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自由主義と民主主義の違い
日本国憲法において、自由主義と民主主義とはどのように位置づけられているのでしょうか?またその違いは何なのでしょうか? 言葉の解釈だけでいうと 自由主義=国民の権利、自由を最大限に保障しようとする考え方 民主主義=国民自らが政治を求めるという考え方 とありますがこれらは対立するのでしょうか、それとも次元が違う話なんですか?つまり自由主義の国と民主主義の国が存在するのか、自由主義でかつ民主主義であるという国が存在するのか、どういう使い方をするのかが疑問です。 よろしくお願いいたします。
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もう収束されているかもしれませんが補足まで。 それぞれの定義はすでにほかの方々がご回答されていますが, 憲法において,ということに絞ってみます。 「民主主義」は,日本国憲法前文に「そもそも国政は,国民の厳粛な信託によるものであつて,その権威は国民に由来し,その権力は国民の代表者がこれを行使し,その福利は国民がこれを享受する」とあります。つまり,日本の国政は国民が行うものと明確に規定されています。 「自由主義」は第3章で規定されていることではないかと思います。すなわち,「すべて国民は,個人として尊重される。生命,自由及び幸福追求に対する国民の権利については,公共の福祉に反しない限り,立法その他の国政の上で,最大の尊重を必要とする」(第13条)。中でも,例えば住居・職業選択の自由(第22条),財産権(第29条)では,経済活動の自由が明確に規定されています。 参考URLは憲法をオンラインで読めるサイトです。
- 参考URL:
- http://kenpou.jp/
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- neil_2112
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民主主義と自由主義は、基本的には次元の違う話で、一義的には対立するものではありません。 民主主義が原理とするのは、「自己統治」ということです。つまり、治められる者と治める者が一致する体制がその主眼とするところです。国の主権が誰にあるか、という問題のはなしであって、国民が為政者を選ぶ民主制に対立する概念としては当然、王制や貴族制が挙げられます。 一方で自由主義というのは、民主主義とは次元の違う原理です。自由主義は、近代国家が成立して徐々に国民の生活のいろいろな側面に介入するようになってから、それに対抗する形で、国家といえども介入できない「個人の自由な領域」を確保しようとして生まれたものです。「思想の自由」「信教の自由」という時の「自由」がそのニュアンスを含んでいます。 つまり自由主義というのはその成立から言って、国家権力に対抗する「個人主義」と密接に関係するわけで、単純に言えばライフスタイルの選択は個人の自由に委ねられていて、社会が干渉してはならない、というのが自由主義の基本的な立場です。 このように両者は次元を異にするものですから、当然お互い必ずしも対立するものではありませんし、両者が結合したリベラル・デモクラシー(自由民主主義)というのはごく一般的な体制として存在し得ます。 ただ自由主義の程度とあり方次第によっては、民主主義との軋轢を起こしかねない事は事実です。 自由主義は、社会に先だって個人を普遍的な主体として想定しているわけで、伝統的な「社会が個人を人間にしていく」といった考えに対して概して批判的です。 こういう考え方が先鋭化してくると、例えば帰属意識の問題が起こってきます。個人個人の価値観が優先され過ぎると社会の共通意識がどうしても薄れてしまい、社会全体の結合力が弱くなってしまうわけです。 結局、個人の自由を強調しすぎることは、主権国家が対立する国際社会のなかでは国益を損ねてしまい、結果的に国民の利益を損ねる事になりかねないと言えるでしょう。 さらにまた、行き過ぎた自由主義が政治そのものに対する無関心や心理的抵抗をもたらして、ひいては民主制そのものも危険に落とし入れてしまう危険性もはらんでいます。 このあたり、民主制下での適正な自由主義のあり方については、政治学でも盛んに議論されているところです。 ※ 同じような内容ですが、以前「ダールの手続き的な民主主義って」という質問に回答したことがありますので、良ければそちらも参照してください(http://www.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=320667)
お礼
詳しい回答ありがとうございます。 そうなんですね次元の違う概念ということがわかりました。 そういえば自由で民主な政党がありますものね。全然民主的じゃないですけど・・・。 どうもありがとうございます。
- lequeos
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自由主義と対置されるのは平等主義で、民主主義と対置されるのは全体主義、という理解でよいのではないでしょうか。 すなわち、自由主義が、個人の自由な活動をより尊重する立場であり、機会の均等を求めるのに対し、平等主義は同じ条件であれば、同じように扱われることを求める、結果の平等を志向します。実際には、両者は歩み寄るのが現代的な考え方ですので、明確に線を引くことが難しいのですが、結果の平等を(少なくとも理念的には)保障する旧社会主義諸国に対し、日本国憲法は機会の均等が原則であり、補完的に結果の平等を求めるというのが基本です。 また民主主義は、ご理解の通りで結構だと思います。 上に見たように、自由主義と民主主義は、それぞれ国民の経済・社会活動が対立衝突した場合の調整原則と、政治的な意思決定の原則のことですから、対立する概念ではなく、通常併存するものです。民主集中制を民主主義の一つの体制であるとするならば、自由かつ民主主義の国々がいわゆる西側諸国であり、平等かつ民主主義の国々が旧共産圏諸国ということになるでしょうか。
お礼
なるほど、とりあえず対立する概念ではなくて次元の違うものなんですね。 それで自由主義であり民主主義であるという自由民主主義というのも存在するのですね。 ありがとうございました。
- kagep
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政党論としてですが、 民主主義政党とは、有権者が望む政策を施政する政党のことで、 その政党の政策はflexです。 自由主義政党とは、有権者に対し自らの主張を強くアピールし、 有権者の支持を得ようとする政党のことで、 その政党の政策はfixです。 極右などは自由主義政党です。 ロシアのジリノフスキーなどがこれに当てはまります。 有権者が望むとおりの政治を行う=民主主義 自らの主張で有権者の支持を得て、その主張に沿った政治を行う=自由主義 というのが政治学的な民主主義と自由主義の差ですね。 極論を言えば「有権者に自由を与えない!」という「自由主義」もあります。
お礼
回答ありがとうございます。 なるほど政党にあてはめるとなんとなくわかりやすいですね。 フレックスかフィックスかというのではっきり違いますね。
お礼
そうなんです。私は憲法関係の本を読んでいて疑問に思ったんです。はたしてこれは対立もしくは対をなすものなのか?と。でも次元が違うものなのだと認識できました。 どうもありがとございます。