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シャボン玉 はたらく力
シャボン玉についての質問です。 シャボン玉は両親媒性分子からなる二分子膜(逆ベシクル)をもっていることを知りました。 私はシャボン玉にはたらく力として、両親媒性分子の分子間力と、両親媒性分子の親水基と水分子とが互いに及ぼしあう力の二つを考えています。 この2つ力はどちらのほうが強いのでしょうか。 また他にシャボン玉にはたらく力はあるのでしょうか。
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分子間相互作用の基本はご存知でしょうか? もし理解が足りないようならば、wikipedia「分子間力」の項を紹介いたします。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%86%E5%AD%90%E9%96%93%E5%8A%9B これを踏まえて、syabollさんの質問にお答えいたします。 >私はシャボン玉にはたらく力として、両親媒性分子の分子間力と、両親媒性分子の親水基と水分子とが互いに及ぼしあう力の二つを考えています。 とありますね。逆ベシクルの本質はともかくとして、 これらの二つの力が具体的にどのようなものになるか、 そして、そのどちらが強い力であるのかを、まず示してみます。 まず、両親媒性分子の親水基のみに着目します。 親水基同士の相互作用および、親水基と水の相互作用を分けて考えます。 (1)親水基に水素結合しうる官能基が存在する場合 (1-1)親水基間で最も結合力の強い相互作用:水素結合 (1-2)親水基-水間で最も結合力の強い相互作用:水素結合 (2)親水基に水素結合しうる官能基が存在しない場合 (2-1)親水基間で最も結合力の強い相互作用:双極子相互作用 (2-2)親水基-水間で最も結合力の強い相互作用:双極子相互作用 次に、疎水基に言及いたします。 (3)疎水基同士の相互作用 両方とも(ほぼ)無極性でしょうから、ロンドン分散力のみとなります。 (4)疎水基-水の相互作用 水の極性により疎水基の双極子が誘起されるので、誘起分極相互作用が起こります。 この相互作用はファンデルワールス力の範疇に含まれる相互作用ですが、 同じくファンデルワールス力の範疇であるロンドン分散力よりも強めの相互作用になります。 (具体的に言えば、相互作用の力が「距離の何乗に反比例しているか」という部分が異なる) 以上の疎水基に関する説明と、先に述べた親水性基に関する説明を合わせることで、 syabollさんの質問に対して正確な回答がなされます。 wikiから転載しますが、以下の項目が最重要です。 相互作用の力関係は以下のようになる。 イオン間相互作用 1000 水素結合 100 双極子相互作用 10 ロンドン分散力 1 したがって、(1-1),(2-1),(3)より、 「両親媒性分子同士の相互作用」で最も大きい力は、 親水基に水素結合可能な官能基が存在する場合「水素結合」 存在しない場合「双極子相互作用」 (1-2),(2-2),(4)より、 「両親媒性分子の親水基と水分子の間の相互作用」で最も大きい力は、親水基に水素結合可能な官能基が存在する場合「水素結合」 存在しない場合「双極子相互作用」 となります。そして、「2つの力はどちらが強いか」という質問は、 既に示しましたとおり、親水基がどのような官能基を持っていた場合でも、 「両者とも似たり寄ったりの力」と結論されます。 >他にシャボン玉に働く力はあるか ということですが、私の思いつく限りでは「表面張力」という力でしょう。 なぜシャボン玉が球形であるか?という疑問は表面張力の理解によりなされます。 一応、表面張力もwikiにありますので一応見てみてください。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%A8%E9%9D%A2%E5%BC%B5%E5%8A%9B 界面の表面積が最小になるときに界面自由エネルギーが最大になることは理解されましたか? 表面積が最小=球形、界面自由エネルギーが最大=構造が安定、ということなので、 シャボン玉は球形でいられるのです。
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- snsnsnsn
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あ、親水基-疎水基間の相互作用に関して何も書いてませんでした。 でもNo.1のと同じやり方で議論すれば大丈夫です。 いずれにせよ、最終的な結果はNo.1のものに相違ありません。
お礼
大変ご丁寧に説明していただきありがとうございました。 ぜひ参考にさせていただきたいと思います。