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女の友情の背景
女の友情を描いた映画が登場したのが80年代前後からで、それもでは恋愛映画の友情物語の主役ではあっても友情物語の主役にはなりえなかったのですが、なぜ友情が成り立たなかったのか、そして今は友情物語の主人公になりえた背景は何でしょうか・・・ 皆さんの意見をぜひききたいです。
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- bossnass
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2つの大きな理由があると思われます。 まず、映画の歴史背景にその理由があります。 映画は、1960年代まで男性や家族向けばかり作られていました。 テレビが一般的に普及するまでのころです。 女性の友情を主題とする映画は、当然「客入りが望めない」ために 映画会社は積極的には作らなかった経緯があります。 しかし、しだいにテレビに客が取られて映画館に人が来なくなります。 そこで映画会社はそれまでの映画企画・製作を捨て スピルバーグやコッポラといった新しい時代の監督達を起用していき ます。それが70年代後半からでした。 彼ら「新しい時代の監督達」は、 「中身の無いドタバタ・英雄もの・ギャング映画・聖書史劇」 といった古い主題を避け、現代的な「リアリティ」のあるテーマを 取り上げていきます。 企業スポンサーの制約でリアリティを出せないテレビに対抗する 意味もありました。 その流れから80年代に入って、現代社会に生きる普通の人々の 苦悩や現実を主題にする映画が次々にヒットし、 社会的に認識されて来なかった「女性の友情」をテーマにした映画 も作られるようになったのです。 もう一つは、女性に対する価値観の変化があります。 19世紀末に、産業の発達で、長い間家庭に閉じ込められていた女性の 社会進出が始まりました。 女性の活動が活発化し始めると、やがて、それまで覆い隠されていた ことが社会に認識されるようになります。 それは、 「女性の性欲の存在」と「女性同士の恋愛感情の存在」です。 20世紀はじめにフロイトがそれを世間に広め、その後の 「性科学」の発達により、世間一般化すると 社会はそれをタブー化します。 そして、女性たちも「同性愛扱い」を恐れるあまり、おおっぴらに 「女性の友情」を表す事を避ける様になります。 特に1950年代まで、戦争の影響もありその意識は強く残って いました。 1960年代に入って「女性解放運動」が活発化し、 ようやく女性の地位が向上すると、 「同性愛とは異なる女性どうしの友情」が認識されるようになり 先記の映画環境の変化から、80年代に 「現代社会では、男性と同じくらいの悩み・喜び・友情が女性 にもある」というテーマの映画が作られ始めたのです。 蛇足ながら・・・ 現在の映画やテレビドラマの「女性の友情」を主題とした作品 の多くは、30~40才代以上の世代を対象にしています。 やはり10~20才代では、友情よりも恋愛に関心があるためと 友情を語るには「生っぽい」世代だからでしょう。