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「産科医不足」 についての大きな疑問
以前から日本で産科医が不足していると指摘されていたのに、また 「たらい回し」 の挙句に不幸な目に遭った妊婦がおられ、気の毒で仕方ありません。 以前にも質問させて頂いたのですが、シックリ来る回答が無かったので、改めて質問させて頂きます。 第一の質問ですが、報道によれば救急車からの問い合わせに対して 「万床」 として診療を断った病院が多かったですが、「空きのベッドが無い? じゃ、適当なスペースに簡易ベッドを用意して診察すれば良いのでは?」 という疑問がまず起きます。 完全な形の病室でなくても、要は医師の診断を受けるのが先決でしょう? 先に簡易ベッドで診察・緊急治療を行ない、しかる後にベッドが空いた病院に搬送すれば良いはずです。 それもしないで 「ベッドが無いからダメ」 とするのはなぜですか? ホテルじゃあるまいし ・・・ 次の質問ですが、産科医の不足の原因として、(1) 激務 (陣痛は24時間おきる) (2) 医療過誤による訴訟が多い (3) 給与を含めた待遇が悪い ・・ この3点に絞られるようです。 三番目の待遇については、要はお金の問題なので、国や医療機関がその気になれば即解決できるように感じます。 ところが1番目と2番目については日本だけの現象でしょうか? あの 「訴訟王国」 アメリカではどうなっているのでしょうか? 産科医が日本より不足しているのでしょうか? というのは、陣痛は24時間おきるというのは国籍に関係無いはずです。 アメリカでも夜中に出産という事があるはず。 向こうでも激務ですよね? またあの国で、もし過失があれば日本以上に医師を訴えるはず。 そんな産科医になろうという希望者なんて、怖くてアメリカでは誰もいないはずですよね? 極端な話、日本の現状から想像すれば 「アメリカでは産科医が一人もいない」 事もあり得るような感じがします。 でもアメリカでそんな問題があるなんて、聞いた事が無いんですよね ・・ 産科医不足が原因の事件がおきるたびに大きな疑問を感じています。
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No14さんは「当研究室のHP」と有りますね・・・。 >>医師過剰?・医師不足? 1970年代に新設医科大学が各都道府県に作られ、医者が増産されました。 人口増加対策や地域医療の充実だそうですが、医者の専門家・細分化により病院でも色んな科の医者を沢山そろえる必要が有った頃のように思います。 そのころの医者も定年が近づいたり、開業に進んでいるのは分かります。 しかし、「勤務医の数」・「ポスト」?「財政」?が足りないだけで、「医者の総数」は十分足りています。 この理論最近知りましたが、「壮年以降の医者をカウントせず、勤務医年齢層が定常という理論」はおかしいと思います。「卒業」って何でしょうか?私に言わせれば辞めて行く医者の苦悩を無視した「壮年勤務医者ポイ捨て理論」です。逆に言えば「今後も開業医を増やす事が前提」なのでしょうか?「開業墓場」でしょうか?で、50%増員して日本の「医者総数」を増やして行くのですか?そんな事言えば、企業でも40すぎれば人件費が高いから辞めて貰って、脱サラ・転職を見越して新入社員を雇えと言うのと同じです。で、医者の様に労働組合を剥奪して違法な激務を押しつければ良いのです。医者は25-30半ばまで殆ど薄給の非常勤ポストしか有りません。ようやく常勤ポストになった40代の医者が辞めてゆくことに問題を見いだすべきです。一番優れた安定した医療が行えるこの年代がどうして辞めるのか。病院経営の悪化が生み出す過労からの逃走です。「サボタージュ」「消極的開業」と呼ばれています。「5年先、自分はこの病院では勤め続けることが出来ない。居るはずがない。」と悟ったとき辞めるようです。 厚労省はずっと医者の数は足りていると言ってきました。最近ようやく「少ない」と意見を変えてきました。理由は「現場の医者不足」を前に過剰とは言えないからだと思います。証拠に医者を増産すると言いながら僅かな増産を予定しているにすぎません。単なるパフォーマンスです。いろいろ言われていますが、さすが厚労省は意外と?事を良く把握していると考えています。 さて、医師免許を増産したとして本当に良くなるでしょうか?