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妖怪の存在が日本で根強いのは何故?
こないだテレビでやっていた「ゲゲゲの鬼太郎」を見て、日本の妖怪について興味を持ちました。 日本ってなぜあんなにも妖怪がいるのでしょうか?先ほどウィキペディアで調べたら、予想以上に妖怪の数が多くてびっくりしました。浮世絵のおかげでほとんどの妖怪の姿絵がありますし、どこ出身の妖怪か、どんなことをするのか、そしてその対処法まで詳しく書いてあるものが多かったです。 しかも、身近で生活密着型の妖怪が多く、一般人でも遭遇率が高いのが多いようです。逆に隣国中国や欧米の妖怪は、妖怪というより怪物に近く、場所なども海や山など遠隔地で、遭遇率は低そうです。 そして、日本の妖怪は恐ろしく有害な妖怪から、何も危害を加えない無害なもの、時には微笑んでしまうような愛嬌のある妖怪までいますが、海外の妖怪・怪物はそのほとんどが有害のように感じます。 またその起源においても、日本の妖怪は物が化けたとか、人の姿をした妖怪だとか、原型がしっかりとしているものが多いですが、海外、特に西洋の妖怪・怪物は何かと何かが合体したなど、原型をとどめずに、進化したようなものが多いように思いました。 日本国内だったら、どんなに興味のない人でも最低5つ以上は妖怪の名前を言えるのではないでしょうか?中には「座敷わらし」のように目撃談まである妖怪もいます。 何故日本の文化にはこんなにも妖怪の存在が根強いのでしょうか? よろしければ参考になる本など教えていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。
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中国の場合は分かりませんが、 西洋との違いは、宗教観の違いではないでしょうか。 西洋では神とは絶対的なものです。畏れの対象も神です。 自然に対しては恐れることはあっても、畏れることはありません。 基本的には支配し征服する対象です。 また、神話に出てくる神々も、基本的に人間の生活とは直接関わりません。 日本の宗教観は、むしろアニミズムに近いものがあります。 自然界の無生物にすら神が宿り、それは畏れの対象です。 自然の恵みに感謝し、自然と調和して生きる文化です。 その、生活に密着した畏れの象徴として、妖怪というものが 伝承されてきたのではないでしょうか? これが、中国になるとよく分かりません。 どちらかというと、悪霊や仙人などが、多く出てきます。 ベースは人間で、絶対的な力を持つカミに近づくことに失敗して、 悪鬼になってしまうというような話も多いです。 やはり、国の勃興、制服の繰り返しによる文化伝承の断絶と、 怖いのは人間だという意識が、その違いを生むのかも知れません。 と、書きながら気づいたのですが、妖怪の豊かさは、 自然の豊かさと、生活との密着度に寄るのかもしれません。
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- nomori
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>妖怪が「増えた」時期は、江戸の庶民文化が栄えたあたりからなんですね。あの頃だからこそいろんな妖怪が出てきたのかも知れませんね。 ここはちょっと違いますね。化政文化の勉強からした方が良いかもしれません。化政文化は一概に庶民文化が「栄えた」ととれる状態ではありませんでした。あの当時、何が流行ったかご存じですか?東海道四谷怪談、復讐奇談安積沼、今日でも規制対象になるだろうグロテスクな表現が一世を風靡したんです。(なかなか公にされませんが、化政文化時期の読本などを読めば、その挿絵から如何に当時グロテスクなものが流行したか判ります) 当然幕府は出版取締令を発布しており、賑わいは終息を迎えていきますが、あの異様な雰囲気は文化として異質なものです。退廃的ムードが漂ったのが化政文化です。絢爛豪華な元禄文化とは明らかに異質の文化は、腐りかけの果実がおいしいのと同じです。 「気持ちの悪いものを好む」人間の心理状況ははっきり言って正常とは言いがたいです。そんな状態に多くの人がいて、それを背景に増殖しだした妖怪たちをどう見るかは、ご質問者様のこれからのお勉強次第でしょう。 ちなみに、そのような流行は主に都市部限定です。地方における「妖怪」という認識は本当に新しいものです。民俗学が妖怪の普及を後押ししたのもあるかもしれませんね。民俗学がしたことは、地方にあるそれぞれの特色のある「なんだか判らないもの」を分類化し、系統化したということです。それによって、確実に「なんだか判らないもの」は減少したでしょうから(なぜなら明治政府は強行的に神仏習合を進め、それ以外の宗教を排除していったため(例として山伏の禁止がありますよね)。江戸初期の寺請制度の開始も恐らくそのような古代宗教の断絶に一役買っているはずです。
お礼
