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相対論の光速度不変について

岩波文庫 相対性理論 p28に光の伝播速度が(cの2乗ーvの2乗)の平方根であるということである、と出ています。 私の理解するところでは、光の速さは何時でも、何処でも `c`だとおもっていました。 何故、上記の様な値になるのかわかりません。お教えください。

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  • stomachman
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回答No.1

なるほどご指摘のとおり、ここんとこ、紛らわしい書き方がされてますね。 > 光の速さは何時でも、何処でも `c`だとおもっていました。  それは間違っています。光の速さがcになるのは、真空中で、しかも加速度がない時に限るんです。  ですが、お読みの部分は、重力のない真空中で相互に等速度運動する慣性系(加速度のない系)同士の間のローレンツ変換を導こうとしている箇所であって、Einsteinは「相対性原理」と「光速不変の原理」を仮定しているのですから、「光の速さは何時でも、何処でも `c`」ということが前提になっています。 [1] 問題の箇所を調べてみましたら、Einsteinはこう書いています(ウムラウトは誤魔化しました): Eine analoge Ueberlegung --- auf die H- und Z-Achse angewandt --- liefert, wenn man beachtet dass sich das Licht laengs dieser Achsen vom ruhenden System aus betrachtet stets mit der Geschwindigkeit √(V^2-v^2) fortpflanzt: ∂τ/∂y = 0 ∂τ/∂z = 0. イーカゲンな訳ですけど: 同様の話をHおよびZ軸に当て嵌めて、静止系からは、光がこれらの軸に沿って速度√(V^2-v^2)を持つように見えることに注意すると、以下の式が導かれる: … というほどのことでしょうか。(岩波文庫の訳では光速Vがcに書き換えられています。) [2] 上記の文章が出てくる前の段階で、静止系K(軸の名前はΞ, H, Z)と、静止系から見てΞ軸の方向に速さvで運動している運動系k(軸の名前はx,y,z)を考えています。ただしx軸, y軸, z軸はそれぞれΞ軸, H軸, Z軸と平行だとしています。  で、運動系kにおいて、y軸上に原点からLの距離のところに印を付けたとして、時刻t=τ=0(このとき、K系とk系の原点は一致している)に原点から光を発し、印の所に届くまでの時間を計ることを考えます。  k系から見れば、単に時刻τ=0に原点から光を出して、原点からLだけ離れた所に付けた印まで飛ばしただけだから、光が印に到達する時刻をτ=τ[1]とすると、光速cは一定なので、 cτ[1] = L である。Lとτ[1]の比は c=L/τ[1] ですね。  しかしK系から見れば、(H軸方向にはローレンツ短縮は起こらないので)時刻t=0に印はH軸上にあって原点からLだけ離れており、しかも、この印は速さvでΞ軸の方向に運動している。従って、光が印に到達する時刻をt=t[1]とすると、 (c t[1])^2 = (v t[1])^2+L^2 を満たす。これを L = t[1]√(c ^2-v^2) と変形します。すると、Lとt[1]との比は L/t[1] = √(c ^2-v^2) となる。これは原点から印(これはΞ方向に運動している)に向かって飛ぶ光の速度のうち、H軸方向の成分の大きさを表しています。  問題の箇所は、このことを言っているのだと思われます。  つまり、「軸に沿った速度」(岩波文庫では「HあるいはZ軸方向への光の伝播速度」)という表現は「速度のHあるいはZ軸方向の成分」のことを表しているんです。(はっきりそう書いてくれりゃ、誤読しようがないのになあ。) [3]  念のために付け加えますと、  「速度」は方向と大きさを持つ量であり、上記の話の場合、Ξ, H, Zの3つの軸に沿った成分から成るベクトル(v, √(c ^2-v^2), 0) として表されます。  一方、「速さ」とは、速度の方向を無視して、その大きさだけを言う時に使う用語であり、その値は速度の3つの成分をそれぞれ2乗して足したものの平方根ですから、この話では √(v^2 + (c ^2-v^2)+0) = c となるわけです。つまり、原点から印に向かって飛ぶ光の速さはcであり、その速度(v, √(c ^2-v^2), 0) のΞ成分はv, H成分は√(c ^2-v^2), Z成分は0である。

alphaone
質問者

お礼

質問を聞いてもらう相手が周りにいませんので、教えてくださりありがとうございます。

alphaone
質問者

補足

静止系の3軸をX,Y,Zとおく。(ギリシャ文字を表示する術を知らないので。) 運動系のy軸上の点に向かう光を静止系から見るとX軸方向に、速度 v Y軸方向に、速度 (c*c-v*v)の平方根、Z軸方向に、速度 0で進んでいるように、見える。 ところで、光の速さは単位時間あたりの移動距離なので、運動系のy軸上の点に光がたどり着くまでの時間を静止系で測った場合、その時間をtとおくと、時間 t の間に進む光の距離はc*t=(v*v*t*t+L*L)の平方根である。(v*v*t*t+L*L)の平方根をtで割ると、光の速さはcになる。 以上の理解でよろしいのでしょうか。 理解不足のところがございましたら、お教え願います。