「プラグがかぶる」という言葉は良く使われますが、
言葉だけが独り歩きして関係の無い場面でも「かぶる」という形容詞が使われている場面を目にすることも多いです。
なので、今日は「かぶる」という状態を定義しましょう。
まず第一に、点火プラグの電極部分がガソリンで濡れて電気火花が飛ばなくなった状態。
これが「プラグがかぶる」の最も基本的な状態。
「バケツの水をかぶる」と同じ意味の「かぶる」。
濡れているだけなので、ウエスで拭くなり、ガソリンを乾かすなどすれば使用可能。
ただし、正常な状態、用法であればかぶることが無いように設計されているはずなので、状態に問題が無いか、始動法等に問題が無いかの検証が必要。
つぎに、電極部にカーボンがたまってそちらに電気が流れ、電極に火が飛ばない状態。
これも「かぶる」と表現する場合があります。
正確にはかぶった訳ではないのですが、かぶることもカーボンがたまることも混合気がリッチな状態で起こるので、かぶると言われるようになったと思われます。
この場合はカーボンを除去すれば使用可能だが、実際には電極部の奥深くのカーボンを取らないといけないので、サンドブラストを利用したプラグクリーナーかケミカル系カーボン除去材による清掃が必要。
また、プラグクリーナーの場合は細いプラグでは砂が中に残るので、NGK品番でB、D以外のプラグでは使用しないほうが良いと思われる。
最後に、プラグの寿命。
電極部が磨耗して丸くなると寿命と言われています。
電気火花が飛ぶ場合にわずかながら金属を蒸発させるので、電極が減って角が丸くなっていきます。
電気火花は尖ったところから飛びやすいので、角の丸まったプラグは寿命と言われます。
さて。勝手ながら「プラグがかぶる」の定義付けをさせていただきました。
その定義からすれば、新品のプラグが短時間で「死んだプラグ」になるということは考えにくいです。
あなたの「かぶる」がどの状態なのか、それによって対応してください。
補足
死んだプラグというのはちょっと表現が難しいのですが、 2stでよくあるようなプラグを濡らしてしまって掛かりにくくなったからブラシを当てて火であぶったら使えるようになった。というのはよくあるのですが、4stマルチでキャブの調子が悪く調整しているときにかぶらせてしまって火花が飛びにくくなってしまった、というやつです。 古いバイクなのでちょっと電気系が弱くなっているのかと思いますが、未使用のプラグでは強い火花が飛ぶのですが再生した物は弱くなってしまいます。 このプラグを再使用できるようにしたいのですが良いお知恵を拝借したいと思っています。 よろしく。