お礼が遅れてすみません。 すみません、大学では妖怪や民俗学とは全く違う分野を勉強しており、高校時代も世界史をとっていたので日本史には疎いです^^;そこらへんの文化的背景からも妖怪が増えた理由がわかりそうですね。また暇のあるときに趣味程度で調べてみようと思います。 二度も回答ありがとうございました。
- cse_ri2
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いろんな本を読んでの考えなので、特にこれといった一冊は挙げられませんが、アニミズムとか多神教の影響が強いと思われます。 他の方の回答にあるように、日本では妖怪ですが、イギリスでは妖精が有名ですね。 それから、妖怪は中国にもけっこういますよ。最近は子供向けの娯楽は日本が発信地になっていますが、私の子供の頃は西遊記とか、あとマンガの方が有名ですけど封神演義もありますね。 その他、どちらかというとマンガ・小説・ゲームなどでの方が有名ですが、エルフやドワーフなんてのもいます。 誤解ないように簡単に解説しますと、イギリスの妖精はケルト神話から、エルフやドワーフは指輪物語で有名になりましたが、元をたどれば北欧神話からきています。 それで、上記の妖怪・怪物・その他に共通するのか、多神教から生まれた物語だということです。 中国・日本はもとより、ヨーロッパのケルト神話・北欧神話も多神教の世界です。 東洋と西洋では歴史が違いますので、それらの知名度には差がありますが、やはり一神教の世界では広がりにくい内容ではないかと思います。 もっとも一神教の世界でも天使や悪魔の存在がありますし、有名な千夜一夜物語ではジン(男の魔神や精霊)やジーニャ(女の魔神や精霊)がバンバン出てきます。 他の方の回答にもありますが、この手の世界にどっぷり漬かるともう身動きとれないほどハマってしまう危険性があります。 ただ、面白いことは間違いないので、いろいろ調べてみたらいいですよ。
お礼
お礼が遅れてすみません。 アニミズムや多神教ですか~なるほどです。そこらへんのことが大きなキーワードになっているんですね。とても興味深いですが、確かにハマってしまったら底なし沼のように奥深いでしょうね(笑) 私も大学では全く別の専攻なので、この妖怪については暇があるときに、趣味程度でまたちょこちょこ調べてみようと思います。 回答ありがとうございました。
- nomori
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>日本ってなぜあんなにも妖怪がいるのでしょうか? ほかの方も仰るように日本だけに多いわけではなく、ただ単に質問者様の知識不足かと思いますが…(下手な日本贔屓はやめましょうね)妖怪が確実に日本で増殖した時期はあります。「妖怪」という言葉自体、8世紀あたりに出てきたと思われるのでそれほど古くもありません(おそらく「物の怪」という言葉の方がメジャーだったでしょう)し、中世説話群にはそれほど多くの妖怪は記載されていません。 「妖怪」という言葉が頻出し始め、流布したのは近世以降かと思います。しかも後期に普及したのではないでしょうか?私の知っている限り、元禄文化までは妖怪はそれほど存在しませんし、その呼称も一般的ではないかと思います。 恐らく化政文化あたりの浮世絵・読本・歌舞伎もろもろの影響で、一気に妖怪の知名度が上がり(というより、ブームが起きたんですよ、このとき…)そのために妖怪の数も爆発的に増えたのかと思います。 それまで「妖怪」と認識されていなかったものさえ「妖怪」と呼び習わされ、妖怪になっていったのでしょう。 妖怪が多い(と質問者様が認識される)理由はこの辺にあるかと。また、同様の理由から、 >日本の妖怪は恐ろしく有害な妖怪から、何も危害を加えない無害なもの、時には微笑んでしまうような愛嬌のある妖怪までいますが これも、比較的新しいものの見方です。少なくとも近世初期に妖怪が無害と言うことはありませんでした。妖怪と呼ばれるものは少なからず異端であり、また恐怖の対象であり、不吉なものとされていました。近世中期以降、現実主義が広まるにつれて不可解なものへの恐怖心がなくなるとともに、怖くない妖怪も現れだしたのでしょう。 >中には「座敷わらし」のように目撃談まである妖怪もいます。 イギリスでは写真にまで撮られた妖怪(イギリスでは妖精と言いますが)がいますが?笑 妖怪とまでは行きませんが、彼の国では現在も、「幽霊が出る」だけで物件の相場が上昇するそうです。日本人が同じ事を出来るかと言ったら…できませんね笑。 私は妖怪の専門家ではないですし、民俗学方面のことは知識がないので判りませんが、取り敢えず、知っていることのご回答まで。 まあ、何はともあれ、疑問に思ったらどんどんどんどん本を読んでいくことです。この質問の場合も、まず「妖怪がいる」→「日本にはこんな妖怪がいるが海外はどうだろう?」→「海外の民話や伝承などにあたってみる(これは簡単で、いろんな国の民間伝承をまとめた本は多数出版されてますし、中国の妖怪に関する書籍は腐るほどありますよ(『西遊記』だって孫悟空からして妖怪でしょう?笑)」→「海外にも色々な種類の妖怪がいるが、日本とはどう違うのか?」を考える…くらいはできるでしょう。 間違っても、現時点の見識だけで「『日本』ってこんなたくさん妖怪がいるんだ!」で終わらないようにして下さい。危険な発想です。
