金メダリストはあくまで決勝で勝った「A」です。「決勝」という言葉は「勝者を決める」という意味ですから。
メダルの授与は、タイムではなく、決勝に出場した8選手にしか資格が与えられません。だからこそ決勝に進む(予選を突破する)価値があるのです。
ところで、1984年のロサンゼルス五輪では準決勝がなく、予選で1~8位の選手が決勝に進出、9~16位の選手は「コンソレーション」と呼ばれる順位決定戦に出場し、コンソレーションは決勝の直前に行われていました。
同大会の男子のある競泳のコンソレーションで1位(つまり全体で9位)の選手のタイムが、直後の決勝で1位(つまり金メダル)の選手のタイムより良かったため、「自分にも金メダルはくれないの?」と審判団に(一応)アピールしましたが、見事に却下されました。
一方、タイムは五輪だろうが、国内大会だろうが、公認されれば世界中で通用します。
競泳の場合は、単独競技以外でも、例えばリレーの第1泳者の記録は個人記録として公認されます。単独競技であっても、1500m自由形における800mのラップタイムは、800mの個人記録として公認されます。
しかし、例え、背泳ぎの競技後、メドレーリレーの第1泳者(背泳ぎ)が世界新記録を出したとしても、背泳ぎの金メダルはあくまで背泳ぎの決勝における1位の選手です。(そういうことにしないと、表彰式がいつまでたってもできませんよね 笑)
お礼
たいへんわかりやすい解説ありがとうございました