慰謝料とは、他人の行為により耐え難い精神的苦痛を蒙ったことに対する損害賠償で、当該事実との相当因果関係が認められる範囲の苦痛に対して請求するものです。慰謝料の請求を認めるかどうかは、姑が支払いに同意するか、姑が同意しなかった場合に裁判所が認定するか、です。
ご質問の件について見てみますと、夫自身が極めて大きな精神的なショックを受けたとあります。その事実を知ったことで夫婦関係に修復困難な軋轢を生じたり、婚姻関係を継続しがたいほどの亀裂が生じてしまったのであれば、精神的損害の事実はあるかと思います。
もし、この事実を予め知っていれば婚姻しなかった(あるいは大いに逡巡した)ほどに重大な事実で、事実を故意に告げられなかった(秘匿した)ことにより婚姻関係に危機を招来しているのであれば、その責任は認めうると思います。
通常、婚姻契約締結にあたって誠実であるべきにもかかわらず、婚姻意思の形成にとって重要な事実を開示しなかったことの責任は配偶者に追求するものですが、ご質問の案件では配偶者自身が知らなかったため、配偶者には開示しなかった責任(故意・過失)はありません。一方、配偶者の親は子の婚姻によって親族関係(姻族)を結ぶことになります。つまり、姻族関係者も「親族」という極めて身近な存在になるという意味で当事者に含まれるでしょう。子に事実を開示することができない状況を招いた責任は、配偶者が事実を伝えられなかった結果に大きく影響していますから、姻族関係者にも責任を追及できる可能性がありうるものと思います(本件では、それ以外には責任の所在が無いため)。
ただ、姑にとっては一般に公言できる事実ではなく、これを敢えて開示しなかったことに理由が無いわけではありませんので、通常人をして当然に開示すべきものであったと決め付けることもできません。親子関係を考慮して、内縁関係を我が子に明かしてこなかったことにも一定程度の酌量の余地はあるものと思います。
婚姻関係の帰趨にもよりますが、精神的苦痛を受けながらも当事者の努力で婚姻関係を継続したというものであれば10万円程度、これにより婚姻関係が破綻したということであれば、その5~10倍くらいの被害認定を考えました(完全に私見ですので、裁判所で争った場合にどうかは「?」です)。
全くの余談ではありますが、各回答者の方への「お礼」では切って捨てるかのような反応をされています。青天の霹靂のような一大事と心中をお察しいたしますが、回答者各位はmakuragiさんの家庭を慮ってのご意見の数々かと思いますので、適切な反応ではないものと思います。人間不信になられませんよう、
お礼
とても分かりやすいご回答ありがとうございます。 この件に関しての考え方がよく分かりました。 私のお礼の書き方で嫌な思いをされたかもしれませんが率直な意見です。 残念ながら私はもう人間不信だと思います。