お礼
回答ありがとうございます。 はい、たしかに国外にも妖怪やその類がたくさん存在することは承知ですが、海外の友達と日本の友達(10人位ですが)に聞いてみたところ、日本の友達は簡単に妖怪の名前が5つくらい出ましたが、海外の友達ではあまりこれと言った妖怪は出ず、妖怪というよりも幽霊の話が多かったです(アメリカの友達だとBloody Maryの話をしてくれました)。イギリスの妖精の話も有名ですよね。コティングリー事件でしたっけ?(あれは結局ただの悪戯でしたが・・・。) 妖怪が「増えた」時期は、江戸の庶民文化が栄えたあたりからなんですね。あの頃だからこそいろんな妖怪が出てきたのかも知れませんね。 質問で書いたとおり、つい最近興味を持ち始めたので、文献等はこれから読むつもりです。ここでそのヒントを少しでももらえたらと思って質問しました。
- takuranke
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小松和彦先生 井上円了先生 喜田貞吉翁 柳田国男翁 折口信夫先生 村上健二氏 多田克己氏 京極夏彦氏 らの著書全て。 鳥山石燕の今昔画図続百鬼、今昔百鬼拾遺、画図百鬼夜行 稲生物怪録絵巻 等など、たくさんありすぎて紹介しきれません。 はっきりいって嵌ると深みにはまります。 河童だけでもかなりの文献資料がありそれでもはっきりしたことが判りません、呼び名や姿も地域によっては変わります。 人気があるのは昔からで、豆腐小僧は創作妖怪です、石燕の書いたものも洒落が利いていたりする創作妖怪があります。 現在の人気は、昭和30年代から40年代にかけて、水木しげる先生や佐藤有文氏の洗礼を受けた人達から出た物ではないのでしょうか。 それとなぜか、10年に一回くらいの割合で鬼太郎がアニメ化されています。
お礼
アドバイスありがとうございます。 たくさんの方々が妖怪について書いてらっしゃるのですね。 wikipediaで見かけた妖怪の姿絵の大半は鳥山石燕のものでした。私自身浮世絵が好きなので、画集をほしいくらいです(笑) >>それとなぜか、10年に一回くらいの割合で鬼太郎がアニメ化されています。 本当に何でなんでしょうね。私の小さいころは「地獄先生ぬ~べ~」というアニメも人気でした。
- mochitora
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何かよくわからないもの 得体のしれないもの 自分達の持っている知識では説明できない物(事象) って、怖いですよね。 昔の人達は、この恐怖を、 ちょっと面白おかしく描くことで、 怖さを紛らわし、 時には神のように崇めたのではないかと思います。
お礼
回答ありがとうございます。 今ではさまざまなことが科学で解明できていて、当たり前のことでも、昔の人たちは知らなかったのですもんね。不可解なことの多い時代では、確かにその恐怖を面白くしてないとやってられませんね。
たびたびすみません。 >そして、日本の妖怪は恐ろしく有害な妖怪から、何も危害を加えない無害なもの、時には微笑んでしまうような愛嬌のある妖怪までいますが、海外の妖怪・怪物はそのほとんどが有害のように感じます。 またその起源においても、日本の妖怪は物が化けたとか、人の姿をした妖怪だとか、原型がしっかりとしているものが多いですが、海外、特に西洋の妖怪・怪物は何かと何かが合体したなど、原型をとどめずに、進化したようなものが多いように思いました。 どんな文献を読んでそう感じられたのか補足いただけると、参考になります。
補足
いえ、こちらこそたびたびありがとうございます(笑) 質問にも書いたとおり、つい最近の「ゲゲゲの鬼太郎」からの興味ですので、お恥ずかしいながらまだこれと言った文献は読んでおりません。これからいろいろ借りて読もうと思っている次第です。 ここで書いたのはwikipediaからの印象です。日本の妖怪一覧や中国の妖怪一覧を大体読んで、このように感じました。
日本だけじゃないですよ。 西洋にも妖精がいます。 生活密着型の妖精が多いと思いますよ。 世界共通の文化みたいなのではないでしょうか。
お礼
アドバイスありがとうございます。 はい、イギリスなどヨーロッパに妖精がいるのは知っていますが、今回はあくまで「妖怪」という分野でお聞きしたかったのです。妖精も似たようなものかも知れませんが、なんかちょっと違うような・・・。誤解を招いてしまいすみません。
お礼
なるほど、宗教観の違いですか。興味深いです。まだ浅い知識で申し訳ないですが、西洋のは確かに共生できないようなのが多かったです。一神教の宗教がそういう考えなのでしょうか。反対に日本は、「千と千尋の神隠し」のような思想ですよね。どこかしこに神様がいるみたいな・・・「お米1粒に100人の神様がいる」という考えも、そのアニミズムなんでしょうか? 質問欄には書かなかったのですが、中国の妖怪は、妖怪というより神?みたいなのをよく見ました。 まさに私が求めていた回答だったので、とても納得しました。回答ありがとうございます。