哺乳類の指の数は全て5本です。馬の1本や牛や豚の2本の動物は、5本指から退化していったものです。
親指が独立して他の指と対向している指を持つのは霊長類だけです。
これは樹上生活に適応した結果だと考えられています。つまり木の枝などを掴むのに有利だったわけです。
ネコの親指は確かに他の4指からは多少離れていますが、"独立"しているわけでも対向しているわけでもないので、親指を利用してモノを掴むことはできません。
ちなみに馬は他の指が退化して「中指の爪」で立っています。牛や豚などの偶蹄目は「中指と薬指の爪」で立っています。
このように指の数は5本が基本で、進化の過程で減る(何本かが退化する)ことはあっても増えることはありません。
パンダはちょっと特殊です。
パンダは食肉目に属するのですが、親指は当然他の4指と並行していますので、指でモノを掴むことはできませんでした。
ですがパンダは中国の竹林で竹の葉を主食とするような進化を遂げたわけですが、そのためには竹の枝を「掴む」ことができれば都合が良かったわけです。
そこでパンダは手根骨に突起が生じ、それを利用してモノを掴むことができるようになりました。
この手根骨突起はヒトの親指のように見えますから、「パンダには指が6本ある」ように見えます。
哺乳類だけでなく、陸生の脊椎動物は全て「5本指」が基本形です。
これは両生類や爬虫類、鳥類及び哺乳類の全ての共通祖先が5本指だったからだと考えられています。
先カンブリア時代の化石では、6本指や7本指の動物もいたらしいことが判っています。
なぜ5本指だけが現在まで子孫を残しているのかはよく判りませんが、それは"たまたま"だったのかもしれません。陸に進出して魚類以外の全ての脊椎動物の共通祖先になった動物が"たまたま"5本指だったということなのかもしれませんね。