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デッキプレートの錆びはどの程度許容できるのでしょうか

知人の旅館(鉄骨造)が竣工直後から複数階で幾度も漏水し、その度に建設会社が対処していたのですが、築後8年経った先日気付いたところ、床のデッキプレートの下に錆が発生。私も覗かせてもらったところ、デッキプレートの継ぎ目周り、配管の貫通部周りにおびただしい錆が出ていました。鉄骨梁の耐火被覆を少しはがしてみると、鉄骨にも錆。 色々考えたところでは、上の階の水周り防水層が何らかの原因で漏水し、デッキプレートの上面(コンクリートとの間)に水が溜まった状態となり、それが少しずつ漏れて来ているのではないか。 もしそうだとすれば、デッキプレートの上側は全面錆びているのではないか。またもしそうだとすれば、デッキの水は梁から柱へと伝わり、全体にまわって建物全体の鉄骨が錆びているのではないか・・・・ ●そこで教えていただきたいのですが、デッキプレートや鉄骨の錆びは建物の耐力上、どの程度まで許容できるものなのでしょうか。 ●また、何らかの処置で完全に漏水が止まった場合、以後、錆びの進行は無いと考えて良いものでしょうか? 床の配筋は設計図によれば溶接金網なので、もしデッキの耐力が弱まれば各室のお風呂(石張りの展望風呂)がのる水周りの床はもたなくなるのではないかと不安です。建築構造に詳しい方、是非アドバイスをお願いします。 因みにデッキプレートは設計図では「スーパーEデッキ」となっています。

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  • ベストアンサー
  • Willyt
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回答No.1

 先ず一般的に鉄の錆びは酸素を吸って体積を著しく増やしていますから、凄い錆びが浮いていても、厚みを測って見ると大した欠損になっていないというケースが大変多いのです。ですから錆びは構造上はあまり心配するものではないということが言えます。  ただ、新しい水が絶えず供給されていたり、塩分が飛来したり水に混じっていたりすると錆びる速度が加速することは事実です。しかし、暴露試験をやって見るとかなり劣悪な条件を与えても、錆びは片面で0.1ミリ/年くらいのものです。ですから軽量鉄骨のデッキプレートは3ミリ程度はあるでしょうから、30年は大丈夫ということになりますね。  ですから漏水を止めることができれば、錆びの進行は殆どなくなる筈です。  ただ、鉄筋コンクリートの鉄筋は悲惨な状態になることが予想されます。コンクリートは不可避的にひび割れが生じます。するとその中に水分が染み込み、これが鉄を錆びさせます。そうすると冒頭に書いたように体積を増やしますからコンクリートのひび割れを一層大きくしようとします。この悪循環により鉄筋はどんどん錆びるのです。水が乾いてくれればいいのですが、コンクリートの中はそうは行かないのが泣き所なのです。ですから、鉄筋の寿命は50年はとても保たないのではないかと私は危惧しています。防水シートなどで対策を施しても、水が鉄筋にまで届くのを阻止することは殆ど不可能です。鉄筋コンクリートの場合は30年程度の寿命しかないのではないかと思われます。対策はありません(>_<)

chantiki
質問者

補足

早速のアドバイスありがとうございます。錆びの進行速度の話、大変参考になります。 スーパーEデッキはT1.2か1.6で、ここで用いられているのは1.2のようです。仮に錆が年に0.1mm進むのであれば両面から進行すれば6年で消滅してしまうことになります。 デッキ上のスラブ配筋はメッシュのシングルですからデッキが無くなれば自重すら危ういような気がしますし、そもそも鉄板の厚みが半減した状態を構造設計は想定していないと思います。 漏水対策工事はオーバーでなくもう何十回もやっていて、それでもまだ止まらないのだそうです。天井裏に洗面器が置いてありました。全く可哀想な状況です。オマケに海岸ベタ。塩害も手伝っているのかもしれません。 ご指摘のようにスラブ内のメッシュも膨張し始めているかもしれませんね。水周り、特に浴室はレベル調整のために300ほどのシンダーコンクリートを打っているようなので、ここに浴槽を満水にすると・・・なんだか凄い荷重になりそうで怖いです。

その他の回答 (4)

  • Willyt
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回答No.5

>最初に戴いた回答に、「暴露試験をやって見るとかなり劣悪な条件を与えて >も、錆びは片面で0.1ミリ/年くらいのものです。」という記述がありま >したが、この参考になるサイトや研究など教えていただけないでしょうか。 下記のサイトにあるpdfファイルを開いて見て下さい。5ページ、表5のSM50Aというのが通常の鋼材で、1ミリの錆びは785ミリグラムになります。これは5年間の値なので、表の値を5で割ったものが1年の錆びになります。海岸部を除いてこれが80ミリグラム、つまり0.1ミリを超えるケースが殆どないことがお分かりいただけると思います。逆に海岸部ではやはり0.2ミリを超える場所が出ていることを見れば、塩分の存在はかなり悪影響を与えるということがわかりますね。

参考URL:
http://thesis.ceri.go.jp/center/info/geppou/ceri/0003708020.html
  • Dr_suzuki
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回答No.4

軽量型鋼として柱梁の母材は貴方のおっしゃることでよいですが 2次部材の床に3MMのデッキを使うことは通常はあり得ません。

  • Willyt
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回答No.3

 軽量形鋼は6ミリ以下の形鋼を指します。従って3ミリ以上の鉄骨は沢山使われますよ。

chantiki
質問者

補足

ありがとうございます。 最初に戴いた回答に、「暴露試験をやって見るとかなり劣悪な条件を与えても、錆びは片面で0.1ミリ/年くらいのものです。」という記述がありましたが、この参考になるサイトや研究など教えていただけないでしょうか。 よろしくお願いいたします。

  • Dr_suzuki
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回答No.2

このデッキは合成デッキといって、コンクリートと1体で性能を発揮するものです。 サビにより、デッキの性能が損なわれることになれば 床としての機能は発揮できません。 これは程度によると思いますので、詳しくは販売元の住金建材に問い合わせしてみてください。 鉄骨のサビは強度的にはそれほど影響があると思えませんが これも程度によりますので見てみないことには解りません。

chantiki
質問者

補足

的確なアドバイスをありがとうございます。 ご指摘のとおり、デッキの上面に錆が広がっているとすればコンクリートとの一体化は期待できないので、既に合成床版ではないのかもしれません。上面はもしやコンクリートに保護されているかもしれない、という期待を持って現地を見てみましたが、下から見た感じではそう甘くはなかったようでした。 (嵩上げのシンダーもあり)かなりの荷重が常時かかっている様子なので応力錆という状況もあるのかもしれません。 現在メーカーにも相談しているところです。 鉄骨の方は、確認できた場所が限られているので全体像が把握できないのですが、概して表面錆、一部にはH鋼下側フランジに膨張錆も見られました。 岩綿の耐火被覆材なので、水が広い範囲に染み渡っているのかもしれませんが、場所によってはミズミチのような状態のところもあるかもしれません。 私は意匠屋で鉄骨造の経験はいくつかありますが、普通に使用中の建物の骨組みがこのような状態になっているのは初めてのことです。錆止めは施していたはずですが、こんなにも貧弱なものだとは意外でした。