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車両故障時の扱いについて
昨夜は横浜線の車両の故障に泣かされ、なぜか翌朝までダイヤが乱れていたみたいですね。 そこで思ったのですが、電車が壊れて自走ができないと判断された場合、どのような対処をするのでしょうか。けん引車が来るかその場で技術者が何とか修理をしようとするのでしょうか。前者の場合は、特に通勤路線でどのようにけん引車が登場するのかも気になります。 時間が有るときにご教示ください。
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こんにちは。 首都圏の鉄道会社で、現役で電車運転士をしております。 【電車に故障が発生した時】 どこが不具合なのかを確認し、“修理する”のでは無く、その不具合箇所を“使わずに動かせる”ようにスイッチの入り切りを行ないます。 したがって、壊れたから運転士はスパナやレンチをもって床下に潜るのではなく、車両知識を元に電気配線の切換をして処置します。 横浜線の場合、8両編成でモーター(動力のある車両)は半分の4両。 ここの車両はモーター車は2両で1セットになっています。 したがって、 ○モーターが壊れた⇒動けない ・・・ではなく、もう片方のユニット(2両)だけで自力で動けるようにスイッチの入り切りをするのです。 8両編成中、モーター車は2両だけになってしまい確かに速度は出ませんが、自力で車庫に移動することは可能です。 基本的に鉄道車両を動かす上で必要な *モーター *制御器 *SIV(MG):直流1500Vから交流電源を作り、その交流電源で冷房や照明。更にトランスで直流にして制御電源に。 *CP:圧縮空気を作り、高圧電気のスイッチの入り切りやドア、ブレーキに使う。 ・・・・これらは、1両編成や2両編成で走るようなローカル線を除き、1両に1つだけというのは基本的にありません。 複数搭載が基本なので、ニッチモサッチモいかないという現象はまずありません。 ○ブレーキが故障したなどの場合、「ブレーキが掛からない」という現象は構造上、まずありません。 むしろ、「ブレーキが緩まなくて動けない」というケースが殆ど。 緩まない際は床下のコック操作で圧縮空気を抜いてブレーキを殺し、規程に基づいて低速で運転になります。 ○ドア故障の場合であれば、ドアコックを殺した上で鍵でドアを鎖錠し、ドアが開かないように処置。大抵はお客様は降ろし回送にしてしまいます。 また、 ○大きな駅や車庫のあるような駅には、検車要員が配置されているので、近いようであれば現場まで向かいます。 その場合は電車とは限らず、タクシーなどで向かう事もあります。 ○運転台が使えない場合は、反対側の運転台で推進運転によって動かします。車掌が前方注視し、ブザーによって後方の運転士に合図を送ります。モチロン速度は落とし、規程に従っての運転になります。 ○ATSなどの故障であれば、司令に一報をいれ、その指示の元、切放し運転。ATSを使わない運転です。 危険度が上がる為に、低速での運転。 これも、取り扱い方は規程に記されています。 ○もう、何やってもダメな時。 前後の列車を連結し運転。横浜線ならば、8両編成+8両編成の16両編成にして、動かない電車を動く電車で押す(引く)事で持って行きます。 ・・・・・・ここまで見ていただいて分かるように、立ち往生で翌朝まで影響する事自体、まず無いのですが、昨今のJRは自動化が進み、どうも処置方が不慣れなようです。 バックアップ体制があるとアナウンスしているE231系やE233系を使った路線でも、車両故障後の運転再開が早くなったという話は聞きません。 ○車軸破損はまずアリマセン。 メーカー段階での製造ミスであり、折れたというハナシはそう聴くものではアリマセン。 ○牽引車は、車庫内で編成をばらした場合の移動や、運転台がない車両を引っ張る際に主に使います。 こういう救援車という形ではあまり使いません。 早く現場に救援に向かう際、わざわざ車庫から行くより、前後の車両を救援者に仕立てた方が対応が早いからです。
