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講談社X文庫ホワイトハートから刊行された小説を探しています
伝奇物というかファンタジーというか。そんなような風合いの小説です。有名な作家さんの作ではなく(現在はどうであるか知りませんが)デビュー作かなにかだったと思います。 発刊は数年前。内容は…中国をモデルにしたと思われる、元・皇帝一家のお話。 主人公の少年は亡国の皇帝の息子で。もっとも、体制が変わった今や彼らは高貴な血筋でも何でもなく、一族がかつて持っていた別荘か何かに住まい、それをホテルとして経営することで生計を立てています。主人公は早くに死んだ両親の顔も、昔日の栄華も知らないため血筋にこだわる祖母と折り合いがよくありません。祖母も、息子が市井の女と駆け落ちした末に作った孫を快く思っていません。主人公は若い叔父に懐いており、美貌と能力を持って完璧にホテルを切り回す彼を憧憬を以て見ています。 えーと、それで。ホテルの裏手には池があるけれど、それに近付いてはいけない、と主人公は厳命されています。昔そこで溺れ死んだ子供がいるからと。ところがある日、主人公はそこから美しい歌声が響いてくるのを聞きつけます。その日から、彼は妙なる美声で歌う少年(ただし頭はすこし弱いらしい)と、どうしたことか叔父に酷似した青年の二人連れとに、ちょくちょく出会うようになって、というお話です。 オチは、青年の方は在りし日の叔父の亡霊、少年の方は叔父の弟で、美声故にそれを保つため去勢されてしまい、ために主人公の父が死んだとき後継者候補にもなれず池に身を投げていた…というものでした。 全体的にちょっと耽美っぽい雰囲気が漂う、ゴシック・ホラーといった感のある小説でした。
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質問者が選んだベストアンサー
紫宮葵さんの「黄金(きん)のしらべ 蜜の音」ではないでしょうか? デビュー作の「とおの眠りのみなみさめ」がホワイトハート大賞受賞、 その受賞後第1作目、とあります。
お礼
回答ありがとうございました! 実物が手近の書店にないので確かめようがないのですが、しかしご紹介いただいた参考URLの記述から、ほぼ間違いないと思われます。すごいですねえ・・・内容を言っただけでぱっとどの本かわかるなんて。どうやってお調べになられているのかなあ・・・。