私は国民の安全の為には医者の供給は需要より多い方が良いと思っていますが、どう見ても現状は医療経済が破綻しています。でさらに医者インフレを起こせば市場がにぎわうでしょうか?答えは明白です。病院・市場は買えないからいつまでたっても病院に医者は増えません。要するに、「赤字の病院がさらに常勤医枠を増やせますか?」が答えです。自治体は真っ先に「医者不足で・・・」と屁理屈を言い「枠」は増やしません。しかし、一人当たりの労働が欧米並みに少なくなれば、女医だって働けます。少なくともサボタージュは激減します。屁理屈を言う前に枠を増やして公募してみるべきです。まあ、議会(=市民)が金を出さないでしょうね。先例が有ります。看護師です。看護師免許は明らかに溢れています。しかし、何処の病院も深刻な看護師不足です。さらに免許を増やすべきでしょうか?市場に受け入れる資本が無ければ無理です。 No14さんも良ければ私の意見を研究室で批判・検討していただきたいです。一般の病院の事情は大学病院とは違います。
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- shou7
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参考まで 医学書院/週刊医学界新聞 【〔連載〕続・アメリカ医療の光と影(2)(李啓充)】 (第2481号 2002年4月8日)より http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2002dir/n2481dir/n2481_06.htm#00 ・・・「過誤保険の保険料を払うためだけに診療をするなど馬鹿げている」と,医師を廃業したり, 産科医が妊娠中の患者を置き去りにして過誤保険料が高いネバダ州から安いカリフォルニア州に転出したり, 家庭医が保険料を安くするために産科診療をやめたりする事例が続出したのである。 ・・・アメリカであったみたいです。 ある産婦人科医のひとりごと さま http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/ 新小児科医のつぶやき さまの http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/ 東京妊婦脳出血死亡報道 - http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20081023 2008-10-27 民主党議員もお勉強してください より http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20081027 ・・・医療にとって「ベッドが空いていない」は 治療する医師やスタッフがいないという事であり、 「医師がいない」と言うのはそのものズバリで治療にあたる医師がそのものが存在しない事です。・・・ が参考になるのでは?
お礼
有難うございました。 「空床無し」というのは、物理的にベッドが足りないのではなく、医師やスタッフなど治療に対応するだけの人的余裕が無いという事なんですね。 それなら、ハッキリそう言えば分かるのに ・・ と思ってしまいました。 でも、産科医がどうしてこんなに不足しているのか、まだ分かりません。 訴訟や激務が理由だったら、何も産科医だけに限った事ではないし ・・
- kenwoood
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それほど詳しくはないですが、 ☆医師の腰が引ける理由 ・その1として 医療行為に対して刑事事件扱いされる(業務上過失致死が適応される)のは世界でも日本だけと聞いています。 欧米などにある医療事故調査会は、刑事事件の証拠として扱わないとか、そもそも過失致死の考えがないなど、日本で現在検討されている調査会案と比べてまったく違うもののようです。日本で調査会を作ろうとしても、 1)刑事事件の証拠として扱われてしまう。 2)過失致死罪という法律が適応される などの点が先進国と比べて全く違うので医療界の賛成がえられていないようです。 ・その2として 民事訴訟額に上限がない アメリカでは産科訴訟(民事)では上限金額が設定されています。 その辺ではないでしょうか。 ・その3として ・あとから論かつ、不正確な中間調査でマスコミが大バッシングし、手錠はめられるところを顔つきで報道される。 ・書類送検の段階で、まだ起訴するか決まっていないのに実名報道する などです。
