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旧人類と新人類。
とあるマンガ読んでたら 今の現代人はヒト科のホモサピエンスとありました。 ヒト科は1種類しかこの世に存在していませんよね。 となると他のヒト科は淘汰されたという事になりますよね。 (淘汰の原因が虐殺だったり、自然の気候のせいかは知りません。) で、ホモサピエンス以外の旧人類はネアンデルタール人という事がわかりました。 ただネアンデルタール人はDNA上、ホモサピエンスとはまったく違うという事でした。 かなり似てるらしいんですがね。 で、ネアンデルタール人以外にもいるのかなと思い質問しました。 どなたか詳しい方他にどのような旧人類(ヒト科)の生物がいたのか教えてください。
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現在はヒト科はチンパンジー亜科、ヒト亜科に分類され、チンパンジー亜科はゴリラ属とチンパンジー属に分類されています。 ヒト亜科は基本的に「人類とその祖先」だけが分類されていて、アウストラロピテクス属などがあります。つまり現在生息しているのは人類のみ、ということになります。 ネアンデルタール人はヒト属に分類されます。つまり"Homo neanderthalensis(ホモ・ネアンデルターレンシス)"が正式な学名となっています。 このホモ属はかなり数が多く、比較的有名なもの(人類進化の本などによく出てくる名前)だけでもホモ・ハビリス、ホモ・フローレシエンシス、ホモ・エルガステル、ホモ・エレクトスなどがあります。 ということで、「ヒト亜科」では現在1種類しかこの世に生存していない、ということになります。 これらのヒト亜科の動物が進化したのはアフリカだそうで、ホモ属の旧人類はアフリカを出て世界各地に生息域を拡大していたようです。ネアンデルタール人が最も有名(ヨーロッパに生息)ですが、彼らの先祖はホモ・エレクトスらしいです。つまり「出アフリカ」を果たしたホモ・エレクトスが世界各地に分布し、ヨーロッパではネアンデルタール人に進化した、ということらしいです。 ですがその後、アフリカに出現したホモ・サピエンス(現世人類)がやはり5~8万年ほど前に「出アフリカ」を果たして世界各地に生息域を拡大すると共に、旧人類は全て絶滅した、ということなんだそうで。 ちなみにDNAの塩基配列レベルだとヒトとチンパンジーも1%ほどしか異なりません。蛋白質レベルでは相当異なるのですが。 ネアンデルタール人のDNAも広範囲なゲノムで比較できるほどのDNA配列が得られているわけではありません。 ただ、今のところ「ホモ・サピエンスとネアンデルタール人が混血した」というのは遺伝子解析の成績から否定されています。 これはどういうことかというと、少し前は「世界各地の旧人類がそれぞれ現世人類に進化した(他地域進化説)」という説と「全ての現世人類はアフリカ起源(アフリカ起源説)」という説が対立していたわけです。 それがミトコンドリアという細胞内小器官のDNAを分析することによって、全人類の「母親」を遡ると10万年前にアフリカにいた女性に辿り着くことが判りました。後にY染色体の解析により、やはり10万年前にアフリカにいた男性に辿り着くことが判っています。 蛇足ですが、ミトコンドリアDNAやY染色体は、それぞれ「母からのみ」「父からのみ」遺伝する遺伝子です。ゲノムの他の部位は精子や卵子ができる時に組み替えが起きるのですが、ミトコンドリアやY染色体の特定部位は組み替えが起きずに母から、あるいは父からストレートに遺伝するため、解析がしやすいわけです。 話がだんだん核心に近づいてきますが、これらの研究の過程でネアンデルタール人の化石からミトコンドリアDNAを抽出し、解析を行ったチームがありました。ミトコンドリアは1つの細胞に数百個はあるため、1つの細胞に1セットしかないゲノムDNAと比べると微少だったり古くて劣化が激しい試料でも検出が可能な場合があるわけです。 で、そり結果、現在の人類のミトコンドリアDNAには、ネアンデルタール人特有の配列は存在しない、すなわち現世人類とネアンデルタール人が混血した痕跡は見つからなかった、ということなのです。 というわけで、現在では他地域進化説にはほとんど勝ち目がない、という状況というわけです。 このあたりの話を勉強するのにお薦めの本を挙げておきます。 ・「人類の足跡10万年全史」(草思社) ISBN978-4-7942-1625-0 スティーブン・オッペンハイマー ・「5万年前」(イースト・プレス) ISBN978-4-87257-828-7 ニコラス・ウェイド 詳しいのは「人類の足跡10万年全史」の方です。人類の生息域拡大のルートやミトコンドリアDNAとY染色体DNAの系統樹まで掲載されています。 でもまあ読んで面白いのは「5万年前」の方でしょうか。後者をまず読んでみて、より興味が湧いたら前者を読む、というのが推奨パターンでしょうかね。
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Jagar39です。書き忘れていたことを補足しておきます。 人類進化ではいわゆる「猿人」「原人」「旧人」「新人」の4つの呼称がよく用いられますが、学問的にそれほど厳密に区別されているわけではなさそうです。 ただ、アウストラロピテクス属等のホモ属出現以前のヒト亜科を猿人、ホモ属(ホモ・エレクトスやホモ・エルガステル等)を原人、ホモ・サピエンス以前に世界各地に分布していたホモ属を旧人(ホモ・ネアンデルターレンシスやホモ・ハイデルベルゲンシス)、ホモ・サピエンスを新人という呼称が一般的なように思えます。 旧人はどれもホモ・エレクトスが起源と考えられていますし、ちなみに北京原人やジャワ原人は共にホモ・エレクトスに分類されています。 直立二足歩行はアウストラロピテクスで既に達成されています。 また脳容積については旧人は現世人類と大差なく、むしろネアンデルタール人などは現世人類より大きな脳を持っていたものも発見されています。 脳容積については、この10万年間はむしろ減少しているようです(人類の足跡10万年全史、39pより)。 ん~、H.ヘルメイとか旧H.サピエンス、H.ネアンデルターレンシスといった10万年前のサンプル数が少ないので、確かにグラフとしてはこれまで増加の一途を辿ってきた脳容積がこの10万年で減少に転じている、と読めるのですが・・・P値はけっこう高い(それでも5%未満の有意水準は満たしているのでしょうが)ように見受けられるなぁ・・
- mituyan
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正式にヒト科かどうかはわかりませんが、旧人の最古としてアウストラロピテクス、その次にジャワ原人・北京原人、その次にネアンデルタール人となってます。 ちなみにアウストラロピテクスの時には二足歩行は人間の特徴としての直立二足歩行はしていました。
お礼
アウストラロピテクスからスタートしたんですね。 ほほー神秘的だ。 回答ありがとうございます。
お礼
文字読むのが苦手な自分が全部事細かく読ませていただきました。 丁寧にありがとうございます。 いやぁ・・・すばらしい。早速ヒマな時にそちらの本を図書館にてあるか探しに行きます。 ワクワクしてきました。ありがとうございました。