「再チャレンジ試験」は阿部内閣の19年度に初めて実施されたものですが、国家公務員の中途採用については16年度の頃から情報がありますので、計画的に実施されたものと思われます。すなわち、当分は毎年実施されるのではないでしょうか。
ただし、報道等にあるように、フリーター、ニート、子育ての一段落した主婦等を主たる対象としているようなので、該当しない方にはなかなか辛い試験だと思われます。
私は大卒、30代後半、正社員の係長経験者ですが、訳あって現在無職なので、内容をよく知らずに、今年度この試験を実際に受験してみました(行政事務)。
競争率は高い(1次選考で約25倍、最終的には約101倍)ものの、高卒程度の試験なので、大卒程度の知識があれば筆記試験(1次選考)は通るようです。しかし各省庁での採用面接(2次選考)では苦戦しました。というのは、5箇所を回りましたが、どこでも求める人材が「明るく元気で、業務経験があまりなく、高卒の20代と同等の初歩的な職務や処遇に耐えられる者」のようだからです。別名を「中途採用選考試験」というので、中途からのスタート(業務経験が処遇にプラスされる)を期待していたのですが、年齢は俸給に若干反映されるものの、あくまで高卒20代と同等の位置でのスタートということです。まだ最終合格発表の前ですが、私はもうどうでもいいと思っています。「こんな処遇で採用されても……」というのが本音です。
今年度に応募者が約6割も減少したのは、初年度の前年度に上記のような実態が判明したからなのではないのでしょうか。やはり募集対象の層が特殊(人事院は、その旨受験案内に明記してほしい)なので、業務経験者としては、あまり魅力のない試験だと思います。