お礼
有難うございました。 やはり訴訟問題が大きな原因になっているようですね。 ただ、訴訟は産科医だけに限った問題ではなく、例えば外科手術を行なう外科医や麻酔担当の医師、あるいは吸入させるガスを間違った看護士などの方が実際に裁判になるケースが多いのではないでしょうか。 もしそうなら、訴訟が多いとう事で新しい産科医のなり手が激減するという事も少し違うかなとも思えるのですが、実際はどうなんでしょうか ・・ あとメディアの取上げ方ですが、本当に無責任で大問題だと思います。 今回の事件でも最終的に受け入れた墨東病院が問題視されていますが、反対に最後まで拒否した慶応病院や慈恵医大などは一切お構いなしになっています。 善意で受け入れた病院がコテンパンに批判されるというのは、やはり日本のメディア界は狂っていますよね。
- neuro
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>でもアメリカでそんな問題があるなんて、聞いた事が無いんですよね ・・ アメリカは20~30年前に現在の日本の問題を抱えたようですが、訴訟大国ですから、訴訟はありますし、その金額も並ではありません。そのため産婦人科や小児科での医療過誤を嗅ぎつける専門の弁護士もいるようです。 アメリカの医療費 http://www.urban.ne.jp/home/haruki3/america.html 出産費用なんか、日本の4~5倍です。日本は還付金がほぼ満額出ますから、ただ同然で子供が生めるのです。 アメリカの医療費高騰は、ドクターに支払う金額や看護代(ベッド代1日10万円というケースも)が大きいからです。この金額は基本的に保険で賄うわけですが、保険にもランクがあって、保険範囲を超えた治療は行われないことがあります。安い保険しか入っていないと、手術後1日で帰宅させられる場合もあるそうです。ですから患者側も命がけです。気楽に病院に通ったり、入院して、満床にするような病院は無いでしょうね。 アメリカのような資本主義的病院経営が良いのか、日本の社会主義的(中途半端であるが)病院経営が良いのか・・・。今、まさに国民がこれを選択しなければならない時なのだと思います。(個人的には後者は破綻寸前であると考えます)
お礼
有難うございました。 なるほど、アメリカの医療機関ではそんな状況になっているわけですか。 とすると日本の病院にように、待合室が高齢者の暇つぶしの場所になる可能性って全く無いわけですよね。 日本は世界に誇る国民皆保険制度があると聞いていますが、そのお陰で、本来受診すべき救急患者が万床として拒否される ・・ どこか狂っているように感じました。
- hideki1976
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> 完全な形の病室でなくても、要は医師の診断を受けるのが先決でしょう? > 先に簡易ベッドで診察・緊急治療を行ない、しかる後にベッドが空いた病院に搬送すれば良いはずです。 > それもしないで 「ベッドが無いからダメ」 とするのはなぜですか? 医師法第19条「応召義務」と医療裁判判例の構造的ギャップです. 医師法第19条には「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、 正当な事由がなければ、これを拒んではならない」とありますが, この「正当な事由」とは主に「医師の病気」ほどの事態をさし, 疲労程度で断ることは義務違反に当たるという 昭和30年の厚生省通達が生きています.したがって満床・専門外等の理由では,厳 密には断れません. しかしこの条項には罰則規定がありません.そのため患者の診察を断っても供給側 に実害は生じません.一方の判例は苛烈です.その時点・その場で可能な限りの予測 と処置のみならず,適切な処置が可能な施設への搬送も要求しています.それだけで はありません.受け入れたが最終的に処置が出来ないことが判明し,他の専門病院へ 搬送.その後死亡した事例について,処置できないことが予想されたにも関わらず受 け入れたために処置を遅らせてしまったという責任を負わせる判決も出ています.
