こんにちは。鉄道会社で運転士をしております。
推進力や牽引力の差はありません。
数字上の出力に違いはありませんので。
しかし、運転する側からするとこの差は大きいです。
<重連>
○ (1)機関車同士の連結から、総括制御が可能であり操縦する運転士は一人で済む(人件費の問題)
× (1)勾配区間で先頭の機関車が空転した場合、その衝動から次位の機関車も車輪とレールとの摩擦係数のバランスが崩れ、折角の重連時の牽引力が発揮できない。
(2)空転時のレールの状況が重連だとほぼ変わらないため、2台揃って空転してしまう点。
<プッシュプル>
○ (1)先頭と補機との位置が異なり、それぞれレールの状況や摩擦係数が異なる為、先頭で空転しても次位機が空転しにくく牽引力を保ちやすい。
(2)前後で方向転換する際、機関車を付け替えないで済む。
× (1)総括制御が出来ず、それぞれの機関車に運転士が必要であり人件費がその分かかる。
(2)補機のノッチ(車で云うアクセル)の進段操作が難しく神経を使う。
ブレーキについては全車でBPを引き通し、減圧する事でブレーキが掛かるので、プッシュプルでも重連でも環境は変わらず。
プッシュプルの補機の運転士は、ノッチは使ってもブレーキは引きとおしのため扱わないのです。
路線環境と気象状況(雨天や秋口で落ち葉が多い)などを鑑みて、比較されるもので、それぞれに一長一短あるものです。
お礼
専門家の方のお話はやはり説得力が違います、空転時の対応など一ファンの私には想像出来ない苦労なのですね、現代のデ-ゼル・電気機関車はほぼ総括制御が可能だと思いますが、蒸気機関車の機関士さんは大変な苦労と責任感を持って運転されて居たのですね、具体的な回答を戴き、助かりました、有難う御座います。