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塩化第二銅エッチング反応について
塩化第二銅エッチング液による銅の溶解反応式は Cu+CuCl2→2CuCl らしいのですが、このように反応が進むのはなぜなのでしょうか?。
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- kakutaner
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塩化第二銅1個で1個の金属銅が酸化され、第一 銅になり、銅を第一銅に変えた第二銅も第一銅に なるので2個の第一銅ができます。 実際のエッチング反応は、塩酸など大量の塩素イ オン下でなりたち、銅イオンは塩素イオンと錯塩を 形成しています。 反応式を詳しく書くと、 Cu + [CuCl4] 2- + Cl- → [CuCl4]3- (溶解) 生成した第一銅は塩素イオンによって1価の錯塩 として溶解することが分かります。 詳細は参考URLのPDFに載っていました。
- masa1000rx
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補足に対して。 まず仮想的な Cu + Cu2+ -> 2Cu+ の平衡反応についてです。 例えば、金属銅(大量)に Cu2+ の 1 M 水溶液をいれたとします。すると、系が平衡に達するまで反応が右に進みます。理論上は、[Cu+] = 10(-3) M になるところで、右向きの反応と左向きの反応の速度が等しくなり、見た目に反応は終ります(平衡)。でもこれではエッチングは終了しませんよね。 ところが実際には Cu + Cu2+ + 2Cl- -> 2Cu+ + 2Cl- と塩素イオンが存在します。実は CuCl は難溶性なのです。これがみそです。 上記の場合 1 M の Cu2+ と同時に 2 M の Cl- が存在します。反応は右に進むのですが、 [Cu+] = 1.6 x 10^(-7) M になったところで CuCl の沈殿が生じはじめます。すなわち Cu+ の濃度は 1.6 x 10^(-7) M 以上になることはありません。よって平衡には決して到達することなく、反応は右に進みつづけることになります。エッチングも終ると。ようするに Cu- を沈殿によって取り除くことが反応を右に進める原動力になっているということです。 こういう話は、分析化学の「沈殿平衡」というところを見ると書いてあります。ただし CuCl や Cu- の安定性は考慮していません。そこは無機化学の領域です。 ところで、この反応を左に片寄せるにはどうすればよいか。今度は逆に Cu2+ を除去すればいいです。これには、エチレンジアミン (en) が使えます。en を系に加えると、ほぼすべてが Cu2+ に配位して [Cu en2]2+ の錯体を形成するため、左辺の Cu2+ がほぼなくなります。すると左向きに反応が進行し Cu- の濃度が下がり、ついで CuCl も解けだす。 いかがでしょうか?(ただし、これは計算上の事なので、実際には他のことも起こって複雑化しているとおもいます。でも、基本はこれでいいです。)
- dragon-2
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(1)銅は純水中ではわずかながら溶解する。 (2)残留塩素や塩化物イオンが存在すると速やかに腐食し、比較的密着性が良く防食性のある亜酸化銅の皮膜を生成する。 (3)塩化物イオン濃度が高いと、亜酸化銅は塩基性塩化銅に変化し、防食性の無い青緑色のさびを生成する。 とさび(緑青)の生成原理が述べられています。エッチングは腐食させること、銅では金属銅をイオンにすることです。一般に、金属は純金属のかたちより、酸化したり他のものと化合してイオンになると安定します。銅は銀や金の仲間で金属でも比較的安定な物質ですが、やはり、イオンになる=さびます。 <Cu+CuCl2→2CuCl の式は、金属銅が塩化銅(2)と反応して、塩化銅(1)になるもでですが、物質の反応式ではわかりにくいので、イオン式にします。 Cu + Cu2+ → 2Cu+ この反応は不均一反応の逆ですから、可逆反応です。 注意ですが、銅は、2価のイオンになりやすいのですが、1価のイオンもかなり安定なのです。 また、最初にありましたように、CuClは耐腐食性の膜を一時的につくりますが、塩化物イオンが多いところでは CuCl+H2O+Cl- → Cu(OH)Cl + HCl の反応で溶け出します。もちろん、溶液ですから、イオンになっていますが なお、この反応で、左辺のCl-はCuCl2から多く供給されているものと考えます。つまり、この反応が右辺へ移動すると、溶液のCu2+はCu+となるわけです。
補足
ご回答ありがとうございます。 かなり詳しくお答えしていただいて感謝いたします。 ところで Cu + Cu2+ → 2Cu+ は可逆反応ということですが、この逆の反応も同時に 起こっているという事でしょうか?。 また、同時に起こっていた場合、 CuClができる反応、つまりエッチングが進む方向に 反応が進むのはどういう理由からなのでしょうか?。