お礼
有難うございました。 テレビ各局の報道番組では最後に受け入れた墨東病院がやり玉に挙げられています。 最初に受け入れ拒否をしたのも墨東病院との事でしたが、その後、慶応病院など有名病院に全て拒否され、最後にまた墨東病院に戻って結局は手遅れになったと思われます。 10ヶ所近くの病院が拒否したとの事でしただ、不思議にメディアの攻撃は最後の病院に集中しています。 今回に限らず、今までの「たらい回し」問題では必ず最後に受け入れた病院が攻撃されています。 素朴に「みんな責任があるだろう?」と感じていたのですが、どうもメディアの取上げ方がおかしいようです。 今のような報道のあり方が続けば、ちょうど「ババ抜きのババを誰が掴むか、掴んだやつ(病院)が不幸になる」風潮が強まるように思います。 善意で治療に当たった医師が告訴され、「邪魔クセーナー、他を当たれよ!」とばかり受け入れを拒否した医師には何の責任も無い ・・ 本当はどっちの方が責任が重いのでしょうね。
- qaz_qwerty_me
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> 次の質問ですが、産科医の不足の原因として、(1) 激務 (陣痛は24時間おきる) (2) 医療過誤による訴訟が多い (3) 給与を含めた待遇が悪い ・・ この3点に絞られるようです。 刑事事件で裁判になったことが大きいかもしれません。 しかし、TVだけの情報なので偏った情報とも思いますが、これは医師会などの医者側に大きな問題があって・・・警察が思い腰をあげたように思います。 TVでは明らかに技量不足の産科医が何度も医療事故を起こしても、警察、医師会や行政がうやむやのままに見過ごしていて・・・やっと警察が刑事事件で立件したら、産科医達が怖れをなして受診拒否をするようになったと感じます。 最近の論調ですが、責任追及とは別次元で、本質的な原因を追求して医療事故をなくそうとの議論がありますが・・・何度も医療事故を起こす医者が、何のペナルティも受けずに医療を続けることができなくする対処は忘れずに行ってもらいたいと思います。 (1)、(3)は、お金で充分解決できると思います。 話はそれますが、宇宙飛行士の年収は、同年代のサラリーマンとほぼ同額というTVを見て「志」があればお金は関係ない! と思えてほっとしました。
お礼
早速のお答え、有難うございました。 やはり訴訟問題に腰が引けているという事なんでしょうか。 今まではウヤムヤになっていた医療過誤が、シッカリと責任を追及されるようになったという事なんですね。 でも、訴訟が原因ならアメリカの方がもっと深刻になるはずですよね。 日本とアメリカ ・・ 訴訟に関してどこが違うのでしょうね。
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お礼
有難うございました。 実際のところ、日本の医師の総数は足りているというご意見なわけですね。 で、要は勤務医の待遇(給与や勤務時間など)が、あまりにも悪すぎるので、辞めていく医師が毎年増加するという事なんでしょうか ・・ テレビの特集でも「病院の赤字が続いたため、医師を数を減らされた ・・」というような地方の病院が紹介されていましたが、そもそも病院って営利企業のように「金儲け」の手段にすべき対象なんでしょうか? ここに大きな誤解があるように感じています。 「病院こそ住民にとって最も重要な公共事業」ではないのでしょうか? 山を削り谷を埋めて新しい道路を作るより、一人でも多くの常勤医を維持するのが先決のような気がするのですが ・・・ よく道路工事の必要性を主張する人たちは「今まで病院まで1時間かかっていたところを、新しい道路を建設する事で30分で行けるようになる。救急患者の搬送に役立ち、これこそ地方の住民が望んでいる事だ」という意見があります。 何億、何十億の予算を使って道路を新しく作り、計画どおり救急患者を30分で病院まで搬送出来たとしても、肝心の病院に医師が不足していて、受け入れ拒否されたら、一体何のために道路を作ったのか、笑ってしまいますね。 例えば、年間の道路予算の半分を市民病院の人件費に充てたら、一体何人の医師を増やす事が出来るかことか ・・ 話がずれて、すみません。