有効です。
民法754条が契約を「取消す」ことができるとしているのはそもそも契約事態が有効であることを前提にしていますので、無効ということ自体ありえないことになります。
原則として、夫婦間の取消しはいつでも取消しできるということになります。しかし#2の方の参考URLにもありますが、夫婦関係が実質的に破綻している場合には取消すことはできないというのが判例です。たとえ円満な時期に結ばれた契約であったとしても夫婦関係が一旦破綻してしまえばもはや取消すことができなくなります。
では質問者の方の事例がどうなるかですが、誓約書の内容からして、奥様は浮気をしたら離婚も辞さないという態度で臨んでいるものと思われますので、旦那様が浮気をすればその時点で夫婦関係が破綻に到ることになります。よって旦那様が浮気をしてしまった時点であの契約はなかったことにすると言ってみても認められないということになります。
しかし奥様の要求通り1000万全額が認められるというわけではなく、おそらく裁判上で「1000万円支払えという誓約書は1000万円を本当に請求するつもりはなく、絶対に浮気は許さないという決意の表れである」という解釈をして、離婚の際の慰謝料の算定や、旦那様の過失を評価する上で奥様に非常に有利な判断材料として扱われることになるのだと思います。
最後に、この民法754条は廃止論が民法学者の中では大勢になっています。なぜなら、夫婦間の契約を取消せるといっても夫婦間が破綻状態にある場合には取消しはできないのが確定判例ですし、民法754条は円満な状態にある夫婦の間の契約は取消せるということを定めた規定だと解したとしても、そもそも円満な夫婦間では訴訟や法律問題など起こるはずがなく、非常に無意味な規定だからです。
お礼
わかりやすい回答ありがとうございます。