程式によってfとf’が1つの関係性を満たさなければならなくなって、そのような解が求められる。    ◆ ◆ ◆  方程式を考える時の勝手に考える『仮想変移』と、力学的な条件をすべて満たした『解』とを最初から混同してはならない。δは実際に起こる運動ではなく、人間が勝手に決める軌道に関する演算を表している。  古典力学では、これは実際に起こる運動では位置と運動量がひとつの関係によって結ばれていると主張している。ハミルトン形式を経て、やがては量子力学で不確定性原理に到達する。その議論の最初の萌芽がここにある。

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  • arrysthmia
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回答No.7

> f(x)とf’(x)が独立という表現は誤解されるようだ。 > たったこれだけのことなのだが、説明するのは難しい。 誤解されるのではなく、間違っているのだ。 あるいは、書いた人は理解しているが、それが他人には伝わらない 限りなく間違いに近い表現 と言ってもいい。 汎関数 T を、二つの独立な関数 f, g の写像 T(f, g) とみて、 T(f, f ') を極小化または極大化しようとする場合、 その極値問題には、制約条件 g = (d/dx) f が付いていることを 忘れてはならない。この制約は、ラグランジュ方程式のような 応用分野に即した連立相手の方程式から生ずるのではなく、 導関数の定義から生じる、方程式そのものに内在する条件だ。 『ずらすことの意味』については、再考が必要。

noname#101087
noname#101087
回答No.5

F(x,y,y',y") の記法は、y,y',y" が互いに独立ということではなく、未知関数y の導関数を含むときにその階数を明示するため、なのでしょう。 解くことになる微分方程式の階数を明示しておく、という役割かも。

  • arrysthmia
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回答No.4

いや、T( ) を関数でなく、汎関数と捉えるのなら、 変分を考えても、T(f) で十分意味は通じる。 f と f ' が独立になるのは、T( ) に代入するものを 個々の x における f(x) と f ' (x) の「値」と考えているからで、 汎関数に関数 f を代入すると考えるなら、f と f ' が独立な訳はない。 f ' (x) = (d/dx) f(x) という従属関係があるのだから。

回答No.3

● 『軌道を表す関数f がf+δf になった場合』  (1)式の積分範囲[A,B]について、上の表現の持つ意味をもう少し吟味してください。  出発点A,終点Bは同じで,少し違う2つの経路を考えていると思います。その曲線をC1;f1(t),C2;f2(t)){t=A→B}としておきます。f1,f2は描いた曲線によって決まる違う関数です。  曲線C1上での運動を考え,ある時刻tでどこにいるかがf1(t)で表され,その点での速度がdf1(t)/dtで表されると考えます。1つの曲線上で考えるとf1(t)が決まってしまえば、そのような軌道を描くための速度df1/dtも決まってしまいます。同じC1上では『f'はfを微分しているだけ』です。  ところが、今考えているのは変分です。つまり、C1上の点とC2上の点での違いを考えています。 < 変分δfは?;>  ある時刻tでC1上の点f1(t),C2上の点f2(t)をとります。『δf』はこの差なので、『C1上の点f1(t)からC2上の点f2(t)に引いたベクトル』です。これは無論tによって決まりますが、より重要な『C1,C2のとり方によって決まってしまう』のです。おなじtをとってもC1、C2を変えてしまえばδfは変わってしまいます。だからδfは『C1、C2という曲線のとり方を”変数”』とする特別な関数=汎関数です。 <δf’は?;>  同様にdf/dtについてδ(df/dt)を考えたとします。そうするとこれは『C1上での点f1(t)でのdf1/dt』と『C2上の点f2(t)でのdf2/dt』との差になります。これも時間の関数ですが、それ以上にC1,C2のとり方に依存することになります。だから、fもdf/dtもC1,C2のとり方によって変化する量と考えなければなりません。  そのため変分原理を用いるときにはfとf’は互いに独立として考える必要が出てきます。  ※fとf’が独立であることは、次のように考えてください。  例えばtでC1、C2上のそれぞれに点P,Qをとります。そのC1,C2の接線方向にf1’、f2’があります。ここでC2を変化させてもよく,C2 は同じ点Qを通ればいいのだから、Qを通る曲線はいろいろな曲線が描け、それに応じてf2’は変化します。このとき『δf(=ベクトルPQ)は変化していません』が、『δ(f’)(=点Qでの接線方向のベクトル-点P上の接線方向のベクトル)は変化している』のです。だからfとf’は演算δを用いるときには『曲線のとり方によって決まり,そのとり方によって互いに独立に変化できる』と考えなければならなくなります。  ある1つの曲線上でTを考えるならT(f、f’)=T(f)となるが,変分δを考える場合,つまり変分δTを考える場合にはδT=δT(f,f’)≠δT(f)なのです。そのような事情を先取りして、変分法を扱うときにはあらかじめT=T(f、f’)としなければなりません。本当はδをとったときに初めて違いが出てくるのですが、それを先取りしているために、はじめて勉強するときには意味がわからなくなるのです。δが具体的にどの量を表すかに注意しながら、そこまで頑張ってください。

  • arrysthmia
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回答No.2

わざわざ、t = ∫ T dx と T を置いていることからみても、 f から t への写像(汎関数)から、微積分のからむ部分と 代数的な部分とを、切り分けたかったのではないでしょうか。 T(f) という記法だと、T( ) の中に微分操作が残ってしまいます。 T(f, f ') なら、T(x, y) = √{ (1 + y^2) / (2 g x) } ですから、 T( , ) は単なる関数です。

noname#101087
noname#101087
回答No.1

変分法が「汎関数(functional)」の極値問題を解く技法だからだと思います。 引用なさった例でいえば、T(f,f') が極値になる x だけではなく、f も求めねばならないからです。 乱暴な言い方をすれば、T(f,f') の変数は x だけでなく、f もそうなのです。