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関東の鉄道従事員です。乗務員経験もあります。 各社ごとに手順には違いがありますので、私の会社で行なっている一般論になりますこと、ご了解ください。 1.最初にすること 故障発生時、司令所に状況報告の上、乗務員ができる範囲での修理を試みます。運転系統(制御器や制動装置などの運転に必要な機器類)なら運転士が、接客関係(電灯やドア等)なら車掌が確認、修理可能であればその場で応急修理を行ないます。 この応急修理でもダメだと、司令所に修理不能を通知します。 2.検修担当者の手配 最も近くにいる車両の検修を担当する社員が手配されます。この人が故障箇所の修理を試みます。 この検修担当社員によって応急修理なりが済んだ時点で、営業運転(乗客を乗せての運転)に使用可能であると判断されれば運転再開に、営業運転は不可能と判断された場合は、駅構内であればその場で営業運転を打ち切り、駅間の時は最寄り駅まで徐行なりで運転して運転を打ち切り、車庫(検修区)に臨時回送されます。 車輪が破損している場合、まずその場での修理は不可能です。この時はその場でジャッキアップして車輪の近くに仮の車輪を設置することになります。この仮車輪を使用して運転します。ただし、この時は時速15キロ以下くらいに走行速度を制限されるので、状況によっては長時間の運転阻害が発生します。 3.起動自体が不能なとき 修理できないときや修理しても、起動しないとき、運転は継続不能と判断が出ることがあります。この時は、1編成であれば異なる後方の運転台での起動を試みます。これで起動できれば、運転士が後方運転台に、車掌が先頭運転台で前方確認をすることで、最寄り収容可能駅まで退行運転(後ろ向きに走らせること)。乗客を降ろして、は臨時回送になります。最も困るのが、その編成の後方の運転台でも、起動しない場合です。 2編成以上の併結の場合、更に後方の編成の前方運転台での起動を試みます。これで起動すれば、後方別編成の前方運転台に運転し、最前部運転台で車掌が前方確認しながらの推進運転(後部に連結している別の編成で、故障編成等を押しながら走ること)で、それでもダメなら後方向きの運転台での起動も試み、可能であれば退行運転で収容可能駅まで運転します。 最悪がどの編成での運転も不可能なとき、1編成のみの組成で前後の運転台でも起動できないときです。 この場合、最も近くにいる列車の運転を打ち切り、この列車を救援列車として前方または後方に連結(前方に連結するときは、同一線を逆走することになるので、伝令者を乗せての伝令法での運転となる)、この編成で後押ししたり引っ張ったりになります。 双方の編成の連結器が同じであればいいのですが、異なる場合(片方が自動式または自動密着式、片方が密着式の時。自動式と自動密着式は、そのまま連結できる)は中間にアダプター(中間連結器。片側が自動式、もう片側が密着式)を入れなければならなくなります。 過密ダイヤの通勤線では、改めて車庫から救援車と言うことは、実質的に不可能です。東武鉄道は過去に東武本線に1台、東上本線に1台の救援車を置いてましたが、1度も出番が無く、老朽化から廃車されました。 最も簡単で、安全な方法が、後方に停車している列車の運転を打ち切り、救援車にすることになります(単線の時は収容する場所の関係で進行方向側の列車とすることがあります)。
お礼
救援車は物理的に無理ですよね。後ろの運転席から運転と言うことも有るのですね。とにかく故障車をどかす為にいろいろ策が有ることが分かりました。ありがとうございます。
- Amanjaku
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自走が出来ないと言っても、押せば転がる状態ならば後続の電車で側線のある駅まで推進運転します。車輪の破損等動かせない状態ならばその場で応急修理をするしかない。
お礼
なるほど、後続で押していくのですね。ありがとうございました。
お礼
ドアが壊れたとか、モーターが壊れたのでスピード出ず運転打ち切りというのは経験がありますが、車両も良くなっているのか、お助け車両の出番はあまり無いのですかね。ありがとうございました!