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子宮内膜症の薬について
ディナゲストを服用していました。医師によると『内膜症に直接作用するはじめての薬です』とのこと。 今までは直接作用ではなく間接的なものしかなかったということでしょうが、具体的に間接的とはどういうことなのでしょうか? 例えばナサニールなどはどういう働きをしているのでしょうか?
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こんにちは。 ディナゲストの薬理作用についての詳細は↓を熟読されてください。 http://www.mochida.co.jp/dinagest/about/about01.html >例えばナサニールなどはどういう働きをしているのでしょうか? 子宮内膜や子宮内膜が飛び火した内膜症細胞は、エストロゲンの作用で増殖・増悪します。「内膜症は排卵(生理)がある限り悪化する」とお聞きになっていると思いますが、それは成熟した卵胞から多量のエストロゲンが分泌され、内膜症細胞を増悪させるからですね。つまり、排卵を抑制してエストロゲンの分泌を抑えれば、内膜症は悪化しない、縮小する、ということはお解りだろうと思います。 ここで排卵の仕組みを端折ってご説明すると... 脳下垂体には性腺刺激ホルモン(GnRH)の受容体(レセプター)があります。ここに性腺刺激ホルモンがはまると、卵胞を育てて排卵させるホルモンであるFSH(卵巣刺激ホルモン)とLH(黄体形成ホルモン)が分泌され、卵胞が育ち、成熟すると多量のエストロゲンが分泌され(こここが内膜症に最も関係あるところですよ)LHサージが起こり排卵に至ります。 点鼻薬ではナサニール、スプレキュア等、また注射ではリュープリン、経口薬ではボンゾールなど色々ありますが、全て「GnRHアゴニスト」と呼ばれる製剤です。 これらの薬の成分が、先に書きました脳下垂体の性腺刺激ホルモン(GnRH)の受容体(レセプター)に本来のホルモンに先回りしてはまり込み、鍵穴を塞いでしまうことで、FSH・LHの分泌を抑制し、排卵が起こらないようにします。この働きを「アゴニスト」と言います。排卵が起こらなければ、エストロゲンの分泌も少なくなり、内膜症の進行が止められます。その代償としてエストロゲン欠乏症の副作用付きなんですね。 ということで、このような作用機序が「間接的」ということの意味です。 それに対して、ディナゲストは子宮内膜及び内膜症細胞そのものに直接働いて増殖を抑制するお薬である、と。こういうわけです。